神田さんちの農事録 第10回

※長野県下水内郡豊田村在住のりんご農家・神田茂貞さん(37歳)が、月々の農事を綴ります。


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10月の作業は、ふじの収穫前管理に追われます。

ふじは、開花から収穫まで約180日かかりますが、収穫1ヶ月前頃から葉摘み(葉の数を減らしてゆくこと)を行います。この時期は、じょじょに気温が下がり、自然な状態でも落葉しはじめます。しかし果実に直接触れている葉は、これがなかなか落葉しません。

自然な状態での管理が理想なのですが、日が短くなり、限られた日照を果実に十分あてるようにしてやるには、この葉摘み作業はとても大切です。この作業を今月中には終了させます。

次に玉廻(たままわし)作業があります。基本的には葉摘み作業終了後、果実全体に日光をまんべんなくあてるために、影の面を陽のあたる側へ廻してやる作業です。

我が家では、日照確保のため、元々ふじは栽植距離を十分にとり、樹全体に陽があたるようにし、混んでいる場所は間伐して、剪定でも、下垂枝を多く利用するよう工夫しながら、少しでも玉廻し作業がはかどる樹体を目指して日々の作業をしてきております。

りんご農家にとって、ふじは、やはり「りんごの王様」です。

立地条件、気象条件、土壌条件、栽培技術、どれが欠けても、日本一にはなれません。りんご栽培でもっとも難しい品種であり、栽培者によって差がでる品種なのです。自分が気に入った園地となるには、日々勉強しかありません。今年のように幾たびもの台風の襲来にも、被害が少しでも軽減できる樹形にもつていくなど、暴風対策は常に頭の痛い問題ですが、台風に耐えたりんごを収穫前管理で、さらに少しでも品質の良い物に仕上げるよう毎日の作業は続きます。


長野県の気候・秋の特徴(長野地方気象台)

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