長野県ではアスパラガスの生産が盛んです。県内では、おもに3月から9月にかけて出荷されます。
春先に収穫される「春アスパラ」は色が濃くて柔らかく、甘みが強いのが特徴。6月から9月に収穫する「夏アスパラ」は色が薄く、すっきりとした味わいになります。
今回はアスパラガス栽培や、おいしいアスパラガスの選び方・食べ方などをご紹介します。
県内トップのアスパラ産地、JA上伊那のこだわり
長野県の南部に位置するJA上伊那(構成市町村は伊那市、 駒ヶ根市、 辰野町、 箕輪町、 飯島町、 南箕輪村、 中川村、 宮田村)管内は、長野県産アスパラガスの約30%が生産され、出荷量は県内トップです。
伊那市にある株式会社 JA菜園のアスパラ農園を訪れました。こちらでは17名で白ネギやアスパラガス、ブロッコリー、トマト、りんご苗木を栽培しています。アスパラガスは90aの農地で栽培しています。
同園の取締役・伊藤 将史(いとう・まさし)さんに話をうかがいました。伊藤さんはアスパラ栽培歴11年目のベテランです。
「上伊那は水が豊富で、栽培にたくさんの水が必要なアスパラに適した土地です。40年ほど前からアスパラが栽培されています。水やりがしやすいように地下の配管などの整備もされているんですよ」(伊藤さん、以下同)
アスパラガスを収穫する伊藤 将史さん
取材当日(2023年4月18日)は、アスパラガスの収穫から選別作業の様子を見せていただきました。
アスパラガスは、28㎝以上に育ったものを「アスパラ鎌」という専用の鎌で長さをはかりながら収穫します。アスパラ鎌はJAの資材店で販売しています。
取材時はちょうど収穫が終わるころで、小さなアスパラガスしか残っていませんでした
収穫したアスパラガスは選別機で根本をカット&重さごとに選別し、JA上伊那に出荷します。
「農家ごとに選別して出荷したアスパラを、さらにJA上伊那で選別します。2度の選別をすることで安定した品質のアスパラを出荷することができますし、産地のブランド化につながります」
農家おすすめ!アスパラの選び方・食べ方・保存方法
「穂先がしまっていて、しなびて(しわしわして)いない、ツヤがあるものがおすすめです」
「春アスパラは甘みが強いので、2~3分ゆでたものをシンプルな味つけで食べるのがおすすめです。細いのも太いのも、アスパラの根元の皮はかたいので皮をむくといいです」
根本のかたい皮はむくと食べやすい
ゆでたアスパラガスは、塩やマヨネーズなどシンプルな味つけがおすすめです
「アスパラは収穫後、鮮度がどんどん落ちるので、購入したらすぐに食べることをおすすめします。アスパラは光に向かって伸びるので、保存する場合はビニール袋に入れて、冷蔵庫の中に立てて保存してください」
以上を参考にして、旬のアスパラガスをおいしく食べましょう。