大樹の農事録
[大樹の農事録]

巨大な御嶽海が誕生!信州安曇野田んぼアートが完成しました!

降り続く雨に気も滅入りがちですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

今年は梅雨らしい梅雨といった感じの安曇野です。
我が家としては草刈り、麦刈り、大豆蒔きと忙しい時期なので、毎日スマホの天気予報とにらめっこの毎日です。

黄金に輝く麦畑

 

麦は凍霜害で生育ムラ。でもやっぱ6月は麦が映えますね。晴れの日には何人もの人が黄金に輝く麦畑を写真に撮る姿が見えました。

コーギー

ブラッシングで気持ちよさそうなコマ

我が家の愛犬コマは夏を控え、抜け毛がピークを迎えております。ブラッシングや毛抜きをしてやると、とても気持ちよさそう。
室外犬なのであまり気にはしませんが、室内でコーギーを飼っている方ってこの大量の抜け毛をどう処理しているのでしょうか。

 

歴史を学びながら

草刈り

 

田植えが終われば雨の合間を縫って草刈りスタートです。
昨年までは音楽を聴きつつ、歌いながら作業をしていたのですが、今年は「ポッドキャスト」にハマってしまい、歌うことなく草刈りが終わってしまいました。
私がドハマりしたのが「COTEN RADIO(コテンラジオ)」という番組。「スポティファイ」のおすすめで出てきたので聞いてみたら、一発でヘビーリスナーになってしまいました。
農作業って、手は忙しいけど結構耳は暇なんですよね。どうせなら何かインプットしつつ作業しようと思って聴きはじめたのですが、これがとんでもなく面白い! そして深い!! 自分の中の価値観というか、物の見方が変わるきっかけを与えてくれた番組でした。
暫くはコテンラジオのヘビーリスナーになりそうです。

風と雨雲の動き

 

夕立の気配があればすぐさま退却!
空を見て作業をしていたら、何となく風と雨雲の動きで雨予測ができるようになりました!

 

凍霜害に悩まされながら

6月中旬以降は、週間天気を見れば全て雨マークが入っているような予報だったので、麦刈りが凄く難しかったです。

麦刈り

 

写真は晴れの日に撮りましたが、基本曇天での麦刈りとなりました。
しかも、今年は凍霜害の影響で遅れた穂が無数にあり、成熟した穂もあれば、まだ緑の穂もあるといったムラの大きい作柄になってしまい、刈り取り始めの判断にすごく迷う年になりました。

麦刈り

 

例年は最後の方には刈り遅れ気味になる傾向にあるのですが、今年は最後まで青い麦が混じる異例の年となりました。

麦刈り

 

品質は殆どが一等でしたが、一部未熟粒が多く二等になってしまうものもありました。収量は予想以上に多かったので、凍霜害がなければ過去最高の収量と品質になっていたと思います。しかし、凍霜害は防げるものではないので致し方ないです。が、やはり悔しいですね。

麦刈り後はすぐに大豆を蒔きます。6月中になんとか蒔き終えることが出来たのですが、雨続きでちゃんと発芽してくれるかが心配です。播種後の除草剤は全て流されたので草が出ることは覚悟しなければいけませんね。

 

田んぼアート完成!

信州安曇野田んぼアート

 

信州安曇野田んぼアートも麦刈りと同時進行しつつ、とうとう完成することができました。
先月は測量の様子を紹介しましたが、その後ボランティアの皆で色違いの苗をテープでくくられた枠の中に植える田植え作業が行われました。

信州安曇野田んぼアート

 

植え付ける苗は左上から右に「黄大黒」「べにあそび」「ゆきあそび」「濃紫」「あかねあそび」「緑大黒」「風さやか(写真には無い)」の7品種です。
小さいうちはまだ色がはっきりと表れないので、間違えないように注意しながら植えていきます。
何とか雨の合間を縫って作業ができました。晴れは少なかったですが、炎天下よりも楽だったかもしれません。

信州安曇野田んぼアート

 

田植えが終わったら杭抜きとテープ取りです。4000本以上ある杭とテープをひたすら回収していきます。
これが結構しんどい。

信州安曇野田んぼアート

 

杭を全て取り除き展望台から全体を眺めてみると、手直しが必要なところがいくつか見えてきます。
しかし、展望台から見る全体像と、田んぼからの見え方が違いすぎて、どこをどう直していいのか分かりません(-_-;
展望台から撮った写真を頼りに何となく見栄えが良いように植えなおしをしていきます。

そんなこんなでとうとう田んぼアートが完成です!
完成直後の写真がこちら↓

信州安曇野田んぼアート

 

横取りでもフレームアウトするほどの大迫力! モデルは信州出身の力士「御嶽海」です。
災害に倒れず「ONE NAGANO」で頑張ろうという気持ちが込められています。まずまずの出来なのではないでしょうか。圃場からと展望台からとではどれだけ見え方が違うかが分かりますでしょうか。
まだ色が薄いですが、これから稲の色がどんどんはっきりしてくるので稲の成長とともに、田んぼアートもその姿を変えていきます。今後も管理作業が続きますので、農事録で紹介していけたらと思います。

 

美味しいという幸せ

6月は沢山の果物が採れる時期です。

ブルーベリーとラズベリー

 

庭のブルーベリー、ラズベリー、カシスをはじめ、桑の実、サクランボ等、沢山のフルーツを食べることが出来ます。
食べきれないほど採れるので、残りは全てジャムにします。

サクランボ狩り

 

我が家では田植え→麦刈り→大豆蒔きまでが一つの大きな農繁期です。大豆を蒔き終えると稲刈りまでは少し落ち着けるので、親戚のサクランボ農家へサクランボ狩りに行きました。
あいにくの雨でしたがハウス内なので大丈夫。子供たちは頭上一面に広がる宝石のようなサクランボを見て大興奮♪ これが食べ放題なんて夢のような時間だったことでしょう。
私もしっかりお腹一杯食べさせてもらい大満足でした! 思い出しただけであのパチッとした食感と広がる甘みが口の中に蘇ってきます。
あ~、また食べたい!!!

家では毎晩の楽しみである晩酌に嬉しい知らせ。

城戸ワイン

 

なんと「城戸ワイン」の抽選で当選したのです。城戸ワインは日本ワイナリーコンクールで5つ星に輝いたワイナリーです。前回は妻が抽選をして落選してしまったようなので、この当選は嬉しいですね。
せっかくのワインなので、安曇野市でオープンしたばかりのフランス総菜のお店「シャルキュトリー リュース」でテイクアウトをして合わせることにしました。

フランス総菜も、城戸ワインも最高に美味しかったです。
食が美味しいって何よりの幸せだと思います。身近に美味しいものがあふれている今の環境に凄く感謝しなければいけません。何より毎日家族そろって食卓を囲めるというのも、農家であって良かったと思う瞬間でもあります。現場監督時代ではありえなかった。

一つの農産物がこの食卓に並ぶまで、いったい何人が関わってきているのでしょうか。食材を作る人、農業機械を作る人、運ぶ人、運ぶ道を作る人、料理をする人、食器を作る人、、、全てがあってこれがこの形でここにある。
全ての人に感謝です。だから食べ物は大切にしなくちゃですね。食べ物に限らずですがね。

そんなわけで今回はこの辺で。次回の田んぼアートもお楽しみに。

この記事を書いた人

安田大樹さん

北アルプスをのぞむ安曇野市は、1等米比率日本トップクラスの長野県を支える米どころ。25歳でお米農家を継いだ安田大樹さんは、おいしいお米を作り続けることが「ふるさと安曇野の景観を守り、地域を楽しくしていくことにつながる」と考えました。

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