プルーン。西欧では「ミラクル・フルーツ(奇跡の果実)」といわれるくらい栄養満点の果実。少し前までは日本では「西洋スモモ」なんて呼ばれていましたが、今では「プルーン」という呼び名も定着しました。乾したものや、ジャム、ペーストばかりでなく、プルーンは7月の中旬から9月までが、生のまま食べられる旬の季節です。そして、長野県は全国一のプルーンの産地。ぜひこのシーズンに、フレッシュで栄養豊富な長野県産プルーンの生果実を味わってみてください。
長野県はプルーンの本場
国内でのプルーンの収穫量は、3,104トン(平成16年産)。そのうち長野県が1,950トンと6割以上を占めます。ちなみに第2位は青森県の596トン、北海道の307トンと続きます。関東農政局長野農政事務所が最近まとめた平成17年産の長野県のプルーンの生産状況は、栽培面積で293ヘクタール、結果樹面積(実がなるようになった成木による栽培面積)で265ヘクタール、生産量が2,160トン、出荷量が1,930トンとなっています。県内の主な産地は長野市(597トン)、佐久市(477トン)、須坂市(240トン)です。(カッコ内はいずれも平成17年産収穫量)
スモモ、プルーン、プラム
プルーンというのは正確には「ドメスチカスモモ」のうちで乾果に適する品種群をさしますが、一般的にはドメスチカスモモ全体をプルーンと呼んでいます。名前でわかるように、スモモ(プラム)の一種です。プラムにはヨーロッパ系、アジア系、北アメリカ系があり、ドメスチカスモモはヨーロッパスモモ(European plums)の一種です。ちなみに、ニホンスモモは、アジア系のプラムになります。ちなみに、モモよりも一回り小さくて酸味があることから日本のプラムは「スモモ」と呼ばれていました。
原産地は、長寿地帯とされるコーカサス地方と言われており、東欧や北米を中心に欧米で広く生産栽培されています。日本へは明治以降導入されましたが、実が熟して雨にあたると裂果(実が割れる現象)をしやすいことから、ほとんど栽培がされませんでした。しかし、栄養価が高いために健康食品として注目されるようになり、優良品種の開発や雨よけなどの施設化をすることで、栽培を増やして来ました。
長野県で有名なプルーンの品種
プルーンは品種によって早生(長野県で7月中下旬)、中生(8月)、晩生(9月)に分類され、収穫時期が異なります。また、最近は裂果しにくい品種も開発され、雨よけ栽培をしないケースも増えています。
長野県で有名な品種は「サンプルーン」。当時の南佐久郡臼田町(現在の佐久市)で選抜され、昭和54年に県と当時のJA長野経済連(現在のJA全農長野)と生産者代表によって命名されたもので、糖度の高い生食向きの品種です。 また「くらしまプルーン」は、長野市の倉島貞子さんが「ローブドサージェン」と「プレジデント」を交配した実生から選抜、育成した品種です。果実が大きく、着色は黒紫色で、裂果が少ない品種です。
プルーンの品種については、松本市にあるニッポン緑産のWebサイトで「プロのための果樹苗木」からプルーンのページを開くと写真入りで解説されています。
プルーンの血液サラサラ効果
JA全農長野は、昨年11月、プルーンに血液サラサラ効果があるとの研究成果を公開しました。長野女子短期大学と全農長野県本部の研究開発機関である(社)長野県農村工業研究所が共同で進めてきた「プルーンの血液サラサラ効果に関する研究」の成果を、平成17年11月17〜18日に京都府立医科大学で開かれた第12回日本ヘモレオロジー学会で「プルーン果実による血液流動性の改善作用」として発表したものです。長野県産のプルーンを用いて健康の指標とされる毛細血管における血液流動性いわゆる血液のサラサラ効果について検討し、機能性成分や栄養成分を多く含むプルーンの血液流動性の改善効果が示されたのです。
プルーンのことをもっと知りたいとき
「長野県のおいしい食べ方」アーカイブ「ミラクルフルーツプルーンの季節」(2005年7月)
プルーンの栄養素や健康効果についてなら医学・健康情報サイト「J−Medical」プルーンのページ(プルーンの栄養素や健康効果)