プルッと弾力がある実を生で食べる醍醐味! プルーンというと、ドライにしたものやジャムを思い浮かべますよね。「生で食べる」なんていったら、驚く人もおられるかもしれません。しかし、今年はだまされたと思って、青紫色の、プルプルと実った長野県産のプルーンを生で皮ごと丸かじりしてみてください。爽やか! 甘さと酸味のバランスがよくジューシー! たっぷりな食べごたえ! 「ええっ! プルーンってこんなに美味しいフルーツだったっけ!?」と見直すはずですよ。
長野県のプルーンの歴史
プルーンはプラムの一種でヨーロッパスモモのことをいいます。原産地ははっきりしませんが、アジア西部(黒海とカスピ海にはさまれたコーカサス山脈のふもと)といわれています。長野県での歴史は、大正10年に長野県農事試験場果樹試験地の設置に伴い、「フレンチ」「ハンガリアン」「トレジディ」などが導入され、試作栽培されたのがはじまりといわれています。また、最初に産地形成が行われた臼田町の土屋喜八郎氏が昭和40年に日本スモモの台木に、地元にあった西洋スモモの在来種を接ぎ(昭和54年にサンプルーンの名称となる)、自家用として庭先や畑の隅に栽培したのがはじまりです。当時は知名度や栽培技術がなかったが、同47年に女性週刊誌にプルーンが健康によいとの記事が掲載され、同町の岩松昭成氏や佐久町の中島英明氏などに苗木を分けたのをきっかけに、プルーン栽培の素地ができていきました。現在は、臼田町・佐久穂町・佐久市を中心とした佐久地区と長野市川中島町を中心とした長野地区で栽培が行われています。
プルーンの日本一は長野県
長野県はプルーンの生産量全国一。佐久穂町・佐久市・長野市が主な産地で、生産量は1950トン、栽培面積304ha(平成16年)。プルーンといってもたくさんの種類があり、佐久地区で一番早く収穫されるのはちょっと酸っぱい「アーリーリバー」(7月下旬)。8月にはいると、ツアー・グランドプライズ、9月には、スタンレイ・サンプルーン・プレジデントと続く。特に、「サンプルーン」は臼田町で誕生したプルーンで、全体の6割近くを占める。甘酸っぱくて、とっても爽やかな味です。
プルーンは栄養の宝庫
さて、このプルーンの甘い果実は、健康に欠かせないミネラルや栄養素の宝庫。カリウム、カルシウム、ビタミンA・Bが豊富で、肩こりや食欲の増進、疲労回復などに効果があります。また鉄分も多いので、貧血気味の人にはうれしい果物です。さらに良質の繊維分をたっぷり含んでいますから、便秘の解消にも大変効果があります。女性にはおすすめの、まさに美容と健康に最適な「ミラクルフルーツ」なのです。
プルーンの旬はもうすぐ!
佐久地区のプルーンは、5月に真っ白な花が咲き、青かった実はうっすらと赤く色づき始めています。次第に果皮は青紫色になり、果肉はアメ色、皮ごとかぶりつくと、たっぷり甘くてほろ酸っぱい汁が滴る。プルーンの表面につく白い粉は、「ブルーム」といって、新鮮さを保ち、日持ちを良くする働きをする。プルーンは生食が一番!干しプルーンとは一味ちがった、この時期にしか味わえない生の新鮮な美味しさをぜひお試しください。また、プルーンが旬の時に、「ジャム」や「ぽたぽた煮」など作っておくと年中楽しむことができます。
プルーンジャムの作り方
[材料]プルーン500g・砂糖200?250g・レモン大さじ1
半分に切り種子を取る。レモン大さじ1をかけ、手でつぶす。
4?5分煮る。砂糖を半分加え、さらに4?5分煮て
残りの砂糖を入れ、煮詰める。
*砂糖を加えると焦げやすいので十分注意する。
*お好みで皮をむいたり、ミキサーなどでつぶしてください。