米穀

寒い季節にいいね!信州人のうどんの食べ方

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ーー信州人はコナモン好き

今やニューヨークっ子にも認知されているほど世界的になった信州の"おやき"。そのおやきに使われる小麦粉は、全国都道府県庁所在市(政令指定都市含む)家計調査によるランキング(出典:総務省「家計調査」)によると、長野市が購入量で1、2を争っています。
長野市を中心とする盆地・善光寺平から市西部の山間地域・西山地区は、かつて「一日一食は粉食」とされていたほど、昔から多くの小麦粉を消費していた地域です。小麦以外に大豆や雑穀などの栽培も盛んで、それらの食生活が長寿であることの一端を支えてきたとも考えられています。


コナモンを愛するあまり
あんなものまで天ぷらに!?

長野市周辺に暮らす人々の小麦粉好きは脈々と受け継がれ、わが身を思い返しても、小麦粉を水で溶き、畑に生えるニラを混ぜて薄く焼いた"ニラせんべい"をおやつ代わりとしていました(長野市以北では、刻んだナスと味噌を加えて焼いた"ナスせんべい"も)。また、水で溶いた小麦粉を野菜などにまとわせ油で揚げる"天ぷら"もよく食べていましたっけ。そのうえ、地域によっては甘いまんじゅうを揚げる"天ぷらまんじゅう"まで食べられています。

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主に県北部で食べられている「ニラせんべい」

さらに信州では、信州を代表する"そば"にも増して、小麦粉で作られる"うどん"が好きという人も多く、信州人にとってうどんは、そばと人気を二分するソウルフードなのです。

信州のうどんは奥が深い
実は、長野県内にはさまざまなうどんの食べ方があるのをご存知でしょうか? 幾つかご紹介しましょう。

肉も野菜も、具材たっぷり
「おぶっこ」「ぶっこみ」

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生の麺を煮込んだもの。野菜を入れた汁に麺を"ぶっこむ(ぶち込む)"ことから。小麦粉が溶けてトロミが加わった感じもまた良し。

温かいうどんといえば、やっぱりこれでしょ。
「煮込みうどん」

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生麺または茹でた麺をじっくり煮込んだもの。最もポピュラーな食べ方。

伝統はあるけど、汁はないことも・・・
「お煮かけ」

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茹でた麺に、野菜などの具と汁をかけたもの。地域によっては汁をかけないことも。

◇あわせて読みたい
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あるを尽くして、おもてなし
「おとうじ」

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あらかじめ茹でておいた麺を、食べる直前に"とうじかご"に入れ、野菜が入った汁で温めながら食べる。汁に麺を"投じる"ことから。"湯(とう)じる"の説も。

この辛さを甘くみてはいけない
「おしぼり」

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県北部の千曲市や坂城町の特産である"ねずみ大根"をすりおろした汁に、麺をつけて食べるもの。汗が出るほどの辛さだが、味噌などを加えることで食べやすくなる。

◇あわせて読みたい
・「ねずみ大根で"あまもっくら"を味わおう

あんこは特別な食べ物でした。
「七夕ほうとう」

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茹でたうどんを、甘いあんこで和えたもの。県中部の松本市近辺で食される。夏に食す変わり種。

◇あわせて読みたい
・「おり姫星と彦星に捧げるこの特別な食べもの

うどんがないとき、パパッとできる!
「すいとん」

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粉に水を含ませ、耳たぶほどの軟らかさにしたものを、野菜の入った汁にちぎって加え、煮込んだもの。「おつめり」「ひんのべ」とも呼ばれる。

太く長く幸せに・・・
ちなみにうどんは、一番細いものを「おとうじ」、次が「うどん」、幅の太くて短いものは「おぶっこ」とも言うそうですから、信州のうどんたちも、麺の太さからその呼び名がきているのかもしれません。
20140122udon09.jpgまた近年では「年明けうどん」という言葉も耳にするようになりましたが、西山地区の信州新町(現:長野市信州新町)では昔から、大晦日の夜中にそばを食べ、元日の朝食がうどん。お雑煮の登場は、ようやく正月の昼からと、一年の始まりにはうどんを食すそうです。うどん好きなのはもちろんですが、太くて長いうどんには「家族が長く幸せに生きられますように」との願いが込められ、縁起の良い食べ物とされてきたのでしょう。

湯気の先にある麺をハフハフとすすれば、体も心もホカホカに。寒い季節は特にこのうどんが恋しいものです。まだまだ寒い日が続きますが、熱々のうどんを食べて体も心も温まってくださいね。

◎一風変わったうどんが食べられるお店

 ・道の駅 中条(長野市中条)→おぶっこ

 ・やきもち家(長野市中条)→ぶっこみうどん

 ・小川の庄 大門店(長野市善光寺近辺)→おぶっこなど

 ・村の駅 つくし(長野市中条)→おぶっこなど

 ・かあさん家(東筑摩郡生坂村)→とうじうどんなど
  ◇あわせて読みたい
  「信州の郷土料理の伝統を守るかあさん家(ち)

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農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。

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