連載※長野県南佐久郡川上村で高原野菜を生産する野菜農家の新海岩夫さん(56歳)が、月々の農事を綴ります。
初夏のレタス畑
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5月が旱魃(かんばつ)で推移していたために少し遅れたり小玉だったりしたレタスが、5月の末から6月に入っての恵みの雨によって見違えるような成長を見せ、リーフ系のレタス、そして玉レタスの出荷がはじまりました。自然の力に改めて驚かされるところです。
川上村では、田中知事をはじめ県内中から集っての「植樹祭」、そして33回を数える「山菜祭り」が県内外や地元の人たち5000人が集い、5月下旬農作業の合間の時期に新緑の鮮やかな高登谷高原(たかとやこうげん)で開催されました。川上村では、これを境に本格的な農作業の時期に入ります。
わが家でもグリンリーフの出荷がはじまりました。今年は寒かったのと雨が少なかったために、病害虫の発生が少なくて、1回の消毒で出荷しています。価格はいまいちですが、いよいよはじまったなと言う感じです。
これから川上村には毎年およそ2000人のアルバイトが入ると言われています。そうした中、近年外国人のアルバイトや研修生も入ってきています。特に中国からの研修生が今年はおよそ200人近くも入っています。国内でアルバイトを探すのが大変になったことや、中国の研修生のみなさんの素直さが受けているようです。近頃の若者の仕事に対する考え方などに、国によって違いが生じてきたのか考えさせられます。
まもなく畑のほうもビニールマルチに覆(おお)われ、黒・白・銀そして野菜の緑にそまります。テレビの天気予報が梅雨入りをつげています。恵みの雨、そして災害をもたらす雨、自然と共存する農業は、どちらも受け入れなければなりません。地球さんお手柔らかに!
▽長野県の気候・夏の特徴(長野地方気象台)