みなさん、この野菜を知っていますか?
こ、れ、は、白ナスです!
白ナスは、皮が白いナスの総称です。旬は一般的に6月から10月ですが、信州は8月から9月までが旬です。
長野県内で力を入れて生産を始めている南佐久郡川上村の、白ナス農家の小原利文(こはら・としふみ)さんを取材しました。
白ナス農家の小原利文さん(左)とJA長野八ヶ岳の販売指導課の小池敬一さん
白ナスとは?
皮が白く、へたが緑色なのが特徴です。形は、米ナスに似たものや、細長いものなどさまざま。
紫色のナスには「ナスニン」というポリフェノールが含まれています。ブルーベリーやブドウにも含まれるアントシアニン色素が白ナスには含まれていないため、完熟しても白いままなのです。
果肉が緻密で水分が多く、口当たりが良く、食べやすいのですが、皮が少しかたいので、漬物には適さず、揚げ物や煮物に向いています。
特に油との相性抜群なので、紫ナスとはちがった、やわらかくトロトロとした食感を楽しむことができます。
白ナスのおいしさに魅了されて
小原さんは、JA長野八ヶ岳の販売指導課の小池さんに白ナスを教えてもらい、食べてみたらトロトロした食感がたまらなくおいしくて、すっかり魅了されて、2年前に栽培をはじめました。
「白ナスのおいしさをもっと知ってもらい、手に取って食べてほしい」と語る小原さん。筆者は小原さんの白ナス愛に感銘を受けました!
小原さんが栽培している白ナスは「とろ~り旨なす」という品種です。つやがある白色の果実で、3~15センチの太めの「長卵形(ちょうらんけい)ナス」。直径8センチ、果重300g程度と通常のナスに比べて3倍ほど大きくなるそうです。
果肉は通常の白ナスよりもやわらかく、緻密で高品質。加熱すると、ねっとりとした食感となり、皮から色が出ないため、彩りがきれいで料理の幅が広がります。
小原さんは1日30ケースを、おもに東京へ出荷しているそうです。
長ナス(左)と白ナス、比べてみるとこんな感じ
白ナスは花が咲いてから収穫まで1カ月かかるそうです。花が咲き、受粉すると花がしぼみ、花が落ちて実が少し顔を出してきたら、傷防止のための袋をかけ、2週間くらいで収穫します。
紫色のナスと同様に紫色の花が咲きます。実は、最初は白色で、低温短日、特に日照不足による生理現象で、秋から冬にかけて栽培される地域のものは極薄緑色の実になります。そして25℃以上で太陽の光を浴びると色素が徐々に薄くなり、白色に変化していきます。
白ナスの生産現場に密着してみました!
出荷するときは、傷がつくことや鮮度が落ちることを防ぐため、1つずつ袋をかけます
新鮮な白ナスの選び方
さて、新鮮な白ナスとは。皮にハリとつやがあること。へたのとげがピンととがっていること。この2つがポイントです。
皮にしわがあると鮮度が落ちていて、へたがしぼんでいるものは収穫から時間が経っているそうです。同じ大きさの場合は、どしっと重たいものを選んだ方が良いです。軽いナスは中身がスカスカで、独特なトロッとした食感が落ちてしまいます。
超簡単!おすすめ白ナスレシピ
白ナスは、厚く硬い皮に守られているため、果肉の水分を逃さず加熱するとトロトロ食感が楽しめます。そして形が崩れにくく、焼いたり揚げたり油との相性が抜群です!
小原さんから「超簡単!おすすめレシピ」を教えていただきましたので、ご紹介します。
焼いておろしポン酢
1 白ナスを縦4等分に切る。
2 フライパンに油をひいて、焼く。
3 火が通ったら大根おろしとポン酢をかける。
ひき肉とボロネーゼチーズ
1 白ナスをひと口大に切る。
2 フライパンに油をひき、1を炒める。
3 ナスに火が通ったら、ひき肉とボロネーゼ(市販品でもOK)を入れて、さらに炒める。
4 器に入れ、チーズをかけて、オーブントースターでチーズが溶けるまで焼く。
ひと口唐揚げ風
1 白ナスをひと口大に切って、しょうゆで下味をつける。
2 ポリ袋に1と片栗粉を入れて振り、ナスに粉をまぶす。
3 フライパンに油を入れ、170度で3分ほど、ナスがこんがりするまで揚げる。
4 好みでレモンをかける。
ポン酢和え
1 白ナスの皮をピーラーでむく。
2 ラップをして電子レンジ(600w)で4分加熱し、氷水に浸す。
3 冷めたら手で割いて、ポン酢と削り節を和える。
4 好みでしょうがのすりおろしやめんつゆ、ゴマ油を加える。
最後に
JA長野八ヶ岳管内では「白ナス」のおいしさを長野県内外の方に知ってもらうため、本格的に栽培に取り組んでいます。
スーパーではあまり見かける機会がないかもしれませんが、直売所などで取り扱っていることの方が多いようです。
とろとろで優しい味わいが魅力の白ナスを手に取って、おいしさを知っていただきたいです!
最後に小原さんから消費者のみなさんにひと言!
おまけ
JA職員の小池さんは、白ナスを最初に生産し始めた人。自宅で育てている白ナスに面白アレンジをしているそうです!
アートなリンゴが販売されているのを見かけることはあったのですが、ナスでもアートできるのだとびっくりしました。こんな風に面白アレンジするのも楽しいな~。筆者もいつかやってみたいと思いました。
JA長野八ヶ岳のロゴとオリジナルキャラクターをアートしてみた!
ナスを会社員風にアレンジ!