神田さんの農事録
[神田さんの農事録]

神田さんちの農事録 第9回

━ Mountain Country Farmer's Note ━━━
下水内郡豊田村在住の神田茂貞さん(37歳)が、月々の農事を綴ります。


■2004年9月8日(水曜日)記
9月は、勢力の強い台風が、猛威をふるうことの多い時期です。

今年は台風の当たり年のようです。15号、16号、そして今回の18号と、立て続けに襲ってきます。この時期の台風の状況いかんで、年に1度しか収穫のできない果樹農家は、生活環境が大きく揺らぎかねません。たった一度の自然災害でも、樹体の損傷程度によっては、回復までに数年はかかるからです。10年で、2度も3度も大きな被害に遭ったのでは、樹体だけでなく、精神的にも大きく影響を受けます。

台風は、防ぎようにも防ぎ切れません。それが現実ですが、できうる精一杯の対策としては、園内の支柱が、適切に立てられているかどうかを点検し、暴風ネットがある場所では、ネットを張り、被害が最小限となるように努めます。当然ながら、眠れない夜を過ごさなければなりません。

今月の上旬で、りんごのつがるの収穫が終了します。つづいて、中生種の収穫前管理へと、作業が移ります。我が家の中生種は、陽光・秋映(あきばえ)・シナノスイート(あじぴか)があって、順次葉摘みをしていくのですが、葉摘みは2度に分けて行い、2度目の葉を摘み取ると同時に、玉回しを行います。

秋映は、1度軽く摘むだけでも着色しますが、シナノスイートの場合は、飛び玉(芯かび病の可能性もあり、早期にぽつんぽつんと着色するもの)を樹上で取り除き、品質の確保をしなくてはなりません。

今月中に収穫を迎えますのは、秋映と陽光です。シナノスイートは10月初旬が収穫の予定です。秋が進み、涼しくなってきますと、りんごの味も本物です。

さあ、これから美味しいりんごの季節がはじまります。

健康のために、毎日、果物を200g以上、食べてください。

▽長野県の気候・秋の特徴(長野地方気象台)
http://www.jma-net.go.jp/nagano/kikou_tokucyou/nagano_aki_tokucyou.html

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長野県下水内郡豊田村在住のりんご農家・神田茂貞さん(37歳)が、月々の農事を綴ります。

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