こんにちは。セルリー農家の平出です!
あらためまして、こんにちは。
「農事録」改め「農家さん日記」になったので、改めて自己紹介させていただきます。
新卒から3年間、東京で番組制作会社のADとして働いたあと、2015年に長野の実家に帰ってきて農業を継ぐことにしました。
実家は代々農家で、曽祖父の代からセルリーの栽培をしていたようです。祖父の代で本格的に産地としてセルリー栽培がはじまりました。
そして、私が戻ってきたタイミングで、母親と私で就農することになりました。
そんな原村のセルリーは、夏場の全国シェア90%以上を誇る一大産地です。
最近は暑いですが、夏場の気温が低いことや、最高気温と最低気温の温度差などが高原野菜の栽培に適しています。
また、信州諏訪産のセルリーはオリジナル品種を生産しています。この品種は今までの品種に比べて苦味や香りが控えめです。
今までセルリーが苦手だった方が、食べられるところを何度も見てきました。ぜひ、この夏はセルリーをお手に取ってみてください。
そんな諏訪の地でセルリーが栽培されて100年経つそうですが、私はまだまだ初心者。日々切磋琢磨しながら、新たな取り組みや普段目にすることのない一次産業の実態を発信していけたらと思います。
ちなみに、一般的には「セロリ」と呼ぶことが多いかもしれませんが、JA信州諏訪でのパッケージ表記は「セルリー」としていますので、記事では今後一律で「セルリー」と表記させていただきます。
セルリー栽培が大変な理由①植え替えが多い
さて、先月の投稿でも少し触れましたが、この時期は種まきと路地(畑)への定植を行っています。
セルリーが、作るのが大変な野菜として認識されている理由のひとつに植え替えの多さがあります。
種はこのとおり、ゴマのような小ささです。
これを1カ月かけて発芽させます。
このぐらいの大きさになったら「プラグ」といわれるトレーに植え替えます。
さらに1カ月後、プラグからポットに植え替えます。
さらにさらに1カ月後、この状態になったら、ようやく畑に植えることができます。
4月は霜除けのシートをかけます。
ここまでで種から3カ月ほどかかっていますが、畑に植えてから、さらに2か月ほどかかります。トータルの育成期間はなんと5カ月!
最初の仕込みは1月下旬からやっております。
吹けば飛ぶような種から、最終的には2kg超えの株になります。6月の投稿でお見せできると思うで、お楽しみに!
セルリー栽培が大変な理由②専用農機がない
次に、農機を紹介します。じつはセルリーが大変なことの2つ目が、この農機にあります。
なんとセルリーを栽培する専用の農機は存在しません!
もっといえば、我が家ではセルリーに触れる作業のほとんどが手作業です。なので必然的に農機は、ほかの野菜でも使用する汎用的なものがほとんどです。
今回はトラクターとマルチを敷くマルチャーを紹介します。
トラクターは「THE 農業」って感じでよく見ますけど、じつは細かくいろんな大きさ(馬力)が売っています。
これは、広さや作業によって後ろのパーツが変わるので、それに合わせてトラクターを変えているからなのですね。
マルチャーは、市販のものと少しちがう形をしていますが、これは畝を形成しつつ赤い缶の農薬を地中に散布しながらマルチを敷くことができるものです。
写真マルチャーでの作業
このような感じで作業するのですが、お気づきの方もいると思います。そう、オペレーターが後ろ向きで進むのです!
これを半日〜1日ほどやると、後ろ向きに3kmぐらい歩いたことになるですが、仕事が終わると足に違和感がある時がよくあります。
次回の農家さん日記は、セルリーならではの「芽かき」をご紹介したいと思います。
では、今回はここまで。また次回の農家さん日記でお会いしましょう!