白桃、黄金桃、ぶどう、早生りんご…、果樹王国・信州は、フルーツ三昧の毎日です。
さて、ここで忘れてはいけないのが「プルーン」。
信州人でも「生プルーンを食べたことがない」「プルーンって生で食べられるの?」と言う方もいらっしゃるようで…(´Д⊂グスン...
知らないという方には、この機会にぜひっ覚えていただきたい! 日本一の生産量を誇る信州のプルーンについて、最近の新品種事情も交えて調査します。
プルーンを育てる76歳。シャキッとハツラツのヒミツは?
大型のビニール屋根による雨よけ栽培
やってきたのはプルーン栽培発祥の地、佐久市。稲作の盛んな佐久らしい田園風景が広がっています。JA佐久浅間プルーン専門部副部長の小山茂太さんは、先代より受け継いだ圃場と、地域住民に頼まれて拡大してきた圃場で、プルーン生産に励むこと25年。
取材当日は台風接近がささやかれ、生憎の雨天でしたが、小山さんの畑は大きなパイプでしっかり組まれた大型のビニール屋根があり、傘いらず!
「ひとりで屋根に登ってビニールかけるんだ。これが一番大変かも」と笑う小山さん。細身でブルージーンズが良く似合うダンディな方ですが、なんと「御年76歳」というから驚きです!
シャキッとハツラツな雰囲気から(20歳は若く見える~っ)と、心の声が思わずモレた編集部員に、これまた「アッハッハ」と軽やかに笑う小山さん。いや、もうホントにお見事です!
9月が旬のサンプルーンの様子をチェックする小山茂太さん
太い幹や大きな葉で木は強いのですが、実は繊細なプルーン。雨にあたると実の軸に近い部分がパックリ割れてしまうので、ビニール屋根を利用した「雨よけ栽培」を行います。
直接雨に当てないよう、木全体を屋根で覆うことで、時間との戦いでもある収穫時も、天候に左右されず自己管理できる点も良いのだそう。そうそう、根元には適度な湿気を保つための稲わら・もみがらが敷かれていて、雑草予防にも効果テキメン!
圃場には適度な湿度と雑草防除の稲わらやもみ殻が敷かれている
【プルーン豆知識】昭和初め、軽井沢に来た外国人宣教師によって日本ではじめてプルーンが植えられた。その後、土屋喜八郎氏が、旧臼田町にある自宅の庭に接木して栽培がスタートし、広がった。
バラの名前みたいなキュートな品種名も♪
ローブドサージェンの木
ハウスの中には、樹形や葉、実の色や大きさの違うプルーンの木が整然と並んでいます。収穫時期はもちろん、果実の大きさや味(酸味・甘み)・食感(弾力)など市場や消費者の皆さんの要望によって、品種改良が活発に進み、小山さんも現在、8種類30本のプルーンを栽培しています。
木によって、適果方法などが違い、自然に落ちるために摘果がいらない品種もあれば、枝10cmに2果のみ残して摘果する品種もあります。「手がかかることもありますが、食べた人が喜んでくれるならいろいろ試したいです」と小山さん。
10cm間隔に2果の摘果が必要なオータムキュート
サンプルーンの生理落果(核果類にはすべてあり)。自然に不要の実を落とす
小山さんが生産しているプルーン【一部】
収穫時期 |
品種名 |
特長 |
8月中下旬 |
ローブドサージェン |
実が大きく食感良い。旬の走りを楽しめる
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9月上中旬 |
くらしま |
大きめで食味が良い
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9月中旬 |
サンプルーン |
小粒ながら甘みと酸味のバランスが良い
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9月下旬~10月上旬 |
プレジデント |
実が大きく1玉100gとなることもある。酸味が強い。贈答用としても人気(写真はまだ青いもの)
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10月下旬 |
オータムキュート |
長野県オリジナル品種。大きめで酸・甘みが強く濃厚な味。プレジデントのライバル種
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なかでも最近の人気は、長野県オリジナル品種のオータムキュートとサマーキュート(小山さんは生産していません)だそう。実が大きく甘みが強いこと、種離れの良さも受けています。
佐久地域で命名され、初めて産地化に取り組んだ「サンプルーン」も根強い人気で、小山さんも「味が一番好き」と言うほど。小粒ながら酸味と甘みのバランスがGOOD☆ なんです。
「プルーンの旬は10日間ほどと短く、生食はこの時期だけ。ぜひ食べて、好みの味を見つけてほしい」と小山さん。
長野県オリジナル品種のサマーキュートは8月末まで
おいしさの見極めは「一目瞭然」
取材時の8月下旬に食べ頃だったローブドサージェン
今回、収穫したのは、ローブドサージェンです。軸が取れないよう、また実の表面全体についている白い粉(ブルーム)をこすってとらないよう、そっともぎます。簡単にとれますが、軸も一緒にとれやすいので注意が必要です。
「軸がとれると商品価値がグンと下がる」と小山さん。軸があると見栄えがよくなり、鮮度がわかりやすい、という利点があるんです。
また、表面の白い粉(ブルーム)は、消毒でも外からの付着物でもなく、果実自身が出すもので、これによって乾燥を防ぎ糖度を保つ、ひいては新鮮さが保たれる優れモノ。まさにおいしさのヒミツともいえます。
食べる直前までブルームがついているほうが、よりおいしく食べられる、ということなんですね。そのため小山さんは、お宝鑑定をするかのごとく、白手袋着用で収穫作業を行います。
収穫はへたを残し、ブルーム(白い粉)を落とさないよう手袋着用
うれしい変化が起きる!? 奇跡の果実
では、お待ちかね。小山さん自慢のプルーンをいただきま~す♪
大口でかぶりつきたいところですが、実の中央に2~3cmほどのラグビーボール型の硬い種がありますので、くれぐれもご注意を!
プルーンは皮ごといただくのが基本です。皮と実の間は一番栄養があっておいしいところ、ともいわれています。さらに「軸の近くがキュッっとしまっているものがおいしい」と小山さん。
歯ごたえと、酸みと甘みのバランスが好きな方は、かたいうちに。甘くてしっとりほのかな酸みが好きな方は、少しやわらかくなってから。お好みでどうぞ。
完熟好きの方には、かなりやわらかくなって軸の周りにしわがよるくらいがおすすめです。熟成された甘みが口いっぱいに広がります。熟度による味わいの変化もお楽しみください。
JA佐久浅間プルーン専門部副部長の小山茂太さん
「プルーンは女性の味方だよ」と笑う小山さん。ビタミンや鉄分・カリウム・カルシウムなどが多く含まれ、そのうえ食物繊維もたっぷり。人によっては、食べ過ぎ注意なほど快便に。しかも脂肪・コレステロールがゼロ。まさに奇跡の果実、ミラクルな健康食品ですね☆
新たに若い木も植え、ますます意欲的な小山さん。その若さに現れるとおり、アンチエイジング効果も期待して、またひとつ、もうひとつと手がのびてしまう編集部員でした。
夏の疲れも吹き飛ばすプルーン、ぜひお試しあれ☆
小山さんの好きなサンプルーンの木
JA佐久浅間
プルーンの販売ページ