連載※長野県南佐久郡川上村で高原野菜を生産する野菜農家の新海岩夫さん(56歳)が、月々の農事を綴ります。
川上村のレタス畑
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10月・・・ふと回りを見渡すと山々の木々があちこちで色づきを増し、まもなく全山が紅葉の季節を迎えます。今年もレタスの出荷は終わりとなりました。レタスが一度も霜に会わずに終わりを迎えるのはいつ以来でしょう・・・。今年は、天候の関係で出荷が早まったかな、とは思いましたが、このことは何を意味するのでしょうか。地球温暖化がもたらしたものなのか、それとも単なる気候のいたずらなのか? いずれにしろ、例年より一週間程度、レタスの出荷は早く終わりました。今後は後片付けを中心に冬に向かっての最後の仕事が残るのみです。
同系列の野菜を続けて作っていきますと、土の中で同じ養分ばかり少なくなり、そのために病気などが出やすくなります。最近は、こうした連作障害を防ぐため、秋の二期作目は白菜などレタスと違った野菜を入れる人が増えて来ています。最後の追い込みと、いくらか身体を休めたい思いの交差する月でもあります。
今年は、レタス農家ばかりでなく、野菜・果実全般に価格には恵まれない年でありました。本年の価格低迷の原因がどこにあったのか、この冬にかけてしっかりと分析したいと考えています。農協祭など例年の行事も少し縮めて行うそうですが、回りの仲間たちの心は、素直に収穫の祭りを祝う気持ちになれません。わたしのレタスづくりも、今年は新聞に、テレビにと、3度ほど紹介されましたが、そうした事が今後のレタスの消費拡大に結びつけばよいと思っています。レタス栽培を通じて、みなさんの健康を守る重要な役割を、自分たちは担っているんだと自負しながら・・・。
▽長野県の気候・秋の特徴(長野地方気象台)