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春の訪れを祝福しよう! レタス畑の春を!

lettuce_field.jpgため息が出るくらいに優美なラインが、視界いっぱい続いていました。あまりの広大さと、その大地に線をなして広がる新しい芽に、ついつい足を止めて、見入ってしまいます。これは一体なにか? 実はこれ、たった今植えられたばかりのレタスの子どもたちなのであります。小さなレタスがまた、なんとも愛らしいではありませんか。「春の訪れを祝福しよう!」ということで、今回は信州の春の農作業がはじまっている「春まきレタス」の現場から報告します。

ここはどこかと申しますと、長野県の中部、松本市のお隣の朝日村。果てしなく広がっているレタス畑を歩いていくと、風よけの防寒具に身を包んで黙々と作業に汗を流す上條強さん(59)にお話しをうかがうことができました。農業一筋40年の上條さんは、レタスを80a、その他にハクサイ、キャベツ(グリーンボール)、小麦などを栽培しています。

自然は毎年変化するからね
朝日村は、標高が約800メートルと近隣よりも高く、飛騨山脈の山麓に位置しています。そのため、松本市内より若干気温が低くて降水量もやや多いことが特徴です。全体的には降水量が少ないことと、夏と冬の寒暖の差が激しいことから、昔からこの自然の利を利用した高原野菜の栽培が盛んな地域です。また、松本地域は、概して飛騨山脈からの吹き降ろしの風が強い土地ですが、さらに山々に近い朝日村は、他地区よりこの風がいっそう強いところでもあります。

planting_lettuce.jpg上條さん(写真)は今年、約7,000本のレタスを植える予定で、目下、奥さんと二人三脚で作業を進めているところです。今年は暖冬の影響から例年よりすこし早めに定植をはじめました。「気候・状況など自然は毎年変化するから、同じではないのは当然。その年ごと新たな気持ちで農産物を栽培しているよ」と上條さんは穏やかに話してくれました。

話しを聞いている間もときおり強い突風が吹きおろしてきます。リズムよく手を伸ばしながら「風が強い地域でね。しっかり植えないと飛ばされてしまうんだ」と言いながら、上條さんは丁寧かつ慎重に、ぐっ、ぐっと、ひとつひとつ力を込めて植えています。保温シートはベビー・レタスの寒さをしのぐためのものなのです。

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なにが大変といって
大変なのはレタスの代表的な病気でもある「根腐病」になってしまうことだと上條さん。それは、連作障害のひとつで外側の葉から黄色になって、最後には枯れてしまう病気です。根腐病はひとつがかかると全体に広がっていき、最悪の場合は畑のレタスがことごとくダメになってしまうこともあるのです。対策としては2〜3年レタスを栽培したら、同じところでレタスを栽培せず、小麦や他の農産物を栽培すること。また、病気の元となる菌が土から土へ移りやすいため、根腐病の畑に入ったあとは靴についた土もまめに落とすようにすること。

現在植えている春まきの赤ん坊レタスは、このままスクスク順調に育ったら5月中旬には出荷が予定されています。今後は風だけでなく、病気や、去年のような大雨など、気が抜けない日がつづきます。上條さんは「栽培に農薬を極力使わないために徹底した栽培管理などを、今までの経験値を生かしてレタスづくりに力を注ぎますよ」と話してくれました。

asahivillage.jpg自然が相手の農業がいい
農業の魅力をうかがうと「農業は自然相手で、時間に追われないのが自分にあっている。自然に逆らわす、これからも夫婦で細く長くやっていきたい」と農業の魅力と厳しさを語ってくれました。

レタス畑に立つと、春の訪れを実感します。祝福すべき春! 今後もみなさんに暖かい春の風をお届けします。

こちらは の記事です。
農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。

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