神田さんちの農事録 第5回

※長野県下水内郡豊田村在住のりんご農家・神田茂貞さん(36歳)が、月々の農事を綴ります。

新緑の眩しい5月は、果樹農家にとっては摘果の時期です。摘果には、予備(一番)摘果と仕上げ摘果の2回の摘果があります。この時期は予備摘果をします。

りんごの予備摘果とは、ひとつの花そうで5〜6の花が咲きますが、一番最初に咲いた花(中心にある花)のみを残し、周りの4〜5の果実を摘む作業と、今の段階で生育の遅れている果実をすべて摘む作業です。この作業は、満開(本年は4月29日)後1ヶ月以内で終了させなくてはなりません。そうすることが樹の負担を軽減し、果実肥大を促進させて、また来年の花芽の充実にもつながるからです。

とにかくこの作業には「根気」と「手間」とが必要になります。わが家では、JAや村にお願いし、都会からのボランテイア(猫の手援農隊)を昨年から受け入れたりして、人手の確保をしています。薬剤による摘果もないわけではないのですが、それは、しません。わが地区では環境にやさしい農業を目指し、減農薬、減化学肥料に努めているからですし、国が推奨するエコファーマー(県知事の認定)を取得するために、地域としても「薬剤によらない摘果」に取り組んでおり、この6月2日には認証される予定です。単一の地域で84名もの認定は全国でもまだ例がありません。6月2日(水曜日)の夕方の番組(信越放送)で放送されるの予定ですので、みなさん、ぜひ見てくださいね。

また、援農隊の皆さんにも、当地区のこうした取り組みを理解していただくなどして、安心で安全な農産物の宣伝を、地域が一体となり、一歩づつ広めたいと想っております。

桃の摘果は、品種により生理落果(順調に肥大していても、6月頃になり自然と落果してしまうもの)がありますので、強い摘果は実施せずに、生育の遅れた果実のみ摘み取ります。(まん丸の果実は生理落果しやすいので、楕円形の果実のほうが望ましい)

プラムについては、おそれていた凍霜害(*註)の影響もあって、結実がやや少ないため、今月下旬まで様子を見た後、摘果を予定しております。わが家では、完熟プラムで出荷していますから、ひとつひとつの実が通常より大きくなるため、収穫時の果実を想定し、果実同士が傷つけあわない程度の間隔で、着果させなくてはなりません。太い枝の上部の果実は、枝づれなどで傷つきやすいので、摘果します。

今月から、しばらくは摘果作業が続くことになります。夏至にむけて日もそろそろ長くなり、疲れた身体をリフレッシュさせるには、毎日一時間の昼寝と、たまの雨降りに出かける近所の温泉、それと年に4〜5回のゴルフ。それらがわたしの体力回復方法でしょうか。

*註 4月24日の夜から25日の朝にかけて、上空の強い寒気の影響と移動性高気圧に覆われて晴れたために、3月下旬並みの気温となりました。県内各地では霜が降りたり氷が張り、果樹・野菜・花きに凍霜害が発生した。(編集部記)

長野県の気候・夏の特徴(長野地方気象台)

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長野県下水内郡豊田村在住のりんご農家・神田茂貞さん(37歳)が、月々の農事を綴ります。

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