これはびっくり!思わず目を奪われてしまうほど大きなぶなしめじです。
びっくりするほど大きな「ひと株ぶなしめじ」です
昭和初期にガラス瓶を用いたえのきたけの人工栽培がはじまった長野県。今では、えのきたけやぶなしめじ、エリンギの生産量日本一を誇る「きのこ王国」です。
えのきたけに次いで国内生産量2位の人気きのこであるぶなしめじがどのように作られているのかを知るため、JA中野市ぶなしめじ部会長の原 臣吾(はら・しんご)さんのぶなしめじハウスへ取材に行きました。
きのこ農家になったきっかけは?
原さんは兄弟できのこを栽培しており、臣吾(しんご)さんが原ファームでしめじを、兄の栄二(えいじ)さんが原きのこ園でえのきたけを栽培しています。およそ50年前、原さんの父親が冬の農閑期にえのき栽培をはじめました。
臣吾さんは、子どものころからきのこ栽培に関わってきたことや、高齢化などで廃業してしまう農家が増えたこともあって、日本一のきのこ産地を守り、安全・安心でおいしいきのこを消費者の方に食べてほしいという思いから、2011年にぶなしめじ栽培を営むため、独立しました。
株式会社原ファームとして独立
どのように作っているの?
原ファームのぶなしめじは味がいいのはもちろんですが、軸が太く、形や大きさがそろっているのも自慢です。
自慢のぶなしめじを作るために、おがくずや米ぬかを混ぜた土台にぶなしめじの菌を繁殖させる「菌床栽培」をしています。木に菌を打ちつける「原木栽培」より、安定的に短期間で育てられるといいます。
芽出しをするため小さい穴のあいた乾燥防止用のシートをかけ、外気やクーラーの風による乾燥を防いでいます。
勢いのある芽が多く出ると、粒のそろったボリュームのあるぶなしめじになるそうです。この芽出しが、ぶなしめじを作る工程の重要なポイントとなります。
乾燥防止用シートをかけ、芽出しを促しています
均等な形に育てるために、栽培室は室温15℃、湿度100%に保ち、環境の変化や生育状態の異常がないかなどを常にチェックをしています。
そして青いライトで生育を調整しながら、大きさのそろった軸の太いぶなしめじに育て上げます。
芽出しから約15日後には、2~3㎝に成長します。「きのこの生育には外気が大きく関わり、入れすぎてしまうと乾燥したり、栽培室の環境が変化してしまうので、調整が難しい」と臣吾さん。品質の良いきのこを作るには、365日徹底した管理が欠かせないのです。
芽出しから約15日後には2~3㎝に成長する
大切に愛情込めて育てたぶなしめじが、こんなに大きく成長しました!この大きさに、農家さんの思いが形として表れているのかなと感じました。
とても大きい収穫時期のぶなしめじ
収穫のタイミングは、1本1本の形、軸の太さ、傘の大きさなど、きのこの状態を見て判断するそうです。
一つひとつを確認しています
ぶなしめじは収穫機に通して、株元を挟んで機械でカットするため、株の崩れが少なく、きれいな状態で収穫できます。そして新鮮なうちに袋詰めします。
収穫機を使ってぶなしめじをカットします
最後に…
取材をとおして、私たちがおいしいきのこを食べられるのは、生産者の方が愛情込めて育て、栽培から収穫までの地道な作業があるからと感じました。
そして、おいしい農畜産物を当たり前に食べられることに感謝をしながら、これからも買って・食べて・応援していきたいと思いました。
今回紹介した原ファームのぶなしめじは全国へ出荷しています。直売所やスーパーなどで見かけたら、ぜひ手に取ってみてください!
「ひと株ぶなしめじ」はこのパッケージが目印です!
右端が原臣吾さん。みなさまのもとへおいしいきのこが届きますように!