殿倉さんの農事録
[殿倉さんの農事録]

じつは栽培が難しい?!シナノリップ

 

ついに、りんごの収穫が始まりました。わが家のシナノリップは8月に入ってからかなり熟度が増し、 去年よりも1週間ほど早い82日から収穫となりました。

tonokura01-20220824 シナノリップ

tonokura02-20220824木になる大きなシナノリップ

夏のりんごとして人気が高まる一方で

シナノリップの出荷を始めて3年目ですが、徐々に認知度が上がり、購入してくれる方も増えてきました。夏に収穫ができるりんごとして、きれいに着色し、甘味と酸味のバランスが良く、食感も良いため、人気が高まっているりんごです。

なのですが、じつは栽培方法がまだ定まっておらず、栽培がちょっと難しいのです。

まず、香りがとても良いため、夜蛾(やが)が寄ってきます。夜蛾はりんごの果汁を吸ってしまい、初めは見えるか見えないくらいの傷なのですが、そこから徐々に痛んでしまいます。

そして着色が良いため、鳥に狙われやすいんです。

さらに、高密植栽培でも剪定方法によっては定植してから数年すると樹の勢いが弱まり、枝が出づらく、よい花芽がつきづらい品種みたいで、なかなか思うほど花の数が多くつかないな〜という印象です。

tonokura03-20220824りんご園の様子

 

tonokura04-20220824シナノリップの夜蛾対策

万全の対策で出荷完了

今年は毎年の防鳥ネットに加えて、LEDライトを使って夜蛾対策も行い、被害は最小限におさえられました。

難しいのが収穫のタイミングです。ちょうどよいタイミングで収穫すれば味も食感もよいのですが、未熟だと酸味が強過ぎる、熟しすぎるとボケてしまったような味になってしまうのです。収穫は3〜4回に分けて、収穫できるりんごをしっかり選んで行う必要があります。

さてさて、そんなさまざまなことを乗り越えて、シナノリップは無事収穫が終わり、お客さまへの発送が完了しました。

tonokura05-20220824お客さまに配送したシナノリップ

前回ご紹介したシードルや、ジュースとのセットなども、お中元ギフトとしても人気でした。栽培方法が確立してきたら、栽培面積を増やしていきたい品種です。

tonokura06-20220824前回紹介したシードル

 今は「サンつがる」の収穫真っ最中!

このりんごもほかの産地に比べて南信州は早く出荷できれるため、夏のりんごの定番として人気があります。

これからどんどん、ほかのりんごも収穫が始まりますので、楽しみにしていてくださいね!

 

この記事を書いた人

殿倉由起子さん

殿倉由起子さんは大学卒業後勤務した東京のホテルスタッフから転身して、子育てをしながらも地元の飯田市でぶなしめじとりんごを栽培する農業法人の経営者。農業のかたわら、野菜ソムリエプロの資格を持ち、夢だった農家民泊&カフェ「Cider Barn &more(サイダーバーン・アンドモア)」の運営も始まりました。

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