"チャービル"という野菜(ハーブ)を知っていますか。ヨーロッパでは最もポピュラーなハーブの一つですが、日本では高級ハーブとして扱われています。 そんなチャービルを長野県の茅野市で30年以上前から栽培している農家があります。なぜ茅野市でチャービルを栽培しているかを探るため、茅野市玉川の農家・五味戒介さん(91)のハウスを訪ねました。
葉から茎まで全部使えるチャービル用途も豊富
チャービルとは、セリ科の野菜(ハーブ)で、別名セルフィーユともいいます。原産地はロシア南部から西アジア。古代ローマ時代にはすでに利用されていました。フランス料理で使われる「フィーヌゼルブ(みじん切りにしたフレッシュハーブのミックス)」に欠かせないハーブでもあります。魚、肉、乳製品などとも相性がよく、サラダ、ドレッシング、スープなど幅広く利用されます。性質や使い方はパセリに似ていますが、パセリに比べて風味、食感、姿がやさしく柔らかく、甘い芳香があり「グルメのパセリ」とも呼ばれています。
なぜ、30年以上も前から茅野市でチャービルが栽培されているのでしょうか。そこには、チャービルの生育環境が関係していました。 チャービルは乾燥を嫌い、風通しがよく半日陰で涼しい場所、湿り気のある土壌を好みます。直射日光と高温多湿を嫌うため、夏場(7〜8月)の栽培は難しく、年間を通じてチャービルを取り扱う市場は、夏場のチャービルの確保に苦慮していました。そこで、セルリー(セロリ)とパセリを中心とした高原野菜の産地であった茅野市農協に、「夏場にチャービルを作ってほしい」という依頼があり、チャービルの栽培がスタートしました。出荷時期は6月から10月上旬まで。夏場のチャービルは、市場に出回る数が少なく希少価値が高いので、今も高級ハーブとして取り扱われています。
チャービルを収穫する五味さん
こんなにも栽培が難しいチャービルを、五味さんは30年以上栽培し市場に出荷しています。 ハウスの中が高温にならないよう風の通りをよくし、遮光ネットを張って日陰をつくり、土壌の水分量を常に気づかいながら丹精込めてチャービルを育てている五味さん。毎日4時に起床し、すぐハウスに向かい、収穫。収穫したものを出荷用に選別し、パック詰めして出荷します。パック詰めも五味さんの仕事です。
選別したチャービルをパックに入れて最後のチェック
「チャービルをつくるのは楽しい。がんばれるだけつくり続けたい」という五味さんの言葉からは、チャービルづくりが生きがいになっていることが感じられました。思わず、「五味さん、本当に91歳ですか」と念押ししたくなってしまいます。 長野県には、五味さんのように農業を生きがいにしながら元気に活動されている高齢者の方がたくさんいます。これからも信州の農を支える先輩として、ますますご活躍くださいね。
出荷用チャービル
こちらは 2014.08.19 の記事です。農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。
さくら
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