秋が深まるこの季節。りんご、ぶどう、なし、ももなど、長野県で生産量上位を占めるたくさんの果物がおいしく実ります。
なかでも今回、注目した果物は、ぶどうです! ぶどうって、たくさん品種があって、どれもおいしいですよね~。
長野県でも多くの品種を栽培しているのですが、赤・白・黒系の品種からそれぞれ人気のぶどうをまとめて「ぶどう三姉妹®️」と呼んでいます。
「ぶどう三姉妹®️」を知るために、JA中野市のぶどう農家、町田幸正(ゆきまさ)さんを訪ねました。
JA中野市ぶどう農家の町田幸正さん(左)と、JA中野市の園芸課の清水達哉さんにご協力いただきました
「ぶどう三姉妹®️」とは
長野県で人気のぶどうから、黒系「ナガノパープル」と白系「シャインマスカット」と赤系「クイーンルージュ」をまとめて、ぶどう三姉妹®と呼んでいます。
この3品種の特徴は、種なしで皮ごと食べられること。それぞれのぶどうについてご紹介します。
ナガノパープル
ナガノパープルは長野県のオリジナル品種で、「巨峰」と「リザマート」の交配により誕生した大粒の黒ぶどうです。
長野県果樹試験場で育成され、2004(平成16)年に品種登録されました。果皮は黒紫色で、糖度18~20度と甘みが強く、渋みはなく、果汁たっぷりで豊かな風味を楽しめます。
シャインマスカット
シャインマスカットは、親が「安芸津21号」と「白南」で、2006(平成18)年に品種登録されたぶどうです。農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所で育成されました。
果皮は緑黄色で、果粒の重さは10~15g。糖度は18~20度ほどと高く、酸味は控えめです。果皮が薄くてやわらかく、皮ごと食べられるので、パリッとした歯ごたえも特徴のひとつ。ジューシーで上品な甘みと高貴な香りが楽しめます。
クイーンルージュ
ワインレッドにきらめくぶどうの女王様
クイーンルージュは、「ユニコーン」×「シャインマスカット」で、長野県果樹試験場が育成し、2019年に品種登録されました。クイーンルージュは商標名です。
1房は400~450gで、果粒は楕円形で大粒。糖度は20度以上と甘みが強く、酸味が少なく、ほんのりマスカットの香りが感じられます。
親のシャインマスカットのように果皮が薄く、種がないので、流水でさっと洗って、そのまま手軽に食べることができます。
ぶどうの生産から出荷まで
ナガノパープルは8月下旬、シャインマスカットは9月中旬、クイーンルージュ9月下旬に、順に出荷されていきます。
春から芽かき、房切り、粒を整える摘粒作業、袋かけや傘かけ、枝整理などを進め、秋に収穫されて、JA中野市ぶどう集出荷センターでの品質検査を経て、東京や大阪など各地の市場へ出荷されています。
JA中野市ぶどう集出荷センターで検査と箱詰めを行っています
こうして箱詰めされたぶどうは東京や大阪などへ出荷されます
今年の生育状況について町田さんに聞いてみると「巨峰の色つきがあまりよくないんですが、今年は凍霜害の影響もなかったため、高品質なぶどうに仕上がっています」とのこと。
栽培で特に意識しているのは、伸びる枝を整理して、しっかり光が入るように管理すること。粒の色つきや甘さに影響してくるからです。水分を与えることや、病気が発生しないことにも心を配ります。
ぶどうに直接触れると劣化が早まるため、袋をつけたまま、できるだけ房に触れないように作業をします。ぶどうは、とてもデリケートなんですね。
収穫の際には、見るだけではなく、食べて確認もするそうです。
粒が大きく色つきが良いぶどうを見ると、早く消費者の方に食べてほしいと思うそうです。
収穫前のぶどうで病気や割れ目などないか確認をしています
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おいしいぶどうの選び方と保存法
「ぶどうは生で食べるのが一番」と語る町田さん。
「購入する際に、おいしいぶどうを見分けるには軸をチェックすることが大切です。軸が緑色で弾力があり、水気があるものを選んでください」
「冷蔵庫で保存して後日食べる場合は、新聞紙またはキッチンペーパーでくるむかビニール袋に入れて、野菜室で保存すると長持ちしますよ」
自分で作れるぶどうのスイーツ
JAタウンでは「長野のおいしいグルメ」と題し、ぶどうレシピを紹介しています。その中にナガノパープルとシャインマスカットを使ったおすすめレシピがありましたので、実際に作ってみました。
ぶどうのスムージー
[材料(2人分)]
・ナガノパープル 150g
・プレーンヨーグルト カップ1
・レモン汁 大さじ1
[作り方]
1 ぶどうは房から外して水で洗い、皮つきのまま縦半分に切る。種があれば取る。
2 ブレンダーで 1 を細かくつぶす。
3 2 にヨーグルトとレモン汁を加え、滑らかになるまでブレンダーで撹拌する。
4 グラスに注いで、できあがり。皮が気になる人は茶こしなどでこしましょう。
ぶどうのクラフティ
[材料(2人分)]
・シャインマスカット 200g
・卵 1個
・生クリーム カップ1/4
・牛乳 カップ1/4
・グラニュー糖 大さじ2
・バニラエッセンス 少々
・キルシュ(またはブランデー) 大さじ1/2
・アーモンドパウダー 大さじ3
[作り方]
1 ぶどうを房から外して水で洗い、水分をふき取ってから、耐熱皿に並べる。
2 ぶどう以外の材料をボウルに入れて混ぜ合わせ、1 に流し入れる。
3 170℃に温めたオーブンで25分焼く。
4 竹串を刺し、生地がつかなくなればできあがり。
レシピについては下記サイトからご覧ください。
ご当地グルメ長野のぶどうを使った簡単レシピ
また、東京・大阪・福岡で、ぶどう三姉妹®️を使ったスイーツフェスも開催しています。この時期しか味わうことができないぶどうをふんだんに使ったパフェやケーキなどを食べることができます。ぜひ、チェックしてみてください。
▼JA全農 「長野県産ぶどう三姉妹🄬フェア」https://www.zennoh.or.jp/press/release/2024/101989.html
最後に…
今回は、ぶどう三姉妹®️を紹介しました。町田さんは「ナガノパープルが好きです。甘みだけでなく酸味もあるため、さっぱりしていておいしい」と笑顔で話してくださいました。
そのまま食べてもgood!スイーツやサラダにするのもgood!レシピのバリエーションは豊富なので、ぜひ長野県のぶどうを買って食べていただきたいです。
町田さんから全国のみなさんにひと言。