Mt. Asama Dairy Farmer's Diary 02 Mid Winter
●酪農家族の原田さんちの牛舎は浅間山の南斜面に広がる小諸市にあります。大規模ではありませんが見晴らしのよい牛舎で、そこでは年間30頭〜50頭ほどの牛たちが穏やかに過ごしています。酪農家歴37年の原田紀男さんと酪農家歴14年目の貴信さんの、父と息子の2世代の酪農家に伝えていただいています。
インフルエンザ予防に牛乳や乳製品が効果あるよ〜
などと言われておりますよね。
飲んでいますか〜? 牛乳
食べていますか〜? 乳製品
我が家では毎日、
当たり前のように牛乳飲んでいますよ〜
その効果かどうかはわかりませんが、今のところ、インフルエンザにかかった家族はいません(^^;
普段は、搾り立ての生の牛乳を
鍋で沸かして飲んでいます。
なので牛乳パックになっている市販品の牛乳は
飲む機会がありません。
だから我が家に来たお客さんに牛乳をお出しすると
濃くておいしいね〜
などと言って下さる方が多いです。
今回は市販品の牛乳パックの牛乳と
酪農家が搾り立てを鍋で沸かして(煮沸殺菌)飲んでいる牛乳の違いを...
ちょっと書きたいと思います。
毎日、牛さんから搾乳の作業によって絞られる牛乳
この牛乳は通常は生乳と呼ばれています。
生乳とは生の乳(殺菌してない状態の乳)を言います。
この生乳は酪農家の施設内のバルククーラー(生乳を冷却しておくタンク)に搾乳後すぐに移されて3℃くらいに冷やされます。
牛の体温は平均38度位です。その体から絞り出された生乳も温かい状態です。
この温かいままの状態ですと細菌も繁殖しやすい環境なので、冷却して生乳を出荷します。
出荷された生乳は工場に運ばれて、工場で牛乳パックに入った製品になって小売店やスーパーに並びます。
牛乳パックに入った牛乳と
酪農家が飲んでいる搾り立ての牛乳
何が違うの?
そう聞かれる事があります。
「飲むと全然違う!」そう言われる方がほとんどですが
市販の牛乳も酪農家が飲んでいる搾り立ての牛乳も
基本的に成分的には何も変わってはいないのです。
違うのは牛乳中に浮遊している脂肪球の大きさくらい...
(^^;;; 何それ?
そう思われる方も多いと思うのでご説明しますね。
牛から搾乳したままの生乳の中には
球形の脂肪がたくさん浮遊しています。
乳脂肪3.6とか牛乳パックに書いてありますよね。
その脂肪です。
この脂肪球、
大小いろいろな大きさのものが混在しています。
工場では、
この脂肪球を均一な細かい状態に砕いてしまいます。
よく牛乳飲むとおなかの調子が・・・
そう言われる方も多いですよね。
消化吸収を良くするために
脂肪球を砕いて細かくしていたり。
他にもいろいろありますが...
脂肪球の均質化をする工程をホモジナイズと呼びます。
ホモ牛乳という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。
市販品の中にはノンホモ牛乳と言う物もあったような気がするのですが、
この脂肪球を砕く工程が私たちが牛乳を飲んだ時の味覚に関わってきます。
私たちは味覚は舌で感じ取りますよね。
市販品の牛乳と酪農家が飲んでいる搾り立ての牛乳、
この牛乳を飲み比べた時に感じる味の違いを説明するとしたら、脂肪球の大きさの違いが味覚で感じる違いになっているという事になります。
あとは、鮮度くらいなものです。
まあ、違いというとこんな成分的な事や製法的な事になってしまうのでこれ位にしたいと思います。
搾り立ての牛乳
観光牧場などに行かれる事などありましたら
飲んでみてくださいね。
牛乳パックの物とまた、
一味違った味わいがあると思いますよ〜。
今年の冬はインフルエンザ、流行しましたね。
ヨーグルトなどは効果があるなどと言われ、
スーパーなどでは「お一人何個まで」などと書かれて売っている所を目にした事もありましたけど
今年はインフルエンザも感染者が多かったという事で
(まだまだ流行はおさまってはいませんが)
ヨーグルトなどは予防のために買われた方も多かったのではないかと思います。
牛乳は身体の筋肉量を増やし、冷えない身体をつくる。
ヨーグルトは気管支を丈夫にし、風邪・インフルエンザの予防に効果がある。
などという記事を何かの本で読んだことはあるのですけれど...
今年の冬は寒さが厳しくて雪も多くて体調管理が大変ですが
暖かい春までもう少しです。
あわせて読みたい:
・原田さんちの親子2世代酪農農事録 過去記事