こんにちは。セルリーの平出です。
桜も一瞬で散って、3月の雪が嘘のようです。
では、5月の農家さん日記をはじめたいと思います!
「芽かき」の機械化は無理!?
さて、前回の農家さん日記にも書きましたが、セルリー栽培には専用農機がありません。一般的な農機具はたくさんありますが、ことセルリー専門の農機具というのは存在しないのです。
病害虫に弱いため苗を大きくして植えるのですが、その大きさに合う定植機がありません。また、人間が箸やピンセットで植え替えるような、繊細な作業を行える機械もまだありません。
なので、前回紹介したような数々の植え替え、そして今日紹介する「芽かき」、さらには収穫まで、すべて手作業で行います!
なんといっても機械化が難しそうなのが、この「芽かき」です。
野菜には、間引きや摘果など、まわりのものや余分なものを取り除き、良いものを残すことで収穫物を良くする手法があります。
りんごや白菜など多くの栽培の現場で使われる技術で、少しもったいない気もしますが、効率的だったり、収量やクオリティが上がったり、多くのメリットをもたらします。
セルリーの場合は、セルリー本体とは別の形をした「脇芽」と呼ばれるものが成長の過程で、どうしても生えてきてしまいます。それを取り除き、栄養を本体にのみ行き渡らせる目的で行います。
どれを取り、どれを残すか、一つ一つ判断して手作業で進めていきます。
これを行うと、その後、目で見てわかるほどに成長します!
芽かき前
芽かきをすると、こうなります。
芽かき後
取りすぎのように見えるかもしれませんが、これが大きく育つための秘訣です。
いちおう芽も食べることはできます。味や風味はほとんど変わらず、食感は普段のものより柔らかいです。ただ、一般的には流通しないので、株で購入した時についていたらラッキーですね。
やりすぎもダメ、やらなすぎもダメ。この絶妙な感覚が農業にはとても大事です。
野菜作りは、ほとんどが環境作りです。
ぜひ、家庭菜園でも参考にしてみてください!
農薬散布はスズランとブームで
次は農薬散布機「ブームスプレーヤ」の紹介です。
我が家で一番大きいトラクターです。農薬を広範囲に散布するもので、写真左手に見えるアームの部分が肝心です。
ここから農薬が噴霧されます
もちろん、ほかの作物や地域でも使われていますが、公道はあまり走らないので見かけないかもしれませんね…。
作業中の様子
殺虫剤はもちろんのこと、液体肥料や、意外かと思われますが殺菌剤も使用します。
野菜も菌によってさまざまな病気にかかります。セルリーは害虫もありますが、病気の方に気をつかっています。
1週間から10日に1回使用しています。ここでも「やりすぎもダメ、やらなすぎもダメ」が肝心で、天気や時間で効果が出ない時もあるため、タイミングが重要になります。
このタンクで約1000リットル入ります。
最大半径は18mほどになります。畑には、この機械の動線となる部分を設けています。
この不思議な空間は、ブームのためのものだったのです。
ブーム導入前は「スズラン」と呼ばれるものでやっていました。今も狭いハウスの中はスズランを使います。
次回の農家さん日記は、いよいよ「収穫」を紹介したいと思います。
では、今回はここまで、また次回の農家さん日記でお会いしましょう!