秋の果物といえばりんご!りんごといえば長野!(生産量は青森の次なのですが…)
生産量もさることながら、りんごの個性豊かなのは長野ならでは。
りんごは「ふじ」だけではない! 長野県で育成され、旧国名に由来する「シナノ」を冠した品種がたくさんあるんです。
個性豊かな長野県生まれのりんごたちを、およその収穫期順にご紹介します(収穫期は県内でも地域によって変動あります)。時期も味わいも本当にちがうので、シーズンを通して食べ比べて、お気に入りの「シナノ〇〇」を見つけてください!
シナノレッド(8月上〜中旬)
「つがる」×「ビスタベラ」から生まれ、平成9年に登録されました。さっぱりとした味わいは暑い時期にもぴったりの「夏りんご」です。

デリケートで栽培適地が限定されるため、生産量は県内でもかなり少なめ。希少な品種で、あまりお目にかかれないかも…
シナノリップ(8月上〜下旬)
先ほど紹介した「シナノレッド」×「千秋」から生まれ、平成30年に登録された比較的新しい品種です。

食べた瞬間、良い香りと甘さ、そしてあふれる果汁! ひと口食べて思わず「おいしい!」と声に出てしまいます。「夏のりんごもおいしい」と証明するニュースターです。
シナノドルチェ(9月上~中旬)
「ゴールデン・デリシャス」×「千秋」から生まれ、平成17年に品種登録されました。

シナノシリーズの中では唯一、縦長のフォルム。
去年、畑で採れたてを初めて食べましたが、おいしかったな~。今、自宅の冷蔵庫に保管しているので、また食べて感想追記します!
シナノピッコロ(9月中~下旬)
「ゴールデン・デリシャス」×「あかね」から生まれ、平成18年に品種登録されました。

食べきりサイズの小さめりんごです(りんご丸々1個って、結構量がありますよね…)。
小さいりんごって、あまりおいしいイメージがなかったのですが(屋台のりんご飴の中のりんごみたいな)、かわいいサイズだけど食味はしっかりめでおいしい!
今年はまだ食べていないから、まだ直売所にあるといいな~。
シナノプッチ(9月中~下旬)
「つがる」×「さんさ」から生まれ、平成22年に品種登録。シナノピッコロとサイズ感は同じくらいですが、親が全然ちがうのが面白い! シナノピッコロに比べて皮が薄く、パリっとして食べやすい!

去年、取材した安曇野の農家、林さんのおすすめ品種でもあり、去年から心待ちにしていたのですが、林さんからいただき、無事食べられましたー! おいしさのあまり、いただいたその場で無言で1個食べ切る私…
JAあづみの販売担当者も大好きな品種だそうで、現場の方々お墨付きの品種であります。
シナノスイート(10月上~中旬)
「ふじ」×「つがる」から生まれ、平成8年に品種登録。りんご三兄弟のひとつで、スイートの名前の通り、酸味はほとんどなく、あまーい品種です。

歯触りはさっくりとして柔らかく、子どもやお年寄りにもおすすめ。初めて食べたときは「こんなにおいしいりんごがこの世にあるのか!」と感動した記憶があります。
シナノゴールド(10月中~下旬)
「ゴールデン・デリシャス」×「千秋」から生まれ、平成11年に品種登録。シナノシリーズ唯一の黄色りんごです。

こちらもりんご三兄弟のひとつで、シナノスイートとちがいが際立って、シャキシャキの実にパリパリの皮。みずみずしくて、やや酸味があって「果物食べてる!」という素直な感想になります。
それなのに初めて食べたときは「こんなにおいしいりんごがこの世にあるのか!」(2回目)と感動した記憶があります。
ちなみにシナノゴールドはりんご生産者さんにも人気の品種なのです!(筆者調べ)
シナノホッペ(10月下旬~11月上旬)
「あかね」に「ふじ」を交配して得た実生から選抜・育成し、平成25年に品種登録されました。

長野駅前のJAながの直売所「旬彩工房Vivid」にふらっと入って何気なーく買ったシナノホッペ。これが感動的においしくて!蜜がたっぷり入って、じゅわーっと甘い!
当時のSNS投稿にも感動が綴ってありました(笑)

やや知名度が低いですが、おすすめのひとつです。
長い時間をかけて選ばれたシナノりんご
長野県生まれの品種はほかにも(りんご三兄弟の「秋映」など)まだありますが、今回は「シナノ」しばりで紹介してみました。
ご覧のとおり、これだけでもそれぞれ個性があって、見ているだけで楽しくなりませんか?
これらシナノりんごたちは長野県果樹試験場で品種育成されたものですが、一つの品種が生まれるまでに20年以上かかることも。
シナノシリーズはすべて平成に登録されていますが、昭和から品種開発は始まっていたのでしょう…
そんな年月にも思いを馳せつつ、選び抜かれた旬の「長野県生まれ」りんごを味わいましょうね! みなさんの「推しシナノ」を、ぜひ教えてください♪