さて、
桜の花が咲くころは、りんごの接木(つぎき)にちょうど良い季節だと言われています。
ということで、ウチでも接木で苗づくり。
りんごの苗というのは、根っことなる台木に、作りたい品種の穂木(例えば「ふじ」)を接木して作ります。
これが台木
ウチでは、わい化栽培というりんごの木をあまり大きくしない栽培方法なので、わい性用の台木を使います。
(正確にはこれも、マルバカイドウという根っこの台木にわい化用の台木を接いで作ったもの。)
ただ、この方法だと、りんごを生らせるまでにはまだ3、4年、一人前に稼ぐようになるには数年以上かかります。
そこで「もっと早く新しい品種に更新したい!」という場合は、高椄(たかつぎ)という方法を使います。
高椄とは、今あるりんごの木の枝に新しい品種を接木して品種を更新するという方法。
直接枝を切り落とした木に接ぎ木する。
これが1年もすれば枝が伸びて、こんな感じになり、
そして3、4年もすれば、そこそこ稼いでくれるようなりんご達が収穫できるというわけです。
去年接いだ高椄の木
(放っておくと枝が上にばかり伸び、りんごの実をつけようとしなくなるため、青いロープで下に枝を引っ張っている。)
そう言えば、、、
昨年の今頃、オレはこの木の高椄の作業中に指を大怪我し、えらいことになっていたっけ。。。
(詳しくは安曇野風雲農事録の第3回を読んでください。^^;)
ところで、
最近もっとも気になるのは、この天気。
冒頭でも書いたのだけれど、天候が不順で日照時間が少なく、なによりもここに来て寒い日が続くことが気になります。
りんごは、芽が開いてから、花、幼果の時期に氷点下の温度に長時間さらされるとりんごに悪影響がでます。
今が一番ヤバい時期なのだ。
かといって、凍霜害への絶対的な対応策などはないから、結局のところ、できることだけやって、あとは運を天に任せるしかない。
自然にはかないませんから。
まぁ、ちょっと視点を変えて見るならば、りんごを台無しにするのも自然なら、ここのりんごを、とてつもなくうまく育ててくれるのもここの自然なわけなので、オレ等はその摂理に従って、ちょっとだけりんごに手を貸して、できるだけ良いものを作ってもらうしかないわけですよ。
さてさて、
凍霜害をうまく乗り越えてくれれば、GWの後半には、多くのりんごの花が咲き揃うことでしょう。
花が咲くと共に、りんご農家にとっては最高に忙しいシーズンがはじまります。
どういう状況になるにせよ、まずはベストを尽くすこと。
えぇ、頑張りますよ! 来月も。
ということで、
寒暖の差が激しい日が続きますが、
みなさまもお体に気をつけて!
ではまた。
ラーコーン・クラップ(^_^)/~
(バイバイ(^_^)/~@タイ語)