「農家さん日記」執筆4年目の殿倉由起子さん。アスパラ・りんご・きのこを栽培する農家であり、小学生のお子さんのお母さんでもある。
国際色豊かなお客さんで賑わうゲストハウスを運営し、自ら育てたりんごで作るシードルは数々の賞を受賞。農業者の集まりにも積極的で、いったい何足のワラジを履いてるの!?
そんな殿倉さんへの質問を、2025年12月に実施したシードルプレゼント企画の際に募集したところ、たくさんお寄せいただきました。なかでも多かった質問に、殿倉さんがお答えします!
エネルギッシュに活動する秘訣
Q1. 挑戦を続けるモチベーションの源は何ですか?
A. まわりの応援してくれる仲間、友だちです。農家やシードル関係の仲間ががんばっている姿をSNSで拝見するのはもちろん、農業団体の会議や研修などで直接会って話すのは、私にとって大切な時間です。
最近では農業に興味をもってくれる友だちもいて、私の目線を通して農業に関わりのなかった人たちに興味を持ってもらえるのは、うれしいこと。「農業を知らない人の視点でもSNS発信できるといいな〜」と思っています。
とはいえ、私は波があるので、モチベーションを保ち続けるのは難しいとも感じています。ときには休むことも必要だなって思います。
若手農家を中心とした「PALネットながの」の仲間たち
Q2. 多方面で活動する、その尽きないエネルギー源は?
A. 40代になって、大きな病気も経験して、30代に比べると体力がかなり落ちたなと感じています。もっとエネルギッシュに動きたい! でも、なかなか難しいのが現状。
そんな私のエネルギー源は、シードル仲間たちとシードルを楽しむ時間です! シードル、サイダーは私にとってのガソリンです(笑)。

Q3. リフレッシュ法があれば教えてください。
A. 最近は睡眠をとても大切にしています。ちゃんと寝ると、体や気持ちがリフレッシュできる気がします。
じつは夜中に何度も起きてしまうことが続いていて、病院で睡眠剤を処方してもらってもいるのですが、冬は宿も落ち着いているので、週1はゆっくり寝ようと思い、夜9時から朝6時まで寝る日もあります。
寝落ちするために本を読み始めて、今はそれが一番の趣味になっています。私は電子書籍派で、あまり良くないとは思いますが、夜中に目が覚めた時も本を読んで、考え込まないようにしています。
マルチタスクを乗り切るコツ
Q4. 仕事と子育てをどのように両立していますか?
A. 両立できている感覚はありません(汗)。私は身の回りを整えてあげているだけかな。夫が子煩悩で、休日はお出かけに連れていってくれたりします。だから両立している優奈ちゃんとミエさんに聞きたいです(笑)。
優奈ちゃん(左)とミエさん(右)こと農家さん日記執筆者のふたり
Q5. 時間の使い方やタスク管理の方法を教えて!
A. 時間の使い方はめっちゃ下手です。スマホのタスク管理アプリも使ってみたのですが、なかなかうまく使いこなせず、アナログの方がいいかなって。なので朝、小さいノートにやらなきゃいけないことを箇条書きにして、やり終えたら消す。それくらいです。
Q6. 一番大変だったこと、それをどう乗り越えた?
A. 一番大変だったのは、心筋梗塞で倒れた時。原因は「特発性冠動脈解離」という病気で、完全に治るわけではないとのこと。無理しないのが乗り越える一番の方法かもしれません。
ただ、私ひとりでは何もできません。いつも家族やスタッフ、友だちや仲間にサポートしてもらっているので、倒れた時にも「みんながいれば大丈夫」と思いました。
宿をオープンしてから丸2年が経った今、なんでもできるスタッフがいて、私に何かあっても仕事を任せられるという安心感があります。

Q7. どうやって睡眠や体調の管理をしていますか?
A. ちゃんと寝ることは意識しています。以前はあまり気にしていなかったのですが、パジャマを着るとちゃんと寝られる気がして、旅行先にも持っていくようにしています。
とはいえ繁忙期は寝られない日が続いてしまうので、仕事の合間に体を休めるようにしています。
あと、体がすっごく凝りやすいので、3週間に1回、整体に通っています。以前はバキバキになるまで我慢していたのですが、定期的に通うようになって体調の変化を感じています。
これまでの転機、これからの展望
Q8. ホテルマンから農家へ転身した経緯は?
A. 夫が農業をやりたいと言ったことがきっかけでした。農業を営む父には反対されていましたが、その父が2011年の東日本大震災を機に、都会より田舎のほうがいいんじゃないかと後押ししてくれて、Uターンしました。
私はもともと農業が好きではないし、夏は暑くて冬は寒いのに、外で作業しなければならないことも嫌でした。でも、自分たちの育てた農産物を提供できるカフェをやりたいなと思うようになり、その後、やっぱり宿泊業をやりたいと思い、今に至ります。
Q9. 今後、挑戦したいことがあれば教えてください。
A. 飯田市街の空き家を活用してタップルームつきの宿をやってみたいですね。飯田市内は、シードルを気軽に飲めるお店がないし、クラフトビールが飲めるお店は少ないので、気軽に一杯飲めて、気軽に泊まれて、地元の方と交流できる場所があるといいなと思います。
食について
Q10. シードルに合う地元の料理は?
A. 飯田といえば焼肉! 焼肉にシードルは最高です!
※長野県飯田市は人口1万人あたりの焼肉店が日本一といわれる焼肉の町です(編集部より)
11月29日「飯田・焼肉の日」に行われたイベントにて。飯田市長(中央)と飯田焼肉大使のニッチローさん(左)も!
Q11. お酒に弱くても楽しめるシードルはありますか?
A. 低アルコールのシードルがあります! 私たちの自社シードル「&more cider」には、アルコール度数3%からあるので、ぜひお試しいただきたいです!
「シードルにりんごジュースを混ぜるのもいいよ」と聞いたことがあります。興味ある方は試してみてください。
Q12. 外国人も好む料理、手軽なレシピを教えて!
A. 外国人にはベジタリアンの方が多く、野菜を使った食事が喜ばれます。「シメジのソテー」は、大きなものをオリーブオイルで焦げ目がつくまでじっくり火を通します。写真は「アップル・リース・パイ」という生のりんごにパイ生地を巻いたスイーツ。簡単でおすすめです。

ゲストハウスあれこれ
Q13.海外からの宿泊者は、どんなルートで訪れるの?
A. 海外の予約サイトから予約して、馬籠や妻籠へ行く途中で立ち寄ってくれる方が多いです。なかには「日本のシードルが飲みたい!」という方もいて、すごくうれしいです。
Q14. リピーターを得るため大切にしていることは?
A. まだまだリピーターは少ないのですが、1組ずつ丁寧に接客することを心がけています。迷惑でない程度にゲストとたくさんお話ししています。
日々の暮らしについて
Q15. 「この暮らしで良かった」と思えるのはどんな時?
A. 息子が、私たちの仕事に関わりながら楽しんでいる姿を見られるのはうれしいですね。息子は宿泊のお客様とカードゲームなどで交流するのを楽しみにしていて、外国人の方と言葉が通じなくても楽しんでいます。夫の農作業やイベント出店もよく手伝ってくれるので、これから頼りになりそうです。


以下、編集部より。
今回は殿倉さんに、読者からのたくさんの質問にお答えいただきました。大変なことも含めて、殿倉さんの等身大の姿が垣間見えました。そして読者の方から殿倉さんへのリスペクトが伝わってきました。
ここに載せられなかった質問もたくさんありますが、重複する内容はまとめてひとつの質問とさせていただきました。質問をお寄せいただいたみなさま、ありがとうございました。
来月が殿倉さんの「農家さん日記」ラストの記事となります。どうぞお楽しみに!