キノコは温度や湿度を管理した施設内で整然と育てられています。JAながの(みゆきブロック)の荻原和弘さん(中野市永江)のブナシメジ栽培施設を訪ねました。荻原さんは長野県などが加わる信州きのこ祭り推進協議会が主催する長野県きのこ品評会で、農水大臣賞を2回受賞するなど栽培技術には定評がある方です。
最初に行うのがキノコ培養のもととなる培地作り。おがくずを中心に、栄養剤として米ぬかやふすまなどを混ぜて、栽培用の瓶に詰めます。
作業しながら説明してくださる荻原さん
おがくずは製材時に出る残り物、米ぬかやふすまもそれぞれ米、麦の精白時に出る副産物を利用しているところがミソです。配合の割合や撹拌作業が生産者のノウハウになっているそうです。荻原さんもこの作業が一番楽しいと言います。 瓶に詰めた培地は殺菌釜で圧力をかけて水蒸気で滅菌します。
118度で6時間ぐらい。無農薬で栽培できるカギはこの作業が握っています。 完全に殺菌され、準備が整った瓶にキノコの菌を付けます。
キノコを育てる作業が始まります。気温20度の環境で約30日培養、さらに60日ほど熟成させます。撮影のため照明をつけていますが、普段はもちろん真っ暗です。
次は、菌床からキノコが出やすいように表面をかき取る菌かき作業。
その後、生育室へ運び、芽出しと生育です。瓶は6段に並んでおり、上3段が芽出し、下3段が生育です。下の部分で初めて光が当てられます。
生育室は秋の気候で気温14度、湿度は100%近くになっています。扉を開けた瞬間は真っ白な霧が吹き出してきます。22、23日で収穫です。
包装室で荷造りして出荷します。
収穫が終わった瓶は培地をかきだし、次の栽培に備えます。
ここまで約4カ月。一つの瓶で1年に3回くらい栽培されるわけですね。もちろん、各農家では需要に合わせて毎日出荷できるように調整して作業しています。
こちらは 2019.01.29 の記事です。農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。
昭和人Ⅱ
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