長野県はプルーンの生産量が全国1位。今回は長野県のオリジナル品種「オータムキュート」を紹介します。
オータムキュートは2016年度から本格的に販売されている比較的新しい品種です。果実の大きさが80g前後と大玉で、糖度は18度以上。甘みが多くジューシーな味わいから、ファンが増えている人気品種です。
長野県の東部に位置する佐久穂町では、オータムキュートのブランド化に力を入れています。同町でオータムキュートを栽培している、JA佐久浅間果樹専門委員会プルーン専門部長の須田治男(すだ・はるお)さんを訪ねました。
須田さんは3.7haの農地でリンゴやプルーンを栽培する果樹農家です。Uターンでご両親の農地を引き継ぎ、就農12年目です。
須田さんはオータムキュートを含め、10品種のプルーンを栽培しています。オータムキュート栽培で気をつけていることをうかがいました。
「大玉になるよう、そして果実に栄養が集中するよう、摘果を入念に行っています」
一般的なプルーンのサイズは30g~60g程度ですが、オータムキュートは約80gと「大玉」です。でも、ただ放っておけば大玉になるわけではないのですね。
収穫の1か月前には雨除けとして屋根をつけます。
「糖度が14度以上になると、浸透圧で雨水が果実に吸収され、水風船のように果実がふくらんで裂果する場合があります。裂果しなくても、一度ふくらんだ果実の水分が蒸発して、もとの大きさに戻ると果実にしわができてしまいます」
裂果やしわを防ぐため、雨除けが必須なのですね。
須田さんがプルーンのなかでもっとも好きな品種がオータムキュートです。
「子どもに食べさせると、目を輝かせて食べて、食べる手が止まらないんです。栽培の手間はかかりますが、つくりがいがありますね」
オータムキュートのおいしさを多くの人に知ってもらいたいと、町で行っている販売促進の活動にも参加しています。
2019年には、都内「銀座NAGANO」で新宿高野協力のもと、佐久穂町で栽培したオータムキュートの販売やカッティング教室を開き、来場者とパフェを作りました。
「佐久穂町×新宿高野」プルーンPRコラボ動画では、オータムキュートの産地佐久穂町と、パフェに仕立て上げる様子を紹介しています。
イベントでは、初めてオータムキュートを食べた方から「甘みがしっかりして、肉厚な食感がおいしい!」という感想に、手ごたえを感じたと須田さん。2021年10月から、佐久穂町産のオータムキュートのうち、糖度20度以上で大玉(90g以上)の果実をブランドプルーン「紫稀(しき)」として新宿高野本店で販売し、佐久穂町のふるさと納税の返礼品にもする予定です。「紫稀は1個ずつ非破壊糖度計を使い、糖度20度以上を保証しています。ブランド化をきっかけに、プルーンの生産現場が盛り上がるといいなと思います」
プルーンはジャムなどの加工品も有名ですが、オータムキュートは「生で皮ごと」食べるのがおすすめです。
オータムキュートの出荷時期は9月下旬から10月上旬。プルーンの旬は10日程度で、とても旬の短い果物です。オータムキュートを見つけたら、すぐに購入するのがおすすめです。
▼ 須田さんのオータムキュートを購入したい方はこちら・りんごやSUDATEL 090-9144-4642▼ オータムキュートを購入したい方はこちら・佐久穂町 農産物直売所(まちの駅)・道の駅 ヘルシーテラス佐久南※オータムキュートの出荷時期は9月下旬から10月上旬です。旬の時期が短いため、電話で確認することをおすすめします。
※各地のスーパーマーケットにも並びますので、ぜひ店頭もチェックしてください。
こちらは 2021.09.08 の記事です。農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。
ゆっけ
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