消費者と生産者をつなぐために
戦争や異常気象は、私たちの暮らしに大きな問題をもたらしています。肥料・家畜のエサ・燃料など農業生産に欠かせない資材価格の高騰が農家を直撃し「このままでは農業を続けることが難しい」という深刻な声も聞こえてきます。
このような状況のなか、消費者と生産者をつなぐために「長野県のおいしい食べ方」で何かできないか…と考え、2023年6月28日から10月10日にわたって「生産者に応援メッセージをおくろう!」企画を実施しました。
普段、何気なく食べている食べ物が、どのように、どんな想いで作られているのかお伝えしたく、長野県の農業を支える若手生産者の生産現場を取材しました。
そして記事掲載に合わせて応援メッセージを募集したところ、全7回合わせて8,138通のメッセージをいただきました。
▼全7回 取材記事まとめ▼
「おいしい」と「安全安心」をつくる人たち。
たくさんのメッセージをお寄せいただき、本当にありがとうございました。みなさんからいただいた応援メッセージは生産者の方へ届いています。ここではメッセージの一部をご紹介するとともに、生産者からのお返事を掲載します。
※表記統一や字数制限の都合により意図や内容を変えない範囲でメッセージの一部に変更を加えてあります。
第7回「お米農家」の柿嶌洋一さん
第7回(最終回)の取材では、JA信州うえだの米農家・柿嶌洋一(かきしま・よういち)さんの田んぼを訪ね、田植えと収穫の作業を見せていただきました。
柿嶌さんの家は代々農家ですが、柿嶌さんはお米の栽培を本格的にはじめてから20年目。一度は地元を離れましたが、やはり農業がしたくて戻ると、改めて地元の農産物のおいしさを実感したといいます。お米を作るのはもちろん、販売先への営業や宣伝も行っています。
▼記事はこちら▼
お米の魅力で地元を元気にしたい!
柿嶌さんへの応援メッセージ
先月、ご縁あって稲刈りを体験させてもらいました。刈って束ねたあとに、あぜ道にこぼれ落ちてしまった稲穂を拾い集めることを通して「お米のひと粒も無駄にはしてはいけない」「大切にしないといけない」と改めて思わされました。尊いお仕事に感謝します!(神奈川県・40代・ジューシーピーチさん)
秋になると家族でキャンプをしに訪れる長野県。帰りは産直へ寄り、旬の野菜や果物を買って帰ります。なかでも楽しみなのが新米! ツヤやかで甘くて「こんなにご飯っておいしかったのか」と家族で感動しました。今年もその新米が味わえるのがとても楽しみです。農家のみなさまのおかげで味わえる幸せ。ありがとうございます。(富山県・40代・けんじじさん)
実家で米を作っています。天候とにらめっこの米作りですが、記録的猛暑のなかで大変だったと思います。いよいよ刈り取りの時期ですね。お疲れさまでした!(東京都・40代・ドンちゃんさん)
小さい頃から毎日お米を食べています。長野県産のお米もよく食べますが、お米の甘みや粒立ちの良さが本当に大好きです! 子どもたちもお米が大好きなので、自分が大人になったとき、さらにその子どもにお米の魅力を伝えていってほしいです。農家のみなさんの愛情あふれるお米作りが、とても大事だと実感しています。農業は大変かと思いますが、微力ながら今後もお米を食べて応援させていただきます!(滋賀県・20代・epain022さん)
家族全員、長野県産のお米が好きです。子どもも小さな頃から食べており、とても気に入っています。お米の甘い香りや、口に広がるコクと食感が最高です。粘りややわらかさもあり、喉越しはやさしく、子どもからお年寄りまで食べやすくておいしいです。いつもありがとうございます。(埼玉県・30代・みちさん)
毎年、故郷・長野から贈られてくる新米をメインに食べる「新米DAY」をとても楽しみにしています。わが家の旦那さんは結婚する時に「おかずはなくても必ずお米を出してほしい!」と要望するほどのお米好き。お米命のわが家にとって、お米を作ってくださる生産者さんはまさに神。新米を食べる季節は特に感謝の気持ちでいっぱいです。(東京都・40代・そらてりさん)
失礼ながら私の地元広島では、長野県産のお米の取り扱いが少ないので、はじめてこの品種名を聞きましたが、インタビュー記事を読んで、とても興味が湧きました。品質が良いものを作ろうとこだわっていらっしゃるのがよくわかりました。外食産業の需要減少や原油価格の高騰で大変だとは思いますが、これからもがんばってください。お米が大好きな子どもたちと毎日お米を食べて応援しています。ご飯ケーキも作りました!(広島県・40代・はっぽちゃんさん)
「風さやか」は前から気になっている銘柄ですが、まだ購入経験はありません。全国の食味ランキング特A受賞銘柄をメインに、いろいろな白米を取り寄せています。やっぱり日本人は白米ですよね。近年の温暖化による異常気象もあり、本当に農作業は大変でしょうし、また獣害も増えていると思います。ご苦労さまです。そして安全な農作物の安定供給、ありがとうございます。(愛媛県・60代・バリオスFさん)
離れて気づく地元の素晴らしさに、いたく共感しました。行動に起こす柿嶌さんも素晴らしいですね。さっぱりとした風味の「風さやか」、ネーミングセンスも素敵です。近所のスーパーではあまり見かけないので、どんな味かとても興味が湧きました。(神奈川県・40代・みかんさん)
私はお米生活をはじめて、長年苦しんだ病気が寛解しました。お米の力、栄養、おいしさに、本当に感謝しています。「風さやか」は、大好きなお米のひとつです。大粒であっさりしていて、とても食べやすく、あっさりしたお米が好みの私にはぴったりでした。私の影響で子どももお米にくわしくなり、稲刈り体験など積極的に楽しんでいます。農業は大変なことも多いけど、その分やりがいのある、とても素晴らしい職業だと思います。食育や農業体験など、積極的に日々の生活に取り入れていきたいと思います。(愛知県・40代・子鉄ママさん)
柿嶌さんからのお返事
このたびは、お米を愛するたくさんの方から素敵なメッセージを頂戴しまして、ありがとうございます。
長野県は昨今の気候変動の影響で、質の高いお米が作れるようになってきています。みなさまからいただいたメッセージを励みに、引き続き自然と向き合い、楽しみながらがんばっていきたいと思います。
目まぐるしく変わる世界情勢のなかで、JAグループでは「国消国産(自国で消費される食料は自国で生産するという考え方)」を提唱し、国民のみなさまの食料の安定的な確保を目指しています。われわれ農家組合員もこれに呼応し、持続可能な農業を確立し、産地からみなさまのもとへしっかり食料をお届けしていきます!
これからも日本の農畜産物を、そして瑞穂の国のお米を応援していただけたら幸いです。引き続きどうぞよろしくお願いします。
応援メッセージありがとうございました!
こちらに載せきれませんでしたが、ほかにも多くの応援メッセージをいただきました。
本当にありがとうございました。
日本人の生活に欠かせないの農産物といえば、「お米」でまちがいないでしょう。炊き立てのつやつやほかほかごはんに勝るものはなし! 毎日のご飯はもちろん、おもち、おせんべいやあられ・おかきに姿を変え、最近ではグルテンフリーの食べ物として米粉の活用も広まっています。
それでも日本でのお米の消費量が下がり続けているのも事実です。食生活の変化により、お米とともに歴史を歩んだ日本人がお米から遠ざかっていくのは、なんともさびしいなあと感じます。
そんな逆境にあっても、地元のおいしいお米を食べてほしいと米作りに励む柿嶌さん。一度は地元から、そして農業から離れましたが、地元の農産物のおいしさに改めて気づいたとのこと。柿嶌さんにならい、お米のおいしさを、私たち自身も時に振り返って噛みしめる必要があるのではないでしょうか。
近所の田んぼが住宅地や駐車場に変わり、少しずつ日本のお米が失われています。消費者の私たちは「食べる」ことでお米を、そして国産の農畜産物を守ることができます。それは生産者を応援することにつながっています。
「生産者への応援メッセージ」企画、全7回がこれで終了しました。たくさんの応援メッセージ、ありがとうございました。記事を通して生産者の思いに触れていただき、農畜産物の生産過程に思いを馳せてくださる方がひとりでも増えますように。そして「食べて応援」の思いが広まっていきますように。