岩垂さんの農事録
[岩垂さんの農事録]

オレさまの安曇野 風雲 農事録 連載第43回

連載※長野県安曇野市三郷(みさと)地区で、農家家業をついでリンゴを作りはじめて8年目となる岩垂和明さん(43歳)が、幾多の押し寄せる誘惑や困難を乗り越えて時として風雲急を告げる月々の農事を綴ります。

ジト〜〜〜〜っ

と、たとえ日陰にじっとしていたとしても、
汗が噴き出しシャツにしみいる今日この頃。

ここは信州安曇野。

以前ならお盆が過ぎたころには、

秋を感じる涼風が心地良く感じつつも、

過ぎ去りゆく夏に
センチメンタルな気分になってしまう、

そんなところだったのに・・・

iwa-1.jpg

一体どうしたことだろうか?

ここ数年は残暑厳しく、
特に今年のこの暑さは一体、、、な、何なんだ!

もしかしたら、
パイナップルやマンゴーが育つんじゃないか
と思われるような暑さの中で、
比較的寒冷地で栽培されるりんごの
手入れをするというのは、
かなりの違和感を感じます。

iwa-2.jpg(おまいらも暑いやろ)

この際、もうりんごはあきらめて、高級南国フルーツ農家にでも転身しようかな・・・

iwa-3.jpg

などと、

バカなことを言っている間に、
早生種のサンつがるが赤くなってまいりました。^^;

iwa-4.jpg
(サンつがる)

何だかんだ言っても、
やはり安曇野はりんごの産地のようです。。。


8月前半からお盆にかけては、比較的暇な時間を過ごしておりました。

こういう時期にじっくりと時間をかけて、大人の自由研究などすればオレも大したもんですが、残念ながらそんな甲斐性はなく、フツーに過ごしておりました。

フツーというのは、例えば、、、

まずは農舎の屋根のペンキを塗り替えて、、、

iwa-5.jpg

(オレにとっては毎年恒例、フツーなのです^^;)

で、あとは、

恒例の松本ぼんぼん(休憩中はもちろんビール)に出たり、、、

iwa-6.jpg

ビール片手に農家仲間とバーベキューをしたり、、、

iwa-7.jpg

友人たちと松本サマーフェスト2012でビール飲んだり、、、

iwa-8.jpg

ビールに飽きたら、行きつけのバーでモヒートを飲んだり、、、

iwa-9.jpg

ギネス(ビール)を飲んだりラフロイグ(スコッチウイスキー)を飲んだり、、、

iwa-10.jpg

って、ほとんど飲んでばっかじゃねぇか!オレ。

来年は大人の自由研究の課題として「松本・安曇野バー巡り」を提出しようと思いました。(^^ゞ

て、

いやそれにしても、ホント、マジで、暑くて困ります。

色づき始めたつがるですが、最高気温が高いばかりか、最低気温が下がらないので、ここに来て色の入り方が悪くなってきました。

このままではりんごが赤くなる前に過熟(熟しすぎの状態)になってしまい、売り物にならなくなってしまいます。

しかも、あまりに暑すぎて、収穫を間近に迎えたりんご達の多くが日焼けを起こしてしまいました。

iwa-11.jpg

iwa-12.jpg

程度の軽い日焼け(オレンジ色や白色になる程度)ならばまだ売れますが、黒くなってしまうともう売り物にはなりません。

今年はこういったロスがかなり多いですね。

一応、日焼け防止のため日差しを弱めるための寒冷紗(カンレイシャ)も張っているのだけれども・・・

iwa-13.jpg

これだけ暑いとねぇ。

然が相手の商売だけに、何だかんだで毎年色々とありますね。

順調そうなときも、際先が悪いときも、結局一年終わってみないと良かったのか悪かったのかは分らないものです。

まったく同じ年というのは一度もないのがこの仕事。

結局こちらが自然に合わせて行くしかない、そんな非効率的で手間のかかる仕事なのです。

最近では「農業も効率化して・・・」などと良く言われますが、毎年変わる不確定要素にいちいち対応していかなくてはいけない農業は、工業製品やソフトウェアと同じ考え方で効率化することはできないし、同じレベルで採算性を求めることもできません。(必要以上に農薬を使ったり、遺伝子組み換えなどをするならば話は別ですが。)
単純に大規模化すれば効率化できるなんていう、そんな単純なものではないのです。

まぁ、

そんなことを思いながら、そして、

早く涼しくなることを祈りつつ、

今月の農事録とさせていただきます。

それではみなさん、厳しい残暑と激しい雷雨にお気をつけて日々をお過ごしください。

ということで、

ではまた来月に。(^_^)/~


バックナンバー

● オレさまの安曇野 風雲 農事録(第42回〜第1回)


あわせて読みたい

● I'm a farmer!(岩垂和明さんの個人ブログ)

この記事を書いた人

長野県安曇野市三郷(みさと)地区で、農家家業をついでリンゴを作りはじめて8年目となる岩垂和明さん(44歳)が、幾多の押し寄せる誘惑や困難を乗り越えて時として風雲急を告げる月々の農事を綴ります。

記事一覧へ
1346166000000

関連記事

オレさまの安曇野 風雲 農事録 連載第19回
岩垂さんの農事録

オレさまの安曇野 風雲 農事録 連載第19回

オレさまの安曇野 風雲 農事録 最終回
岩垂さんの農事録

オレさまの安曇野 風雲 農事録 最終回

オレさまの安曇野 風雲 農事録 連載第42回
岩垂さんの農事録

オレさまの安曇野 風雲 農事録 連載第42回

オレさまの安曇野 風雲 農事録 連載第18回
岩垂さんの農事録

オレさまの安曇野 風雲 農事録 連載第18回

新着記事