えーっと、インド話は後に回すとして、まずは農事のお話を。
この時期のりんご農家の仕事と言えば、もっぱら「せん定」です。
咳が止まらずとも熱も無く、体は動くので、ボチボチとせん定を進めています。
ようやく畑全体の6〜7割が終わりました。
せん定は、りんご農家の1年の作業の中でも1番難しい作業といっても良いものです。
オレも、この仕事を始めて8年目となり、ようやく、、、本当にようやく、、、少しばかりせん定というものが分かりかけてきました。
木は、切れば反発して強く伸びます。
たくさん切れば強く反発し、優しく切れば弱く反発する。
その反発の仕方は、品種によって特長が違ってくるし、また同じ品種でもその木の勢いの強弱によって変わってきます。
このため、弱い木は強めに切って元気を出させ、逆に勢いの強い木は切る枝を最小限にして反発を抑えなくてはいけません。
人間と同じでりんごの木にも一本一本個性があり、ひとつとして同じものはありません。
つまり、せん定も一本一本違ってくるわけです。
切れば反発する
親父曰く、「結局(どのようにせん定するのか)は、りんごに聞かなきゃわからんよ。」とのこと。
まぁ、そう言われてもねぇ。
りんごはすぐには答えてくれないし・・・
この時期は常に悩みつつ、黙々とりんごに問いかける日々が続いていくのです。
コホッ。
切ったら殺菌剤を塗っておく。風邪の菌はいなくてもフラン病の菌はいる
ところで、先日、そんなせん定の日々の合間を縫って、ちょっくらインドへと出かけてきました。
全行程10日間、現地7泊8日のひとり旅。
デリーに入り、
デリーの安宿街、メインバザール
どこにでもいる野良犬と野良牛
ガンジス川(バラナシ)を堪能し、
ガンガー(ガンジス川)に上る朝日
夜のガート(沐浴場)その1
夜のガート(沐浴場)その2
路地裏で会った少女たち
最後にコルカタに寄って日本に戻る。
コルカタのショッピングセンター付近
コルカタの安宿街、サダルストリートの屋台
インドというものは年中暑いものだと思って行ったのだけれど、特にデリーの辺りは意外と寒くてびっくり。
特にバラナシからコルカタへ向う夜行列車に乗った時は、夜、ものすごく寒くて、これが原因で風邪を悪化させたのだと確信しております。というか、準備不足でした。(反省)
寝台車の一番安いクラス
暗いと一段と寒そう・・・
インドでもりんごは売ってます。
デリーの街角にて
インド北部、カシュミール地方は標高も高く、りんごが栽培されています。 (今回は行ってませんが・・・)
インドのりんご生産量は、平成18年度の調べで1,739,000t。世界第7位。同年の日本の生産量は831,800tで第14位なので、なんと日本の2倍以上の生産量があるわけです。(資料:「りんご大学」ホームページ「世界のりんご生産量」より)
ただ、10億を超える人口を持つインドですから、人口比に対するりんごの割合としてどうなのかという話はありますが・・・
味は、、、まぁウチのに比べたら大したことありませんよ。^_^;
ちなみに、昔からのりんごファンの方は、「印度りんご」という品種をご存じの方もいるかと思います。「印度りんご」と言うからには、きっとインドが原産と思われるかもしれませんが、これはアメリカのインディアナ州が原産の種、または、その種が日本で変化(偶発実生種)してできたものと言われており、どちらにせよインドとは関係ないことになります。(ウチの親父が、「昔の印度りんごってヤツはインドからきたんだろ?」とか聞くので、帰ってからネットで調べたのだ。)
ということで、風邪など引いて帰って来て、果たしてインドの旅はリフレッシュになったんだか、ならなかったんだか、、、
どちらにせよ、これからは残りのせん定、そして3月4月に入って枝の誘引や苗の植え付け作業等々、徐々に忙しくなっていくりんごの仕事へと頭を切り替えていかねばなりません。
旅をすると普段会うことのない色々な人々、景色、ものと出会うことができ、たくさんの刺激を受けることができます。このことを今後の仕事や、自分自身、そして周りの人へと活かしていければいいなぁと思う今日この頃。
2月も後半に入り、日もだいぶ長くなってきました。
3月になれば、一気に春めいてくることでしょう。
とはいえ、日本ではまだまだ寒い日が続きます。
次回までには風邪も治し、万全な体調に戻しておきますので、またお付き合いの程、よろしくお願いします。
それでは、ごきげんよう、さようなら。(^_^)/~