クセがなく、ほんのり甘い。
今、「アスパラ菜」の評判がジワジワと上昇してきております。
特に、若い主婦の間で人気が出てきており、直売所では連日ほぼ完売の状態なんです。
今回はそんなアスパラ菜について取材してきました。
アスパラ菜のハウスへ行ってきました!
やってきたのは長野市稲里町。ここは江戸時代、広大な田んぼが広がっていたことから広田村と呼ばれていましたが、近隣の村同士で合併。稲作が盛んだったことから合併後の名称を稲里町と変更しました。農業者の減少等で、現在はかつてほどの広大な田んぼは存在しませんが、先代の思いはしっかりと現在の農業者達に受け継がれており、日々、安全安心なおいしい農産物を消費者のもとに届けています。
アスパラ菜の生産者・菅沼順一さん
今回取材したアスパラ菜のハウスは、辺り一面に広がる田んぼの中にぽつんと位置していました。
すぐ後ろには中学校があり、時々聞こえてくる生徒達の笑い声に編集委員Fは、なにかほっこりとした温かい気持ちになれました。
のどかな田園地帯にあるアスパラ菜のハウス
そもそもアスパラ菜とは
アスパラ菜とは、中国野菜の「菜心(さいしん)」と「紅菜苔(こうさいたい)」という品種をこう配して育成した新しい品種であり、アスパラガスとは全く違うものなんです。見た目は、菜の花に似ています。ではなぜ、アスパラ菜と呼ばれているのでしょうか。
それは、食べた時の風味や、葉茎の歯ごたえがアスパラガスとよく似ていることから、一般的に呼ばれるようになったということです。「オータムポエム」という品種名で表示されることもあります。
アスパラ菜は、30cmごとに「千鳥植え」といわれる技法で苗を入れ、あとは一般的な水やりで大部分は栽培できます。
比較的簡単に栽培できるのも魅力
ホウレンソウや小松菜の場合、種をまき、生育して収穫すれば、そこで1株が終わってしまいます。それに対してアスパラ菜の場合は、生育した菜の真ん中の茎を切ることで横芽を出し、横芽から生えてくる枝芽を収穫します。
その作業を繰り返し行うことで1つの種でおよそ3か月間収穫できるといわれています。
横芽が生えてくるので約3か月間収穫できる
若い主婦に人気の秘密は・・・
アスパラ菜は、ほかの葉もの野菜のように簡単に食べられるのが特徴。また、アクが少なくほのかな甘味も含んでいることから「おひたし」「炒め物」「パスタ」「煮物」など、なんにでも合うのが主婦の方々から親しまれる所以です。今回取材協力してくれた生産者の菅沼順一さんは、アスパラ菜を湯がいて、すぐからし醤油につけて食べるのがおすすめだそうです。ぜひ試してみて下さい。
保管方法は一度湯がいてからラップにくるんで冷蔵庫で保存するのがベスト。
特に避けたいのは、生のまま冷蔵庫に保管すること。水分が抜けて味が落ちてしまうのでご注意ください。
生産者・菅沼順一さんが語る
アスパラ菜の魅力
「他の菜と比べてみれば分かると思うけど、アスパラ菜を食べて感じるのは『うまい!』の一言だと思う。ぜひご家庭で様々な食べ方を楽しんでもらいたい。また、アスパラ菜は栽培方法が簡単で、家庭でもプランターに種をまき、ポールを作ってビニールをおおえば誰でもできます。1つの種で何度も収穫でき、栽培していて楽しいという感覚を持ってもらえると思うのでやってみてほしい」
アスパラガスの栽培はなかなか大変ですが、アスパラ菜ならばチャレンジできそうですね。この春は、アスパラ菜のプランター栽培で、食卓に彩りを添えてみませんか。