読者の皆様、「寒の土用丑の日(かんのどようのうしのひ)」をご存知でしょうか。
一般的に「土用丑の日」と言えば、暑い夏の時期に、夏バテを防ぐためにウナギを食べる習慣と捉えられています。これは、江戸時代に、あのエレキテルで有名な平賀源内が発案をしたことが由来だと言われています。
が、しかし・・・。
ウナギの本当の旬は、いつ?
実は「土用丑の日」は夏に限った話ではないのです。
「土用」とは四立(立春、立夏、立秋、立冬)の前、18日の期間のことです。そして「丑の日」とは、十二支の「子(ね)、丑(うし)、寅(とら)、兎(う)・・・」の丑のこと。
この十二支は、「今年の干支」というように、年を数えるときに使われるだけでなく、方角や月、そして日にちを数えるのにも使われるのです。
つまり、「土用丑の日」とは、約18日間の「土用」の期間のうち、 12日周期で割り当てられている十二支が「丑」の日のことを指します。
このように、実際には春夏秋冬それぞれに「土用丑の日」があるわけですが、ウナギを食べる習慣があるのは「夏の土用丑の日」のみ。これは、平賀源内が起源とされる、うなぎを食べる風習が「"夏の"土用丑の日」だったから。この背景には、夏になかなか売れなかったウナギの販促のため、旬ではない"夏"という時期にウナギを食べる風習を根付かせたという説が有名です。
そう、実は、ウナギの旬は夏ではなく冬なのです!(驚)
(ただし、ウナギは夏バテ予防に良いとされるビタミンを豊富に含んでいるため、夏に食べるのも理にかなっています)
脂がのっていておいしい!「寒の土用丑の日」
旬の冬の時期にあわせ、冬でもウナギを食べようと呼びかけているのが、県南部の岡谷市にある『うなぎのまち岡谷の会』。岡谷市は、信州で最も大きな湖である諏訪湖に面しており、昭和30年代までは諏訪湖や諏訪湖から流れ出る天竜川で天然ウナギが豊富に捕れたそうです。今でもウナギ消費量は全国上位にランクインをしており、それを街の活性化に繋げようと、ウナギ料理を扱う事業者が一丸となり、全国に向けて「寒の土用丑の日」を定着させようと情報発信を行っています。
うなぎのまち岡谷の会にお話しを伺いました。
Q.なぜ「寒の土用丑の日」を広めようと思ったのですか。
A.ウナギが一番おいしい季節は冬だからです。ウナギは寒い時期を乗り越えようと脂をたくさん蓄えるため、冬にさばくと手がつやつやになるほど脂がのっていて、身もやわらかくおいしくなります。冬がおいしいのに売れないという状況を打開し、また、岡谷市の活性化にも役立ちたいという思いで、うなぎのまち岡谷の会を立ち上げました。今年で設立から20周年になります。2003年には「寒の土用丑の日」を商標登録しています。
Q。岡谷のうなぎの特徴は何ですか。
A.ズバリ、裂きは背開きで関東風、焼きは蒸さずに炭火で焼く関西風で、濃く甘いタレが特徴です。
Q.今年2017年の「寒の土用丑の日」はいつですか。また、どのようなことを行うのですか。
A.今年の「寒の土用丑の日」は1月26日(木)です。会員店舗にて豪華賞品が当たるキャンペーンを行うほか、1月29日(日)には岡谷湖畔公園にてウナギの供養祭を行います。また、2月11日(日)には、岡谷市総合体育館スワンドームにて、うなぎ祭りを開催します。うなぎ祭りでは、ミニうな丼の提供等を予定しております。詳細は、追ってホームページに掲載予定ですのでご覧ください。
岡谷のウナギ屋さんに行こう!
かつて諏訪湖でウナギが獲れたこともあり、岡谷市には多くのウナギ屋さんがあります。
今回は、岡谷市湖畔、諏訪湖のほとりに位置する「うなぎ 水門」に行ってきました。
編集部員が奮発し注文したのは「うな重 特上」(ウナギ1匹使用)。「うな重 極上」では、ウナギを2匹使用しているそうです。もちろん肝吸い付き。
蓋をあけると、香ばしい香りと肉厚プリプリのウナギが・・・。
早速食べてみると、外はパリパリ、中はフワッと♪ 表面の皮のパリパリ感と、中の身のとろけるような食感が絶妙です。
甘くて濃いタレが染みたご飯は、それだけでイケちゃいます。
寒い冬を乗り切るために蓄えに蓄えたウナギの脂の旨みと、「ウナギの街」として古くより積み重ねた研究・努力、その伝統を受け継ぐ岡谷市のうなぎ専門店による、まさに「職人の味」ーー今年の「寒の土用丑の日」は岡谷市のうなぎを堪能してはいかがですか?
うなぎ 水門
- 長野県岡谷市湖畔4-1-30
- TEL 0266-22-7493
- 営業時間 11:00~13:30(売り切れ次第終了)
17:00~20:30
- 定休日 木曜日