すっきりとした甘さとシャリっとした食感がたまらない、梨の季節がやってきました! 今回ご紹介するのは、長野県生まれの梨「南水(なんすい)」です。 訪れたのは長野県南部の下伊那郡高森町にある本島洋二(もとじま・ようじ)さんの畑です。 本島さんは梨栽培歴20年、現在奥様と2人で南水を育てています。
南水は他の品種と比べて大玉で糖度が高く、日持ちがするのが特徴です。どれくらい日持ちがするのかというと、常温で1カ月、冷蔵で2、3カ月くらいもつとのこと。高級梨として贈答用によく用いられています。平成2(1990)年に品種登録され栽培が始まりましたが、その当時は築地市場で一玉1000円の値が付いたこともあったそうです。
「盆地特有の寒暖差がある気候のおかげで糖度が高くおいしくなる、と言われています。あと、滑らかできれいな肌も自慢です」と本島さん。 梨農家は梨の表面のことを「肌」と呼びます。 南水自慢のきれいな肌には、農家の苦労が隠されています。
南水は肌が弱く、滑らかできれいな肌の梨を作るためには袋掛けが必要なのだとか。 そのため、袋掛けが必要ない「幸水」「豊水」といった他の品種に比べて手間がかかるそう。本島さんの畑すべてに袋掛けをするのに1カ月程度もかかるそうです。そうして、袋掛けが終了しても、袋をカラスがつついて遊ぶといった被害も起こります。そして最後は色づきを確認するため、苦労して掛けた袋を破くことになります。 きれいな南水の肌は農家さんの努力の賜物なんですね。
さて、見た目も大切ですが、何と言っても気になるのは味!! 「初めて食べた時の感動は今でも覚えています。本当においしい梨です」と太鼓判を押す本島さん。 そんな本島さんに「おいしい南水」を選んでいただきました。 おいしい南水の特徴は...。 ・色がレンガ色(薄茶色) ・お尻(軸がない方)が広がっている ・実に張りがある 本当に新鮮な南水にしか見られないレアな特徴は「お尻のくぼみの外側が薄茶色、中央が青いもの」。このような南水は甘さとシャリッとした食感がさらに強く味わえるのだそうです。
そして、「冷蔵庫で1時間冷やす」のが本島さんおすすめの食べ方。 キンキンに冷やしてしまうと甘みが少なくなってしまうので、「ひんやり」する程度に冷やすというのがよいそうです。 本島さんの南水を冷蔵庫で1時間冷やしていただきました!
さすが大玉。一玉でこのボリュームです。 食べてみると、口に入れた瞬間「え、甘い!!」とびっくり。 噛むとシャリシャリと気持ちのいい歯ごたえとともに、ジュワ~っと口いっぱいに甘い果汁が広がり、なんとも幸せな気持ちになりました。 南水は今まで食べてきた梨で一番「甘さ」と「シャリッ」とした食感が強いなと感じました。 「初めて食べた時の感動は今でも覚えている」という本島さんの言葉の意味が食べてみてわかった気がしました。皮付近が特に甘いので、皮は薄めに剝いてください!
本島さんは若い頃は勤め人をしていて、当時は実家の農業を継ぐ気はゼロだったそうです。しかし、親御さんが体調を崩されたのをきっかけに退職し、就農しました。 「農家は夫婦2人いると3人分の作業ができるけど、1人になると1人分の作業しかできません。せっかく土地も果樹も道具もあって恵まれているのに、継がないのはもったいないと思いました」と本島さん。 梨部会の仲間たちにノウハウを教えてもらって、ここまでやってきたそうです。
本島さん、これからもおいしい南水をよろしくお願いします!
■問合せ JAみなみ信州 営農部 長野県飯田市鼎東鼎281 TEL 0265-52-6644
こちらは 2020.09.15 の記事です。農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。
ゆっけ
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