加工品

おいしさは『手間』の結晶 市田柿

ichida7.jpgお正月には欠かせない信州の特産品「市田柿」は、伊那郡市田村(現在の高森町)が発祥と地と言われています。江戸時代より信州伊那谷では柿の生産がされていましたが、大正10年にそれまで「焼き柿」を「市田柿」に改称し栽培方法〜加工方法について長年に渡って研究・改善が重ねられ、現在のように肉質が緻密で、実に気品のある干柿に仕上がるようになりました。

1個の市田柿が収穫されてから商品として市場などに出て行くまでの過程で、生産者がその柿に触れる機会は実に15回〜20回を数えます。それほどまでに生産者の愛情がこもった市田柿は、まさに『手間』の結晶と言えるでしょう。

ここでしか作れない理由

 

今ではこのような柿すだれは見れなくなってしまいました
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長野県の最南端、飯田下伊那地方では10月稲刈りが終わる頃、オレンジ色に色づいた柿が伊那谷をおおいます。いよいよ市田柿の収穫がはじまります。

 

収穫してもすぐには皮をむくわけではなく、まずは3日〜5日追熟して熟度をそろえます。大・中・小に選別してから皮むきのはじまりです。むく皮の幅が狭いほど仕上がりがきれいな干柿になるので、とにかく丁寧にむくのがコツなのです。今では自動皮むき機も多くの生産者が使っています。皮むきが終わった柿は、今度はお互いに触れ合わない間隔でつるし糸に掛けられてから硫黄燻蒸にかけられます。この燻蒸作業は干している間にカビがつかないようにするために必要な作業です。

干す作業は、かつてはどこの農家の軒先にも『柿すだれ』として皮むきされた市田柿が並んでいるのが秋の風物詩として有名でした。しかし食品衛生の観点から今では室内やビニールハウス内で乾燥されるのがほとんどとなってきています。

飯田下伊那地方は、中央アルプスと南アルプスに挟まれていて、その間を天竜川が流れています。そこから冬は毎朝のように『朝霧』が発生します。この地区の冬はとかく乾燥しがちなのですが、この天竜川から湧き上がる霧が、市田柿を一気に乾かさないように調整する自然の『加湿器』となって、じっくりゆっくりと市田柿が干し上がっていくわけです。おいしい干し柿を作るための重要な条件のひとつになっており、他の産地で市田柿を作り上げようとしてもなかなかうまくいかないのはこの朝霧が発生しないからとも言われています。

皮むき後のおおむね35%の重量となったところで柿すだれから下ろします。この段階ではまだ果実に水分を含んでいます。

kakikaki-toumei.gif今度は「柿もみ」の作業です。穴のいっぱい空いたドラム缶のような柿もみ機に入れた干柿を3分〜5分回し果芯に残っている水分が表面に出てきたところで天日に干します。表面の水分が消えたら再び柿もみを行い、再度天日干しです。この作業を2〜3回繰り返していくうちに干柿の表面に白い粉(果糖)が徐々に付いてきます。

市田柿生産者には全員、『衛星管理マニュアル』を配布し、干し場の清掃・除菌方法を指導し、作業時には白衣、帽子、手袋、マスクの着用を義務付ける他、休憩時には必ず手洗い・消毒を徹底するなど加工食品工場並みの衛星管理を行なっています。

納得の味をおためしください

 

選別機(0.1g単位で選別が可能)
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この地区のJAみなみ信州では平成15年より市田柿の集出荷貯蔵施設『柿の里』を稼動しました。ここでは、バラ詰めで集荷した市田柿を選別機で規格ごとに振り分け、スーパーの要望する容器に包装したり、ギフト向けの化粧箱に詰めたりする作業を行います。高齢化の進む産地実態も考慮した、干柿としては全国で初めての施設です。

皮むき後の27%〜30%まで水分が抜かれた市田柿は一面白い果糖の粉におおわれ、果肉はきれいなアメ色で、食べた時の羊かんのような柔らかさと郷愁を誘う香りはまさに干柿の王様といえるでしょう。お値段も少し高めかもしれませんが、食べてみれば納得していただけることと思われます。

市田柿産地として知られるJAみなみ信州のショップ伊那谷ふるさと発信地で「市田柿」販売いたします。どうぞご来店ください。

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農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。

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