岩垂聡さんと奥様の文子さん
朝6時。辺り一面に広がるのはレタス畑。 やってきたのは塩尻市洗馬(せば)の岩垂地区にある、岩垂聡さんのレタス畑です。 レタスには「春レタス」と「秋レタス」があります。塩尻市洗馬では涼しい気候を生かして、全国より早めの8、9月に秋レタスが収穫されます。
スーパーでは一年中見られるレタス。どのように収穫されているかご存知ですか? 文子さんに収穫の仕方を教えていただきました。
こちらの「レタス包丁」を使って収穫します。先端部分も切れるのが特徴です。
まずはレタスの根元を包丁の先端でザクリと差し、横の刃で余分な葉や芯を落とします。(写真上) 仕上げに芯から出たミルク(乳液)を洗い流して箱に詰めたら終了です。
収穫体験させていただきましたが、レタスの根元がわかりづらいのと、強く持つとレタスの葉が破れてしまったり、となかなか難しい...。
嫁いでからレタス栽培を始めたという文子さん。その歴は32年ほど。 「最初は大変だったけど、慣れたら大丈夫」と、一個5秒ほどですばやく収穫していきました。
レタスの収穫は朝2~3時からヘッドライトをつけて行っているそうです。なぜこんなに朝早いのかというと、レタス畑には果樹のように日差しを遮るものがないため、暑くなる前の早朝から収穫を始めているとのことでした。
朝6時では涼しく過ごしやすかったのですが、7時になると日差しがでてきて暑く感じました。これは確かに日中の作業は大変そうです。普段食卓に並ぶレタスのありがたさを感じますね。
このトラック一台分を朝のうちに収穫する
岩垂さんにおいしいレタスの見分け方をお聞きすると、「芯に弾力があると青臭さが少なく甘い」とのことでした。 レタスの芯を触ってみると、カチコチのものから若干の弾力のあるものまでありました。 芯に弾力のあるレタスを試食させていただいたところ、たしかに青臭さがない! レタス独特のさわやかな味がした後に、ほんのりと甘味が感じられました。ドレッシングがなくてもレタスの味だけでモグモグ食べられるくらいおいしかったです。
岩垂さん曰く、「洗馬では日中の寒暖差が大きいことから、レタスの味が濃く、甘味が強いのが特徴です。よく春レタスのほうが甘いといわれますが、自分には秋レタスも同じくらいおいしく感じます」とのことでした。ちなみに、レタスは冷蔵保存で3、4日くらいが保存の目安だそうです。
岩垂さんの大好きな食べ方は、ジンギスカンをレタスで巻いて食べることだそうです。 洗馬ではジンギスカンがよく食べられるそうで、レタス農家さんも収穫後のご褒美によくジンギスカンを食べているとか。焼肉といったらビールのイメージですが、塩尻市はワイン生産が盛んなのでワインと合わせることも多いそうです。ちなみに、レタスを生で食べる場合は、包丁を使わずに手でさくほうがレタスの細胞を傷つけないのでおいしいそうです。
レタスというとサラダなど生で食べるイメージが強いですが、レタスがたっぷり食べられる料理はたくさんあります。文子さんにお聞きしたおすすめ料理を2つ紹介します。 1つ目は、「レタスのマヨ炒め」。 作り方は簡単。熱したフライパンに切ったレタスを入れてお好みの量のマヨネーズを入れ、炒めます。
レタスは油との相性が抜群。レタス独特の苦味が消えて、甘味をより感じられます。 見た目はしなっとしていますが、シャキシャキの食感もしっかり楽しめます。 ベーコンやウインナーを入れてもおいしいです。朝食におすすめ!
2つ目は、「レタス入りつくね汁」。 沸騰させた鶏ガラベースのつくね汁に、切ったレタスを入れ、予熱でレタスに火を入れます。汁物にネギを入れる感覚でレタスを入れるそうです。 鶏ガラだけでなく味噌汁などいろいろな汁物とも相性がいいとか。 野菜嫌いのお子様にはしっかり煮込んであげると食べやすいそうです。
レタスにはリラックス効果があるといわれています。 穏やかで優しい岩垂聡さん、文子さん、これからもおいしいレタスをつくってください!
■問合せ JA洗馬本所 長野県塩尻市洗馬 2720-3 TEL 0263-52-0108
こちらは 2020.09.01 の記事です。農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。
ゆっけ
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