記録的な暑さの8月が過ぎ、9月の声を聞いて、秋も段々気配を濃くしてきました。
台風9号の上陸で被害を受けた皆さまにはお見舞い申しあげます。
長野もこの季節から一年で最もバラエティーに富んだ味覚のスタート時期になります。今回は種類のたくさんある長野のぶどうの中からトップバッターとして「ピオーネ」をご紹介しましょう。
強い甘味と爽やかな酸味が特徴
ピオーネはイタリア語で「開拓者(パイオニア)」という意味。今から半世紀ほど前に日本で開発された品種です。巨峰とカノンホールマスカットの2品種を交配して1957年に生まれました。巨峰と同じ黒ぶどうです。色は透明度のある紫黒色。強い甘味と爽やかな酸味を持つのが特徴です。
現在、長野県で栽培されるぶどうでは、巨峰が全体の約75%ほどを占めますが、より一層の消費者の嗜好を受けて、今後は、品種の多様化を図っていこうとしています。そのための期待を背負っている品種のひとつがこの「ピオーネ」です。
種無しの大粒品種(一粒で4センチほどあるものもある)で皮は剥いて食べるのが特徴。県内では長野県の真ん中、松本、塩尻地区や東部に位置する坂城(さかき)地区が主力の産地でしたが、今では全県的に増加傾向にあります。
長野の冷涼な気候を生かして色あがりの良い、糖度と酸味のバランスのとれたおいしいぶどうを目指して、生産農家は日々、栽培に心をこめています。立地条件を十二分に生かしたおいしい長野の「ピオーネ」の味を、まずは存分にお楽しみください。
長野の秋がいよいよはじまります。