片桐さんの農事録
[片桐さんの農事録]

みなみ信州発☆羊と暮らすゆきさんの農事録 第6回

ゆきさん農事録

 

こんにちは!
梅雨に入り、じっとしているとなんとなく肌寒い日が飯田では続いています。私は6月生まれなのに梅雨が苦手なので、湿度が高いと息苦しくてそれだけで疲れたな~ってだるだるになってしまうのですが、皆さんいかがお過ごしですか?
梅雨が好きな人は少なそうですが、暑さに弱い牛もーは、この季節はまだまだ過ごしやすそう。食欲も落ちず、穏やかな表情でのんびりゆったり反芻をしています^▽^*
今月は、そんな牛もーの食事に関係した事を書きますね! 説明ばかりで面白くないかもしれませんが、読んでいただけたら嬉しいです♪

 

牛もーのごはんをどーんと紹介!

ゆきさん農事録

 

牛もーに給餌する飼料と言うのは、その種類も配合比率も分量も、酪農家ごとに異なる事が多く、去年まで農事録を書かれていた原田さんと我が家も微妙に違うようです。

我が家では全部で5種類!

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1:乾草
主にスーダングラスというイネ科の植物です。
人間で言うお米と同じ、草食動物である牛もーの主食ですね。それ故、この乾草の食べの善し悪しで毎食時に健康状態を見ることが出来ます^^*
時々、輸出国のジュース缶とかが一緒に出てきてちょっと面白いです^v^ ホントはよくないけど(笑)

2:ヘイキューブ
ルーサンヘイ(アルファルファ)というマメ科の植物をキューブ状にした物で、粗蛋白質をはじめ、ビタミン類やカルシウムも多く含まれる栄養価の高い飼料です。沢山お乳を出してくれている子に、特に多く与えます。

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3:コーンサイレージ
刈り取ったトウモロコシを、サイロで乳酸発酵させた飼料(雰囲気としてはお漬け物的な)で、我が家で唯一自給している飼料です。
(所が・・・! な衝撃の事実は後ほど(笑))

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4:濃厚飼料(配合飼料)
人間で言うお肉的な存在。牛もーがお乳を沢山出す(また、そのための身体を維持する)のに必要な栄養素、各種飼料を配合したもの。
ただし、牛もーは本来草食動物なので、過剰給与になると直ぐに食滞(人間で言う胃がもたれた感じ)になって、何日もの間、他の飼料の食べも悪くなり、結果乳量が落ちてしまうため、毎日の体調に合わせた微調整が難しい飼料です。
内容物は、ぱっと見ただけでも、トウモロコシ、ルーサン、ルーサンペレット、大豆、大豆カス、綿実などが分かりますね^^ その他にもふすまや茶カテキン、飼料米などなどをそれぞれに取り寄せ、牛舎隣の倉庫で自家配合しています。

5:ビートパルプ
サトウダイコンのしぼりカス。消化しやすい繊維が多く、また、カルシウムやマグネシウムも多く含まれる、泌乳期の牛もーにエネルギーを追加してくれる飼料です。
味は食べたことがないので不明ですが、好きな牛は大好きなのに、嫌いな牛は粉っぽい濃厚飼料に混ぜても器用にこれだけを残すという、何故か好き嫌いの分かれるものです。

正直、同じ物ばかりで飽きないのかな~? と昔から疑問なのですが、飽きられても困るのも事実。何故なら、酪農家に求められるのは、年間を通して一定の成分・品質を保つ牛乳を出荷することだからです。
とは言え、そのお乳を出してくれる牛もーは生き物。冬は乳脂率の高い濃いお乳が搾れますが、暑い夏は様々な要因で薄いお乳になったりします。そう言う生き物故にどうしようもない変化を、365日同じ飼料を給餌することで、なるべく一定に保てるようにしているのです。

好き嫌いがあるくらいだから、もしかしたら毎日同じ物ばかりで実は飽きているかもしれない。でも、人間のために同じご飯を食べて牛乳を出してくれる牛もーに、改めて感謝の気持ちを抱かずには居られないと、この文章を書いていて思いました。

所で。
サイレージだけは自給しています! とか鼻息荒く書きましたが、よくよく見てみたら、その原料となるトウモロコシの種は輸入品でした。・・・Σ@◇@;

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今年我が家でサイレージ用に蒔いた種は、なんとチリとトルコ産。こうやって飼料の方面からみると、日本の畜産物の自給率などゼロに等しいのかもしれませんね。

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国内最大の自転車レースを満喫♡

お仕事の話はここまで。
先月は国内最大の自転車レース、ツアー・オブ・ジャパンの南信州ステージがあり、今年もいそいそと観戦に行って来ました^///^*
始めの頃はルールや戦略など全く知らず、地元だからと言う理由で見ていたのですが、ここ数年BSでツール・ド・フランスの中継を期間中追いかけたり、「弱虫ペダル」という漫画を読んで大分知識をつけたので、実はこれがチーム戦で、とんでもない駆け引きのあるレースなんだと分かって楽しさが倍増しています(笑)

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今年から下久堅地区の山岳ステージはニコニコでも生放送があり、スマホで中継やコメントを見ながら楽しめたのも良かったです^^* 散々話題になっていた焼き肉ポイントで、ドラや太鼓を叩いていたのはみんな知り合いだし、2回くらいは妹です(笑) そこから見える赤い橋のカーブでは、Team UKYOの片山右京さんが毎回声援に応えて手を振ってくれるのもなんだかいい感じ♪

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TOJカーブと命名されたポイントは、急カーブ故に選手が必ずスピードを落とすので写真が綺麗に撮れるお気に入りの場所ですが、今年は落車のアクシデントも>△<; でも、目の前に止まったサポートカーに、弱虫ペダルの文字を見つけて不謹慎にもちょっと楽しくなりました(笑)

 

家庭菜園でマンゴーミルク味

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そして、問題(?)の家庭菜園。
トマト用のマルチをひいてテントを立てるのに2日かかり、心が折れそうになりましたが、5月末頃なんとか色んな野菜の苗を植えることが出来ました^0^* それから早2週間。本を見ながらぎこちなく手を掛けていますが、気付けばビックリする位雑草に覆われています><; こ、これは一体どうしたら><;

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そんな状態の畑での収穫第一号は、食べられるホオズキ!
マンゴーの様な味と書かれていて、正直あまり期待していなかったのに、実際食べたらマンゴーミルクの様なまろやかな味でとても美味しかったです^///^ 疑ってごめんね。
とりあえず、草かきを頑張りつつまた来月、他の野菜収穫の報告が出来るといいな、と思います^▽^

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この記事を書いている窓の外も雨。
にゃんこ達も耳のうしろから顔を洗うし、寝てばっかりだし、今後の予報もやっぱりイマイチぱっとしない感じ。でも、憂鬱憂鬱してても勿体ないので、最近ちょっと気になって購入した洋書を学生時代の様に辞書を片手に解読しつつ、梅雨明けを待ちたいと思います^^*

では、また♪

この記事を書いた人

片桐由貴さん

伊那谷をまっすぐ南に向かって流れる天竜川流域の牛舎で、仕事と趣味、どちらも楽しむという片桐由貴さん。大学卒業後「やっぱり牛が好き!」と、家族の営む酪農に就農して12年。80頭ほどの牛たちと、ペットの羊2匹、猫5匹と過ごす日々を綴ります。

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