花を飾るのはお好きですか? 部屋に花を飾っていると、気持ちに余裕ができてココロも綺麗になれるような気がするのは私だけでしょうか。今年はそんな「素敵女子を目指そう!」と、抱負を掲げ気合いが入るのも、新年ゆえなのでしょうか。
気軽に・長く・美しく、冬の室内を彩ってくれる多才な花をご紹介します。
美しいまま長く楽しめる♪
さて、特別なものに感じてしまいがちな花ですが、普段使いに楽しんでいただきたい花があるんです! それは、「アルストロメリア」。実は、長野県が生産量日本一(平成24年農林水産省統計)を誇る花なんです。1998年の長野冬季オリンピックでは、ビクトリーブーケにも用いられた長野県を代表する花です。
1本に数個の花がつく
アルストロメリアは種類が多く、産地である上伊那地域では約150種類ほど出荷しており、ピンク、紫、白など、いろいろな色を楽しめます。きちんと水につけておけば、寒い季節なら収獲から約1カ月も綺麗な花を観賞できることもあるんだとか。花持ちがいいのは、消費者にとって嬉しいですね。
アルストロメリアの一大産地へいってきました!
アルストロメリアがどのように生産されているのか、さっそく生産現場に潜入してみましょう! 長野県南部の伊那市や駒ケ根市を中心とする上伊那地域は、長野県の中でも特にアルストロメリアの生産が盛んな地域です。標高が高く晴天率の高い気候が、美しい花を育てます。
伊那市の花農家、酒井弘道さん(60)を訪ねました。
酒井さんは、約83aのハウスでアルストロメリアを栽培しています。最盛期は5月から12月ですが、ハウスの中で気温や土の温度管理をして、一年中出荷しています。「ん!? 土の温度管理?」ハウスの中で暖房をたいて、気温管理する方法は聞いたことがありますが、土の温度も管理できるのでしょうか?
「土の中にパイプを通して、夏は冷水を、冬は温水を流すことによって、土の温度を一定に保つようにしているんです」と酒井さん。綺麗なアルストロメリアを一年中楽しんでもらうために、こんな秘密があるんですね。
ハウス内の土の温度を調整するパイプ
1株で100本分のはたらき
切り花として出荷されるアルストロメリアですが、畑に来て驚いたのが、草丈の長さです。種類によって異なるそうですが、このハウスのものは150cmほどもあります。
朝のうちに収穫作業を終わらせるそうで、手際よく収獲作業が行われていました。収獲方法は、切り取り、抜き取りなど、いくつか方法があるそうですが、酒井さんのハウスでは抜き取り方法で収獲しています。花が色づいて開花をはじめたものを上から引っ張り、抜き取って収獲します。1株から、年間約100本の花が出てくるそうです。
生産現場を支える秘密兵器!
収獲した花は、専用のネットでやさしく包んで選花場へ運びます。
輪数(花の数)や茎の太さなどによって、規格ごとに分けます。そこで活躍するのが、この機械!
奥さんの奈緒美さん(55)が目で見て判断し、この機械を通して選別します。
余分な葉を取り除き、花が長持ちするよう水揚げをした後に箱詰めしますが、この箱にも秘密があります。
鮮度のいい状態で出荷できるように、花を水に浸して立てた状態で出荷します。
万が一横にされてしまった場合も水が漏れないように、このような仕切りをつけて工夫しています。色鮮やかで新鮮な花を届けるために、いろいろな工夫がされているんですね!
また、アルストロメリアは4年に一度株を掘り起こして、植え替え作業する必要があり、それは手間のかかる大変な作業だそうです。
日常、感謝、冠婚葬祭・・・
さまざまなシーンに生きる多才な花
酒井さんは、収穫した花を嬉しそうに見つめながら「いろいろな種類があるので冠婚葬祭や普段使いにも、どんどん使ってほしい」と、語ってくださいました。
いろいろな工夫によって、一年中楽しめるアルストロメリア。みなさんも、部屋に飾ったり、日ごろお世話になっているあの人の贈り物にしてみてはいかがでしょうか。