こんにちは^^*
梅雨と言うより、雨期とでも言った方がいいような、長い雨のお天気が続きますね。我が家の辺りはこのひと月「晴れた」と感じる日がほぼ無く、洗濯物も、温室に干しては最後は必ず乾燥機頼み。連日のどんよりお空に元々の梅雨苦手意識もプラスでイマイチ気分の晴れない私ですが、皆様いかがお過ごしですか?
鳥の声をBGMに♪
そう言えば、最近母がCDを買って欲しい、と言うのでサンプルを頼りに探した1枚が写真の物なのですけど、我が家の周りでもここ数年でウグイスやホトトギスなどが増えていて、CDからなのか、それとも窓の外のからの鳴き声なの分からなくて、可笑しくなる時があります(笑)
誰の鳴き声なのか分からないうちはただのBGMなのに、本で調べて「これがホトトギス・・・」と思ってからは、朝から晩までお構いなしに鳴く子なんだな!? と気になったりして面白いですね^^*
アイス・ペレット効果で夏バテ知らず
さて、毎年書いているのでもはや耳タコかもしれませんが(笑) 人間にはうんざりなじっとりした湿度。でも、暑さに弱いホルスタイン的にはまだまだ快適温度の日が多いので、我が家の牛もー達は目立ってダメージを受ける子もなく7月も後半を迎えています。
先日、暑熱対策飼料のアイス・ペレットを届けに来て下さった業者さんが、「今年は気温の高い梅雨で牛もー達が早くも食欲不振らしいけれど、片桐さん家は大丈夫ですか?」と聞いて下さったのですが、・・・写真、見えるかな? 「乾草食べちゃったんだけど、次のゴハンまだ~?」と全員が催促の視線を向けています(笑) 満足に与えていないわけじゃないとは思うのですが、我が家の牛もー達は基本的に食欲不振とは無縁で助かっています^^* いや、本当に! 満足に与えていないわけではないと思いますけど!?(笑)
放牧が気になります!
そんな我が家の牛もーの一方で、「新鮮な生草を無限に食べ放題!」の環境に居る子達も居ます^皿^
写真は、酪農ヘルパーの友人が撮って送ってくれた物の一部で、バイトで牛もーの様子をチェックしに行っている放牧場の子達だそうです!
普段白黒の牛もーばかり見ているので、一色の牛もーがこんなに沢山居るってだけで、珍しくてドキドキしてしまうショットなのですが、ヘルパーの友人も「普段は模様で見分けているけど、この子等は角や鼻カンの有無で見分けなきゃで、最終的には双眼鏡で耳標チェックになって難しい!」と言っていました^^
水や岩塩などは設置されているようですが、聞いた所「放牧」なので、建物が無い山のてっぺんなんだそうです。「・・・え、じゃぁ雨が凄く降る時とか大丈夫なの?」と聞いたら、「放牧経験有りの先輩牛たちが、雨が降り出すと濡れにくい木の茂った森の中へ皆を誘導していくよ!」と返信が来ました。・・・すごい!(笑)
本当だったら、自分で行って直接見たかったのですが、今月頭の長野県でも出た大雨特別警報の後からあちこちで土砂崩れが相次いでいて、友人曰く「土砂崩れの箇所が多すぎて看板設置が間に合わない位」との事だったので諦めました。
ここ飯田にも大雨の被害が...
それと、実は、我が家も他人事ではなかったので><;
写真は、我が家から少し上がった所にある、祖父が観光農園をしていたときに共同経営の方が住んでいた場所です。この家の一段上の斜面で私は毎年ワラビ採りをしていたのですが、その更に一段上(地形的には最上段)から土砂崩れが起こり、水路を埋めた結果、この家の前に水が流れ、更なる土砂崩れを引き起こし、その土砂が我が家の辺りまで水路を埋めながら流れてしまい、その間の道路がまるで茶色の滝の様でした><;
土砂崩れがあった家は現在誰も住んで居ないので、土砂を撤去してくれた業者さんにお願いし、安全が確保出来次第、家を解体して貰うことにしました。昨年の台風被害の時など、「ハザードマップ」と言う言葉が浸透し始めた頃から、この土地はレッドゾーンで危険だと知って居たので、人が住んでいる時に家ごと崩れなくて良かったな、と安堵しました。
この他にも近所には大小何カ所も土砂崩れのあとが見つかり、また大雨の翌日には、倒木で道が不通になるなどが相次いだので、必要な外出にも余計に慎重になったし、他の、被害に遭われた地域の皆さんも不安だろうなぁ、と数時間毎に雨雲レーダーをチェックする毎日を過ごしていました。ちなみに、自宅と牛舎は土砂崩れも水害も大丈夫な立地なので、安心して下さい^^b
全国的には梅雨の大雨で甚大な被害を受けた地域も多く、終息の見えない新型肺炎と、梅雨明け後に来るであろう猛暑を思うと、少しでも早く落ち着ける形に生活が戻れば良いな、と願わずには居られません。
次は台風シーズン。それから、地震の不安も付きまといます。皆さんもぜひ今一度、ご自身の住む地域のハザードマップと避難用具一式の見直しを、して下さいね!
失われた食品の一つ「蘇」
そんなこんなで、新型肺炎での自粛期間と同じ様に自宅でじっとしている日々だったので、ついに「蘇(そ)」を作ってみました!
今年3月に、牛乳消費チャレンジで一躍ブームになり、日本農業新聞でも名前の取りあげられた蘇。実は私、2月の段階でその食べ物の名前を知って、農事録に書こうと思って居たのです。
皆さんは昨年10月に発売され、今年、本屋大賞2位になった『ライオンのおやつ』という小川糸さんの小説を知って居ますか? 主人公は癌で余命僅かな33歳の女性。瀬戸内海の島にある「ライオンの家」と言う名のホスピスに自分の最期を迎えるためにやってきた彼女が、そこで最初に食べたものが「ソ」で、彼女はそれを「神さまの母乳」と表現しました。
小説の感想は、読む方の年齢や経験によって様々な感じ方があると思うので特筆しませんが、その中に、こんな一文があるんです。(ちなみに、多少言葉は違いますが、ネット上で見られる文献ともほぼ変わらぬ一文です)
『こんな言葉を、聞いたことはありませんか?
牛より乳を出し、乳より酪を出し、酪より生蘇(しょうそ)を出し、生蘇より熟蘇を出し、熟蘇より醍醐を出す、醍醐は最上なり。
酪とは今でいうヨーグルト、生蘇は生クリーム、熟蘇はバターで、醍醐は五番目の最後の味、乳から得られる最上級のおいしいものです。仏教における、最高真理の意味もあり、醍醐味という言葉も、ここから生まれました』
でも実は、醍醐は勿論、蘇も、現代まで正確な製法が伝わっていない、失われた食品の一つなんだそうです。文献で分かる限りの諸説で共通しているのは「蘇は乳を煮詰めて出来る乳製品で、美味しいもの」だそうで・・・。
試しに市販の牛乳1リットルを中火で1時間+弱火で15分(弱火ばかりだと2時間ちょい)、完成品は180g前後。焦げないフライパンで、火力調整の楽なIHでも大変だったのだから、飛鳥~平安時代では牛乳の入手はもちろん、調理環境の性能的にも余計に大変だったんじゃないかと思いました。
気になる実食の結果はと言うと、確かに美味しい! 完成後一晩冷蔵庫で寝かせてから食べたのですが、牛乳の持つほんのりした甘さと、口の中でほろっと溶け、でも舌の上ではちょっとざりっとするような何とも言えない食感が面白いです。ブラックペッパーや生ハム、はちみつ、オリーブオイルなどと合わせても美味しいです^^* ・・・ただ、もったりしているせいか量が食べられない(笑) 個人的には、牛乳にお酢を入れて作るカッテージチーズもどきの方が楽だなぁという印象です。また、途中で砂糖や練乳を加えると生キャラメルになるので、・・・蘇としては製法が失われ、幻となった理由も、なんとな~く分かりますね^皿^ でも、(手間を考えなければ)定期的に食べたくなる、不思議な乳製品でした。
とは言え、「古代の日本」と表記されるような昔から、乳製品が「美味しいもの」とされ、今の私たちの食生活へと繋がって来ているのだと思うと、なんだか感慨深いものがありますね。私たちは美味しいものを食べたくて、乳が沢山とれるように牛の品種改良をし、酪農というシステムを作り上げ、そして、平安時代には貴族階級にしか広まらなかった乳製品を、今では誰でも簡単に手にすることが出来ます。
さて今日は、何か「美味しいもの」を買って帰りませんか?^▽^*
本当だったら、この農事録公開直後には東京2020のオリンピックが開幕していたなんて、なんだか想像がつきませんね。何かと予定が狂ってしまった皆さんも多いかと思います。手探りの夏だけれど、しっかり食べてしっかり休んで、心も体も、元気に過ごしましょう^^*
では、また♪