米穀

金賞米生産者に聞く、おいしいお米の育て方

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新潟県との県境を接する飯山市と木島平村、この地域にJA北信州みゆきがあります。この地域は生産量こそ多いとは言えませんが、おいしいお米がとれる隠れた産地として知られています。それを証明するように、この数年全国のお米コンクールで数多くの入選を果たしています。 今年も宮城県で開催された国内最大の米コンクール「第15回米・食味分析鑑定コンクール 国際大会」では総合部門で上位40名のうち実に10名が当管内から入賞、さらにそのうち5名が金賞に選ばれました。 これほどの高い評価を得るおいしいお米はどうやって作られているのか、その秘訣を聞きたくて木島平村に住む竹内昭芳さん(40歳)と佐藤正市さん(59歳)を訪ねました。

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木島平村 田植え後の風景

ブナの原生林を水源とする恵まれた稲作環境
木島平村は、「高井富士」とも呼ばれる高社山(1351m)のふもと、標高約320m〜750mの間に広がる人口約5000人の農村です。村には「樽川(たるがわ)」や「馬曲川(まぐせがわ)」が流れ、緩やかな扇状地を形作っています。その水源は志賀高原の北、カヤの平高原に広がるブナの原生林です。

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木島平村 秋の風景

一帯は年間4か月ほどを雪に閉ざされる豪雪地帯で、生活するのには大変な苦労があります。しかしブナ林に降り積もったこの大量の雪が森で濾過され、おいしいお米を育んでいるのです。 この地域で収穫されたお米は江戸時代から寿司米としても用いられてきました。清らかで豊富な水と、昼夜の寒暖差など、米作りに適した環境のたまものでもあります。

一つひとつ、地道な作業を積み重ねて...
ー2年連続金賞受賞! 竹内昭芳さんー

とはいえ、もちろん環境だけで米作りが出来るわけではありません。作り手が磨きをかけてこそ環境が活かされるのです。  今回おじゃました竹内昭芳さん(40歳)の田んぼは、中山間地特有の複雑な地形に120枚ほども点在しています。

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竹内昭芳さんの田んぼ

その標高差は150mほどあり、圃場の広さも1枚1aから20aとさまざまで「田んぼを巡るだけでもひと苦労ですよ」と語る竹内さんは「野人帝国」と書かれた愛車の軽トラックで村内を掛け巡ります。

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竹内さんが今年収穫したお米(コシヒカリ)は昨年に続き2年連続で金賞を受賞。おいしい米作りの秘訣を伺うと「田植えをした後、稲を刈り取るまでの水の管理や草刈り、稲の観察をしながらの施肥など地味な作業の積み重ねです。うちは田んぼの枚数が多いから、時には面倒くさいなぁなんて思うこともありますよ。でもやはり、みなさんにはおいしいお米を食べてもらいたいですからね。稲を見ながら、天気と相談しながら、手を抜かずに、限られた時間の中でやっています」と熱を込めます。

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竹内さんの玄米

厳格なコンクールの基準をクリア
米・食味分析鑑定コンクールは、米・食味鑑定士協会(大阪府)の主催で、毎年、新米収穫後の11月に開催されています。第15回を数えた今年は国内外から全3,954検体が出品されました。審査は、3次まで行われ、2次までは機械を使って科学的に分析します。
20131225.jpg1次審査は「玄米」。水分をはじめ、含有量が少ないほどおいしいとされるタンパク質、アミロースや脂肪酸などを食味計で計測します。2次審査は、1次審査を通過した玄米を精米した「白米」を味度計での計測です。そして、最終審査は、2次審査を通過した白米を、洗米回数や浸水時間、炊飯器など同じ炊飯条件で炊いた「ごはん」を、米・食味鑑定士が官能審査して決定します。

「木島平米ブランド研究会」の安心・安全な取り組み
食糧管理法廃止(1995年)をきっかけに、全国の米産地ではブランド化が進められ、木島平村でも「木島平米ブランド研究会」が発足。村の施設で作る牛糞とキノコ栽培のおがくずなどを原料とした有機質堆肥を使うなど、地域をあげて安全・安心はもちろん、おいしい米作りへの取り組みを行っています。

金賞米作りの秘訣は......
ー2回目の金賞受賞! 竹内昭芳さんー

もうお一人お話を伺った佐藤正市さん(59歳)は、4年前の第11回米・食味分析鑑定コンクールに次いで2回目の金賞を受賞しました。

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村内にある8haの圃場で稲作をする佐藤さんは、「有機JAS規格」を取得しています。「適期の管理は大切にしていますが、基本的には楽しみながら米を作っています」と表情を緩めます。「秋には降水も多いので、稲刈りの後のはぜ掛けで乾燥させるには向かない地域。ですから完熟米を刈り取るようにしています」というのが持論。  佐藤さんのお米は今年、宮中行事のひとつ新嘗祭の献上米にも指定され「コンクールの金賞と並んで二重の喜びとなりました」。

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佐藤正市さんの献上米

北信州の長野県飯山エリアと、新潟県魚沼、群馬県沼田を結ぶ一帯はおいしい米が採れる"幻の三角地帯"とも称され、JA北信州みゆきのお米には「幻の米」の名前が付いています。木島平米ブランド研究会の中心で、土壌や堆肥など基礎作りに尽力してきた佐藤さんも今年のコンクールを振り返り「おいしいお米がとれる地域であることを実証できました」と話しています。

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佐藤さんの田んぼ
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佐藤さんの玄米

冷めてもなお旨みが!
竹内さんのお宅で、ガス釜で炊いているというご飯をいただきました。

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写真に湯気が写っていないのが残念ですが、ホカホカと立ち上る湯気からも、おいしさが伝わってくる香りで、噛むほどに甘みのある味わいでした。また、ご飯をラップに包んで持ち帰らせていただいたのですが、冷えたご飯にも旨みがありました。

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佐藤さんの献上米

木島平をはじめ北信州でとれたお米は「みゆき米」として購入することができます。大地と水の恵みが味わえるお米、ぜひ食べてみてください。
JA北信州みゆき「みゆき米」

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