桜の花も見頃の時期を迎え、
ここ安曇野でも
春を感じる季節となりました。
りんごの花も
ちょっとだけ、
咲く準備を
はじめているようです。
ただ、
りんごについては
言うならば、
生長は昨年に比べて
少し遅れ気味。
今年の春は、
暖かい日もあるけれど
寒い日も結構多かったから。
実を言うと
・・・
オレ的には、
遅れてくれるのは、
ちょっとだけ
うれしかったりするのです。
花が咲くと、
りんご農家は
とたんに
忙しくなりますからねぇ。
^^;
よく、
「暖かくなって良いですね」
なんて声をかけられて、
「そうですね」
なんて答えたりしてるけど、
ホントは心の中で、
「でも、暖かすぎると
すぐに忙しくなっちまうから、
ちょっと困るんだよな」
なんて
言っていたりするのです。
もちろん、
寒すぎて
りんごの生長に影響するのは
もっと困るが、、、
フツーに、
でもちょっとだけ
遅れるぐらいが、
ちょうどいいんだよな、
オレ的には。
つくづく
自分は
わがままな人間だと
思います、
はい。(^^ゞ
さて、りんご農家のこの時期、せん定作業が終わって摘果が始まるまでのこの期間の仕事は、各々の農家の状況によって変わってきます。
来年以降に新しい苗が欲しい人は、接木(つぎき)をして苗を作り、
新しい苗に植え替えを予定していた人は、苗を植え、
また、今あるりんごの木にそのまま接木して、品種更新(高椄[たかつぎ])をしている人もいれば、木を理想の形に近づけるための、誘引(枝をひもで引いて形を作る)作業をやっている人もいる。
各々の畑の状況に合わせつつ、摘果前に済ませておきたい仕事を、この時期に済ませておきます。
なかには少し休んだり、遊んだりしている人も、いるかもしれません。
摘果が始まるととにかく忙しいので、この時期に鋭気を養っておくこともまた大切だから・・・
ウチでも今年は、苗作りから植え替え、誘引まで、既に一通りの作業を終えましたが、今回は、高椄(たかつぎ)という仕事について、少しばかり説明しましょう。
高椄は今あるりんごの木の枝を切って、その枝に違う品種のりんごを接木して品種更新する方法。
こうしておくと3、4年後には、接いだところから先に、新しい品種が生るようになるというわけです。
高椄をすると、苗から作る場合に比べて、格段に早く(といっても3、4年はかかるのですけど)、ある程度の収量を確保することができます。ただ、今まさに稼ぎ時のりんごの木を、切って接がねばならず、接いでから数年はその分の収量が減るわけで、その辺の判断が難しいところですね。
農家の経営には、ときには思い切ることも大切。
今年は思い切って一通り分更新だ!
先日、ウチの親父がりんごの木のせん定枝を焼き、炭を作りました。
ウチではこれを、冬の掘りコタツの燃料に使います。
微々たるものですが、自然に優しいエネルギー。
しかし、炭を作るのは手間がかかるので、最近ではそれをする農家も減りました。
でも、この炭のコタツには、電気には無いぬくもりがあって、芯からあたたまるのですよ。寒い日などは、一度入ってしまうとなかなか抜け出せない・・・^^;
電気というものはとても便利なもので、これなしで現代の生活を維持することはできません。炭や薪などクラシカルなエネルギーは、利用するのに手間もかかるし、管理も面倒だし、、、ただ、電気では感じられない「幸せ」のようなものがそこにはあります。
「便利」ということは生活を「楽」にしてくれけれど、必ずしも「幸せ」にしてくれるものではないかもしれません。そう考えると、少し面倒くさくなっても、電気の使用量を少し減らしてもいいんじゃないかな。
生活を少しだけ「不便」にして、スピードも少しだけ「ゆっくり」にして、「楽」ではないかもしれないけどちょっとした「幸せ」を感じられるライフスタイル。そんな生き方もいいかもしれないなと思う今日この頃。
桜前線が北上する中、りんごの花が見頃を迎えるのはもう少し先になります。
たぶん、ゴールデンウィークの後半ぐらいかな・・・
もちろん、りんご農家にはゴールデンウィークも、りんごの花を楽しんでいる暇もありません。^^;
花が咲けば忙しくなる。
それでも、忙しくとも、秋に収穫できるという希望を思いながら仕事ができるということは幸せなことだから、5月は気合いを入れてがんばるつもりです。
秋に、ウマいりんごを採るために。
ということで、今月はこの辺にて。
色々と大変な時期ではありますが、
みなさまもお体に気をつけて、
良いゴールデンウィークを
お迎えください。
ではまた来月に。
バイバイ(^_^)/~