夏はスイカ、桃。そして秋になって、梨、ぶどう、りんごへとバトンタッチされて、長野県ではくだもののおいしいリレーが続きます。ところで、県内のぶどうの生産量は、なんと全国第2位!「ぶどう」といっても、甘みの強いもの、酸味のあるもの、種あり、種なし、生食用、加工用・・・実に、たくさんの種類が栽培されています。その中でも、まだあまり知られていない「サニールージュ」という、ルビー色に輝く甘〜い☆ぶどうがあるとお聞きし、さっそく取材に行ってきました!\(^o^)/
ぶどう栽培に適した台地「桔梗ヶ原」
県中部に位置する塩尻市の桔梗ヶ原を中心とする地域は、県内でも有数のぶどうの産地です。桔梗ヶ原は標高が700メートル前後と高いため、昼夜の寒暖の差が大きいこと、日照時間が長いこと、水はけのよい土壌などのぶどう栽培に適した自然条件に恵まれており、おいしいぶどうが育っています。
桔梗ヶ原で30年以上ぶどうを栽培している、田中豊治(とよはる)さん(55)を訪ねました。田中さんは、サニールージュのほか、巨峰やナガノパープルなどのぶどうを中心としたくだものや花を生産する農家です。
酸味が少なく、甘みは強い
種なしだから子どもでも食べやすい
「サニールージュ」とはどんなぶどうなのでしょうか。さっそく田中さんにお聞きしました。
サニールージュは、「ピオーネ」と「レッドパール」という品種のぶどうをかけ合わせて1977年に誕生しました。2000年12月に品種登録されてから、桔梗ヶ原でも栽培が開始された比較的新しい品種のぶどうです。田中さんのぶどう畑では、取材に伺った日の翌日からサニールージュの出荷が始まるとのことでした。
ぶどう畑一面に収穫のときを待つぶどうが、たくさん実っていました。色合いはルビー色のような赤みがあってデラウェアそっくりですが、大きさは2倍あり巨峰と同じくらいです。実は短楕円なので、ツンと実の張り出しているところが気品を感じさせます。
糖度計で測定したところ、なんと糖度は22.6度もありました!\(◎o◎)/
甘〜いくだものの代表である桃の糖度は13〜15%といわれているので、サニールージュは、ギュッと甘みの詰まったぶどうであることがよく分かります。
収穫期によって異なる味わいを楽しもう
採りたてのサニールージュをいただきました!
パクっ。「ん〜!!甘いのに、さっぱり」
皮ごと口に入れても、実と皮がスルッと離れるので、とても食べやすかったです。デラウェアの味は好きだけれど、粒が小さいので食べるのが大変・・・と思っていた方には、特におススメですよ! また、収穫初期はさっぱりとした甘さで、後期になるほど濃厚な甘さになるなど、収穫期によって味わいが異なるのも魅力です。
食べた人に、「おいしい!」、「田中さんのぶどうがまた食べたい!」と言ってもらうのが何よりの喜びという田中さん。なんと、田中農園の5代目! 田中さんのご先祖は、当時は草原だったここ桔梗ヶ原に、明治2(1869)年に入植したそうです。それから140年以上もかけて守り続けられた畑だからこそ、こんなにおいしいぶどうが育つんですね。
とっておきのぶどうが食べたい!
おいしいぶどうを食べるコツを伺うと・・・
(1) 樹に近いところに実るぶどうより、ツルの先端に近い部分に実るぶどうの方が甘みが強い
(2) ぶどうの房の先端より肩に近い部分の方が甘みが強い
ぶどうには、このような傾向があると教えていただきました。ぶどう狩りなどにお出かけの際は、参考にしてみてください。
サニールージュをはじめ、おいしいぶどうが食べたい! という方は、JA塩尻市の直売所「新鮮市場ききょう」などでお求めいただけます。