おーい、みんな!
いよいよやってきましたヨーっ \(^O^)/
収穫です!!
あの小さい、小さいモミだったのが、つい昨日のように思えます。
編集部のある善光寺周辺も稲刈りはすでに終了し、わが家のベランダのみバケツ稲がゆれていた今日この頃。しかし、芽出しをはじめて168日目! ようやく、収穫のよき日を迎えたのであります。
わたしたちの主食であるお米と、長野県のおいしい食べ方読者のみなさんの距離をすこしでも縮めるため、「バケツ稲づくり」プロジェクトに編集部が挑戦する記録の最終回「涙の収穫編」です。
水を落として10日後にいよいよ稲刈り
収穫する予定の10日ほど前から、水やりをやめて土をかわかします。これを「落水(らくすい)」といいます。コレは、先月のこのコーナーでお伝えいたしました。
落水をしてから10日ぐらいで、稲刈りをしなくてはなりません。
鎌や園芸用品のはさみで、切ります。無い場合は、キッチン用のはさみでもかまいません。およそ5センチほど根本より上を切ります。
かりっとした穂は、まとめて根本をしばり、穂を下に向けて、それから10日ほどかわかします。ほしている間もあの天敵であるスズメにねらわれないように注意が必要です。
また、稲をかわかす方法は、長い棒をよこにしてそこに稲をかけたり、くいを立てて円形につみあげるなど、地域によってさまざまです。
しかーし、根は刈り取りした後も生きているので、そのままにしておくと、また芽が出てしまいます。これを「ひこばえ」なんて美しく呼ぶことがあります。そのまま育てると、また穂が出ることもありますが、これはあまり美味しくないといわれています。
そしてさらに10日後の脱穀へ
バケツ稲の脱穀にも、乾燥法と同じようにいくつか方法があります。ひとつめは「茶碗をつかう方法」です。
・茶わんをつかって脱穀する方法
新聞紙をひろげ、茶わんのふちを穂において、軽く押さえつけるようにして穂をゆっくり手前に引っ張ります。
・牛乳パックをつかって脱穀する方法
よく洗って乾かした牛乳パックに穂を入れたら、パックの口を手で押さえて、穂をずりずりずりとひっぱります。こうするとパックの中にもみがまとまるので、ありがたいことに周りにもみが飛び散りません。
今回収穫してみると、3本の苗にはナント「約1900粒」以上のお米が実っていました!
もみすり(玄米を作る)
すり鉢に軽く一握りのもみを入れ、軟式野球ボールでゆっくり上の方まですりあげます。少しずつ息をふきかけ、取れたもみがらを飛ばします。コツは、入れる量を少なくして、すり鉢の斜面ですりあげるとよいでしょう。このようにもみがらを取ったお米を玄米といいます。けっこう、力がいります。
精米(白米にする)
もみ殻をとった玄米をビンに入れ、太めの棒を使って搗(つ)きます。ついたときに出る粉は「ぬか」と言い、ふるいなどで落とします。ようやくここまできて、みなさんが知っている「お米」にたどりついたことになります。
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左から 「籾(もみ)」 「玄米」 「精米」 |
そしてお炊きあげの瞬間へ
さあさあ、ずずいっと近づいてご覧下さい。収穫―脱穀―もみすり―精米したてのお米を、速攻で炊いてみましたよ。ジャーン! すでに涙でよく見えませんが、お米はツヤツヤに光り輝いています。感激、感謝などさまざまな思いが、お米一粒一粒かみしめるたびに、つぎからつぎへと込みあげてきます。
昔、祖母に「米」は八十八の手間がかかるから米と書くんだよと教えられたことをふと思い出して涙しました。想定したよりもはるかに栽培時間がかかったものの、どうにかここまでたどり着けて、達成感のせいなのか、やはり味は格別です。
うまーい!!!
お米はわたしたちの主食です。わたしたちはお米を食べてお米のいのちを生きる力に変えて生きるのです。不定期でしたがほぼ月1回の割合で連載してきた「バケツ稲レポート」ですが、今回自分で育てたいのちを食べたところでひとまず終わります。みなさんの生活にも身近な食であるお米が、もっともっと、身近に感じてもらえれば、わたしも、そして編集部もうれしく思います。そして来年はご自身で、ご家族やお友だちとバケツ稲作り、さらには本格的な稲作りにチャレンジしてみてはいかがでしょう。
長野県の土よ、長野県の太陽よ、長野県の水よ、長野県の空気よ。
約半年間、ほんとうにありがとうございました〜♪
(完)
過去記事:
バケツ稲づくり観察ノート 9月 歓喜実り編
バケツ稲づくり観察ノート 8月・見守る編
バケツ稲づくり観察ノート 7月・中干し編
バケツ稲づくり観察ノート 中ぼし・予告編
バケツ稲づくり観察ノート 6月移しかえ編
バケツ稲づくり観察ノート 5月の田植え編
バケツ稲づくり観察ノート 4月の芽だし編