2022年度からJA長野県グループで提供しているテレビ番組「?クイズ!違和感を探せ!」では、長野県内の安全でおいしい農畜産物の生産現場や、JAの取り組みを紹介しています。
9月27日放送ではJA信州諏訪の洋菊「ディスバッドマム」を紹介しました。ディスバッドマムは、脇芽を除去(disbud)して一輪の花に栄養分を集中させることで、大きく豪華な菊(mum)になります。
ディスバッドマム
放送に登場したJA信州諏訪 組合員の菊農家・鈴木紘平(すずき・こうへい)さんは6年前に夫婦で愛知県から長野県茅野市に移住し、菊農家になりました。移住から就農までの経緯をうかがいました。
「山が好き!」が移住のきっかけ
移住する前は鈴木さんは名古屋市でIT関係の仕事をしていました。奥さんの仁美(ひとみ)さんとともに登山が趣味で、長野県への移住を決めました。
鈴木紘平さん(左)と仁美さん
転職先を探すなかで、数ある職業から選択肢として「農家」を検討しました。
就農イベントで茅野市のブースに足を運んだことが茅野市に移住するきっかけでした。市の支援で市内にある野菜や花の農家を訪れて話を聞いてまわり、新規就農の菊農家の先輩の話を聞いて魅力的に感じ、菊農家になることに決めました。
「当時農業の知識はまったくなかったのですが、先輩方のお話を聞くうちに移住して新規就農しても、やっていけるかもしれないと思いました。茅野市が八ヶ岳山麓にあって山が近いのも魅力的でした」(鈴木さん、以下同)
2017年から2年間、茅野市内の菊農家のもとで里親研修を受け、2019年に独立し「やまファーム」を創業しました。「やまファーム」の名前の由来は、もちろん山が好きだからです。
現在、80aの農地で輪菊とディスバッドマムを出荷しています。
”最高の菊”をつくれるように、JA信州諏訪の菊青年部や菊部会の仲間たち、営農技術員から栽培方法など教えてもらい、日々勉強しています。
輪菊
「1日の気温差が大きく、晴天率が高い気候などのおかげで、鮮やかできれいな花の色になります。この産地の菊をぜひ多くの方に見ていただきたいです」
菊農家の仲間を増やしたい
やまファームではHPやインスタグラムなどの情報発信にも力を入れています。菊の新規就農者を増やしたいという強い思いがあるからです。
「私自身そうだったように、新規就農することを、ものすごく大変そうだと感じている若者は多いと思います。農業は大変だけれど、特別な大変さではなく、ほかの仕事でも感じるであろう“普通”な程度の大変さだと感じます。気負いすぎずにチャレンジしてもらいたいです。若い世代がどんどん増えて、産地がもっと活気づいたらいいと思います」
趣味の登山は、農繫期を避けて年に5~6回程度。「仕事が忙しくなければもっと行きたいです。山は目の前にあるので」
また、猟師の資格を持っているため、自ら狩った鹿を家で解体して食べることもあります。「猟師の資格を生かして、将来は冬季の仕事にできたらいいなと思っています」
現在4歳の子どもも自然豊かな環境で育てることができている、とのこと。これからもがんばってください!