米穀

長野県のおいしいお米の声を聞く旅●南信編

mr_kanou_a.jpg信州各地を巡り、おいしいお米の声を聞く旅もいよいよ最終回。最終回にふさわしい人たちをというわけで、南信州の地よりお米を中心に地域農業の展望に情熱と力を注ぐ農事組合法人「田原」にご登場願いました。農事組合法人「田原」の合言葉からまずは紹介しましょう。

「手を出せ ずく出せ 知恵を出せ それが出せなきゃ顔をだせ!」

なんとも力強い言葉ではありませんか。え? 「ずく」がわからない? ずくというのは「標準語」ではなく「信州語」です。信州では「面倒くさそうなことも面倒くさがらずにやる」のを「ずく」といいます。「ずくがある」「ずくを出せ」などとつかわれます。やらなくてはならないことをきっちりやることですね。

「うちらの作るものには」と農事組合法人「田原」の代表理事組合長の加納進さん(70)の声が聞こえてきます。「地域の美味しいお米を食べてもらいたい、地域の農業を守らなくていけない、次世代へ米を、そして農業をつなげてつなげていきたい、そんな想いが込められてるだよ」

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信州有数の米どころ
田原は、信州の南、そして伊那市の南に位置する東春近地区内にあります。同地区を管轄するJA上伊那は、なんといっても県内有数の米産地。南アルプスや中央アルプスの高い山々に囲まれ山々から流れる豊かな水を利用しおいしいお米が作られています。河岸段丘特有の変化に富んだ土地と、内陸特有の寒暖の差が、お米にも十二分な糖度を添えてくれるのです。また、内陸性気候が病気や害虫の発生を防ぎ、低農薬栽培を可能としてくれています。

JA上伊那全体の水田面積は7800haにのぼり、稲作付面積は5000haです。10aあたりの収量は、全国平均507kgのところJA上伊那は647kgもとれます。この数字から見ても、お米生産にとってもまさに恵まれた土地なのです。また、おいしさを表す「1等米比率」は、全国平均79%のところ、JA上伊那では98.9%と、美味しさも抜群に安定し、全国トップレベルです。(2006年データ統計:JA上伊那)

うちらにはずくがある
農事組合法人「田原」は、現在80名で構成され、米、麦、ねぎなどを栽培し、総農地面積は24.5haにのぼります。中心的に農作業をする人、農地を貸し出す人などそれぞれの役割を分担し協力のもと成り立っています。

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はじまりは、平成14年。国、地域農業構造改善緊急推進事業のモデル地区として認可を受けました。この恵まれた環境であっても「地域農業の元気がなくなり、このままじゃ農業そのものがダメになってしまう」との土地のみんなの想いからはじまったと加納組合長は振り返ります。

その後、幾度となく話し合いがもたれ、先進地視察等を繰り返し、農業を守るには、法人化が必要との結論に至りました。そして、平成16年10月に県内初の集落営農体として農事組合法人「田原」が誕生しました。

農事組合法人「田原」の中心は「米」。農地の中でも16haもの水田を力を合わせ栽培します。加納組合長さんに特徴を尋ねると「なによりも地域のみんなで農業を守るという気持ちがあることだね」と力強い返事。

天竜川の水の恵みも
土地について聞くと「土壌もいいが、米作りにかかせない水がいいんだよ」と顔をほころばせました。

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天竜川の東に位置する同地区は豊かな水が流れ、JA上伊那の中でも「川くだり米」と呼ばれるおいしいお米がとれる地区です。「だから、他の土地に比べも味にばらつきが少なく安心して食べてもらえるんだよ」と加納組合長は胸をはります。

そして「より安心なお米を食べてほしいから、減農薬には力をいれているんだ。県やJAの基準は当然。さらに、必要最低限の農薬で対応しているからね」と続けます。

現在は、隣接する宮田村と一緒に減農薬米に力を入れ、その味は神奈川県の消費者グループからお墨付きを頂き、大変好評だそうです。

JA上伊那全体でも、種子の消毒方法を、農薬を使わない温湯(おんとう)消毒を行なうなど年間通じ農薬使用回数を減らし、美味しく、環境にもやさしい米作りをすすめています。そればかりか、農業者全員が栽培管理記録簿をつけるようにし、安全で安心なお米の提供についとめています。

力の源はお米
今後の展望を加納組合長に聞くと「さらに安心して皆さんに食べてもらえるお米をつくりたいね。日本人の体にあっているのはお米。朝しっかりご飯を食べると力がわいてくるんだ。是非多くの方に信州の上伊那の米を食べてほしいね」と話してくれました。

元気の源はなんですかと聞くと「地域の農業を守りたい。みなで支えあうという気持ちかな。あとはね、やっぱりお米だよ」と笑顔に。

加納組合長が自信を持って作ったお米は、JA上伊那で取り扱っています。その美味しさの秘密のひとつが、保管施設のカントリーエレベーターでタネと同様の活力ある「もみ」のまま貯蔵し、注文に応じてからもみがらを取り除き出荷することにあります。だから、季節を通じて品質を保ち、「今ずり米」の美味しさが味わえるのです。

もちろん信州上伊那のお米がおいしい最大の理由は、加納組合長さんや地域の生産者が日々汗を流し情熱を注ぐからなのですが。

JA上伊那のお米のことなら
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TEL:0265‐72‐8833
FAX:0265‐72‐6107

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上伊那郡南箕輪村 神子柴8143-1
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Mail aji-ina@ina.nn-ja.or.jp

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農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。

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