リンゴの原産地はコーカサス地方。4000年前にはすでに民族大移動でヨーロッパに広がっていました。当時のリンゴは小果で、果実酒の材料に用いられました。このリンゴがアジア大陸の東の古代中国に伝わるのは6世紀「隋(ずい)」の時代。
リンゴの木にはたくさんの鳥もが集まり、鳥類を「禽(きん)」と呼んだことから、林に鳥を集めるものとして「林檎(りんきん)」と命名されたといいます。このリンキンが日本にもたらされるのは「唐」の時代になってから。当時の日本人はなぜか「リンキン」という響きを嫌って「利宇古宇(りうごう)」と表現したのです。この「りうごう」がなまって「りんご」になったとされます。
かつて「和りんご(ワリンゴ)」と呼ばれる果実の小さい酸味の強いりんごがあり、これが「りうごう」であったらしく、大正時代頃まで一定の地域で栽培されていたとのことです。
現在、りんごと言われるのは大果の「西洋りんご」です。こちらは、明治のはじめに文明開化と共にアメリカからもたらされた品種です。信州に西洋りんごが導入されて約130年。その間に日本に入ってきたりんごの品種は1,000種類を超えると言われます。
さてそこで、たくさんある品種の中から、今回は現在出荷が真っ最中の中生種(チュウセイシュ)の品種、とくに「りんご3兄弟」についてご紹介をばいたしましょう。
りんごの中生種とは
りんごの品種は、収穫の早い順に大きく分けて早生、中生、晩生の3種類に分類されます。早生種のりんごは、花の満開日から収穫までおおむね120日以内、同様に中生種は150日以内、晩生種は150日以上とされています。
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秋映(あきばえ)Akibae |
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シナノスイート Shinano sweet |
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シナノゴールド Shinano gold |
信州産りんごの代表的中生種は、だいたい9月中旬から10月下旬に出荷される紅玉(こうぎょく)、ジョナゴールド、千秋(せんしゅう)、そして最近では「りんご3兄弟」と呼ばれる秋映(あきばえ)、シナノスイート、シナノゴールドなどがあります。この3兄弟は、少しでもバラエティー豊なりんごの味を楽しんでいただくために育成された品種なのです。
りんごは新しく品種が誕生するのに最低でも20年はかかるといわれています。そのような試練を経て「シナノスイート」「秋映」「シナノゴールド」が生まれました。
シナノスイートはふじにつがるを交配した長野県オリジナル品種で、赤〜濃赤色で、果肉は黄白色でジューシーなのが特徴です。この品種は育成選抜の途中で危うく淘汰しかかった経過もあったのですが、試験場にいたある学生の「甘いから選抜に残してください」との意見があったため、かろうじて選抜に残ったとのエピソードがある品種です。それがいまや、高い人気を得ています。
秋映は千秋とつがるから生まれた、濃赤〜暗赤色で、果肉は黄白色で硬めで果汁が多いのが特徴です。
シナノゴールドはゴールデンデリシャスに千秋を交配して育成された長野県オリジナル品種。この品種は玄人好みとも言われ、長野県を訪れる外国人にもすこぶる評判が良いのです。
このようにさまざまな歴史を背負って生まれたりんごの品種を、今が旬のこの時期にこそ、たくさんご堪能ください。
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