おやきやすいとん、うすやきなど信州には小麦粉を使った「粉もん」の食文化があります。南北に広い県内では、地域の気候風土に合った小麦の栽培が行われており、料理の用途に適した小麦粉が生産されています。長野県製粉協会(加盟は柄木田製粉株式会社と日穀製粉株式会社の2社)はこのほど、長野県産の地粉だけを使った乾麺「おいしい信州ふーど(風土)」の「信州うどん」と「信州そば」を開発しました。そば、うどん文化も長い信州。こだわりは味と食感です。2014年3月1日に長野県千曲市で開催する「信州粉もん祭り2014」では販売を予定しています。ぜひ長野県産小麦のおいしさを味わってみてください。
信州で栽培されている6種の小麦
日本で4番目に広い面積を持つ長野県。小麦の栽培に適していることもあって、県内では主な品種だけでも6銘柄の小麦を生産しています。小麦粉には、それぞれに特徴があり、配合によって、おやき用、すいとん用などとしても販売しています。
県内で栽培している6銘柄の特徴を簡単に紹介しましょう。
【ユメセイキ】
もち性でんぷん質が少し多く、モチモチした食感。うどん、すいとん、おやき、うすやきに最適。
【ハナマンテン】
超強力小麦で、ゆでても伸びにくい。パンやラーメン、パスタ、そばのつなぎ、おやきに適している。
【ゆめかおり】
硬質小麦でグルテンが多い。パン、ラーメン、パスタ、そばのつなぎ、おやき、クッキーにおすすめ。
【シラネコムギ】
力強い味わいでコシの強いうどんができる。地粉として生産量が多い。
【しゅんよう】
黄色みが強く、ソフトな弾力のうどんができる。その他の菓子にも使える。
【ゆめちから】
積雪地や寒冷地での栽培ができる。グルテンが強くパスタや中華麺、パンに適している。
信州の豊かな風土が育む
「おいしい信州ふーど(風土)」
「信州そば」と「信州うどん」に使用しているのは「ユメセイキ」と「ハナマンテン」「ゆめかおり」の3種類。長野県では、信州の豊かな風土から生まれた食べ物をフード(食べ物)と風土の2つの意味を持たせ「おいしい信州ふーど(風土)」と銘打って、地産地消の商品としてブランド化しています。
これには3つの基準があり、
1、信州産の食材にこだわる「プレミアム」なもの
2、長野県で開発された品種など「オリジナル」なもの
3、郷土料理や食文化で伝統的・地域固有的価値のある「ヘリテイジ」があるもの
とされています。
うどんの弾力、そばの風味
それぞれのこだわりが生きる
そこで、長野県製粉協会が開発したのが、乾麺の「信州そば」と「信州うどん」でした。
開発に携わった柄木田製粉株式会社の取締役・宮崎充朗さんは「最もこだわったのは味と食感。長野県産の原料の良さを生かすため、うどんは弾力とボリューム感、そばは歯切れの良さと甘みにこだわりました」と話します。
「信州うどん」にはユメセイキとハナマンテンを使い、生うどんのようにモチモチとした食感を出す工夫をし、「信州そば」は風味を大切にするため信州産の新そばを使い、つなぎにハナマンテンとゆめかおりを使用。
信州を代表する味わいを出すために「粉の配合割合を出すことに多くの時間をかけました」と苦労を振り返ります。
「信州うどん」の茹で時間は、かけうどんなら約8分、ざるなら約10分。温かいうどんの場合も茹でてから1度水で締めてから食べると持ち味の弾力が味わえます。
「信州そば」の茹で時間は約5分。風味のあるそばが楽しめます。
お土産、ギフト用に開発した商品で、販売は信州そば(200g×2袋)、信州うどん(200g×2袋)計4袋の詰め合わせです。標準小売価格は1500円(税別)です。
信州の食文化に触れる
「信州粉もん祭り2014」
そして、試食ができる「信州粉もん祭り2014〜地粉で四季の食を創ろう〜」は、2014年3月1日10時30分〜15時30分まで、JAちくま本所(千曲市鋳物師屋200)で開催します。信州そば・うどんの販売のほか、「粉もん料理メニューコンテスト」の発表なども行いますので、信州の粉もん文化をぜひ楽しんでみてください。
■問い合わせ
長野県製粉協会(柄木田製粉)
TEL:026-292-0890