大樹の農事録
[大樹の農事録]

稲刈り無事終了!急いで麦まき作業

皆さんこんにちは。
熱燗が美味しい季節になってまいりました。
秋の味覚には日本酒や焼酎がたまらないですね♪

コマ

コマも冬毛に切り替わり始めました。
もこもこの首回りを触っていると、両手でわしゃわしゃしたくなります。

空-1

空には天高く秋の雲。
ふと調べてみたら、雲は大きく10種類に分けられるそうです。

写真に見える箒でサッと履いたような形の「巻雲」や、魚の鱗のような「巻積雲」は上空5~13kmと最も高いところに現れる上層雲に分類されます。雲が高いところにあるから天が高く見えるのですね。この上層雲は温度が低いところにあるので氷の粒で構成されているようです。「氷の粒」として見ると、雲というよりはアナ雪のエルサの魔法のようです。

実はこの世も結構ファンタジーなのかもしれません☆

麦蒔きのはなし

所変わって地上では、稲刈りも無事終えることができ一息つきたいところ。しかし来年の収穫に向け、急いで麦まきの準備です。

まず手始めに、土壌の酸度矯正です。

トラクター-1水田後は土壌が酸性に傾いています。麦は酸性土壌に弱いため炭酸苦土石灰(炭苦土)を撒いてphを6.0~6.5程度に矯正します。この時活躍するのがブロードキャスターという機械。一度に400kgの粒状資材を撒くことができます。

また、麦を上手く発芽させるためには、土をできるだけ細かくしておくことが大事です。そのためにロータリーで2度圃場を耕します。

この時ブロックなどの擁壁際は機械が際まで寄れずに草が残ってしまう場合があるため、チビトラクターに「畔切り機」を装着し擁壁際の土をはがしていきます。

トラクター2-1

こうすることで、麦蒔きのときに擁壁際でも神経質になることなく蒔いていくことが出来ます。この畔切り機をつけたノンキャビンのかわいいトラクター。たまーに乗ると凄く新鮮な気持ちになります。

トラクター③-1

キャビンが無いので360度の大パノラマ。ぽかぽか日和の畔切りで、身体いっぱいに太陽と風を感じながら作業をすることができました。

何とも心地よく、気持ちが穏やかになります。

 ここまでやって、やっと麦蒔きの準備が完了です。あとはひたすらに麦を撒くのみ!

トラクター④-1

今度はでっかいトラクターにロータリーシーダーというでっかい機械を取り付けて播種作業です。

この機械は高いだけに高性能で、①肥料と土を混和し、②ディスクで溝を掘り、③種を落とし、④鎮圧するという工程を同時に行うことが出来ます。

しかも、肥料と種をまく量は手元のモニターで調節可能!さらに車速連動という優れもの!

車速連動のシーダーを導入してから播種作業は格段に効率良くなりました。ま、高いんですけどね!!

トラクター⑤-1

水が溜まりやすい圃場ではオプションで畝立てキットをつけて畝立て同時播種も出来ます。

この畝立てがかなり重要で、湿害に弱い麦の発芽を確保するのに絶大な効果を発揮します。

土-1

雨降り後の畝立て圃場です。溝を水が流れ、表面が上手く排水できているのが分かります。以前は雨が水たまりのようになってしまい、全く発芽しないというケースも多くありました。技術(投資)の成果ですね。

実をいうと水田後に問題なく麦を撒けるということ自体が結構凄いことなんですよ。湿田地帯では田んぼが乾かずこんなにサクサク麦蒔きに移れません。これ以外にも様々な排水対策が必要になります。

地域性の強みですね。あとは上手く発芽してくれることを祈るのみです。

さよなら田んぼアート

今年の農事録で苗づくりから紹介してきた田んぼアート。10月の終わりに最後の片付け作業がありました。

わらろーる-1

絵の背景に使用した「風さやか」は刈り取って精米し、関係者へのお礼へ。

色付きの稲は圃場外へ出すわけにはいかないので全て焼却処分します。残った藁もロールにして焼却施設へ持ち込みます。

これにて長かった田んぼアートの作業も終了でございます。何も無くなった田んぼを眺めると、感慨深いものがあります。大変だったけど本当に貴重な経験が出来ました。

好評により、嬉しい誤算の期間延長もありました。足を運んで下さった観客の皆様からは、たくさんの嬉しい言葉を頂きました。

この農事録読者の方も何人かは見に来てくれたかな。見に来てくれていたら嬉しいな。

趣味の時間

話題がコロコロ変わって申し訳ありません。最後に趣味の話を少し。

雨降りで麦蒔きが出来ない時間を使って、冬に改装した物置の整理をしています。夏は数年ぶりに渓流釣りが出来て良かったなー。イワナもカジカもマスも釣ることが出来たし、釣り欲が再燃してきました♪

そこで、今年こそは絶対にイカも釣りに行く!という強い意志を持ち、準備に奮闘しております。

趣味①-1

というか、実は釣りのための仕掛け等を準備しているこの時間が一番楽しいかもしれません。まだまだ竿の置き方とか機能的におしゃれにしていきたいのですが、これからの楽しみですね。

趣味2-1

イカ釣りに使うエギをいじっているだけでイカが掛かった時の重みが手に蘇ってくるのです(笑)
海無し県の海に対する憧れは強いんです。気楽に堤防に釣りに行ける人たちが羨ましい!!!

さて、麦蒔きが終われば大豆刈りが控えています。はたして私は無事にイカを釣りに行くことが出来るのか!!?

それでは今回はここまで。

次回、「イカ爆釣」の農事録、乞うご期待!!!

この記事を書いた人

安田大樹さん

北アルプスをのぞむ安曇野市は、1等米比率日本トップクラスの長野県を支える米どころ。25歳でお米農家を継いだ安田大樹さんは、おいしいお米を作り続けることが「ふるさと安曇野の景観を守り、地域を楽しくしていくことにつながる」と考えました。

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