小さな果実に手間ひまかけて
やってきたのは長野県北部、須坂市の鈴木康博さんのプルーン農園。
鈴木さんはブドウ、りんご、プルーンを栽培する果樹農家で、20年にわたりプルーンを栽培しています。
プルーンは比較的栽培の手間がかからないことから、鈴木さんは最近プルーンの栽培面積を増やしているのだそう。
「たとえば、果実を間引く摘果作業の場合は、りんごは枝に残る果実を1~2個くらいにしないといけませんが、プルーンは実の間隔を3~5cmあける程度に摘果すればいいので、りんごにくらべると楽ですよ」と鈴木さん。
そう聞くと、すべてが楽なように思えてしまいますが、そんなに甘くありません。プルーンで大変なのは収穫だそうです。
大変な理由は主に2つあります。
1つ目は、プルーンは見た目で完熟を判断するのが難しいことです。
未完熟(左)と完熟の「くらしま早生」
こちらは鈴木さんイチオシの「くらしま早生」という品種です。左は未完熟、右は完熟です。「くらしま早生」という品種は完熟するとヘタのほうにしわができるのが特徴ですが、品種によってはしわができないものもあります。
このように並べてみるとわかりやすいかもしれませんが、木の下に立っていざ収穫するとなると、完熟・未完熟の違いが見た目では全然わかりません。
木の下から見たプルーンの様子
見た目でわからなかったらどうやって判断するのでしょうか。
たわわに実ったプルーンを一つひとつ手で優しく触って確かめているそうです。
触れてみると、未完熟のものは固く、完熟のものは硬めのスポンジのような弾力がありました。
鈴木さんは「一番おいしいプルーンを食べてほしい」という思いから、完熟プルーンを出荷するというこだわりを持っています。
それぞれ試食させていただいたところ、未完熟プルーンはシャリッとした触感で酸っぱい味。その一方で、完熟プルーンは「ぷちゅん」とした触感で、甘味・酸味ともにしっかり味わえ、濃厚な甘酸っぱさを感じました。すごくおいしい!!!