早いもので3月です。今週は高校の卒業式、来週は大学の卒業式――なんて方も多いのではないでしょうか。あ、気づけば、4月には甥の小学校への入学式、親戚の信ちゃんは社会人スタート。ふぅ。この季節は出会いと別れが交錯する、なんとも想い入れが強い月なんですよね。
そういえば、お世話になった人にお礼をしなくっちゃ(^^ゞう〜ん、感謝の気持ちを込めて...なにか本当によいものを贈りたい。う〜ん、贈りものといえば、アレです、アレ。ハムですよ、やはり。大きなハムやベーコンのかたまりは、欧米ではそのまま豊かな食生活の象徴とされるもの。
そこで今回、ご紹介するのは、伝統を守り、長野県の恵まれた自然環境を生かし、昔ながらの製法でひとつひとつ丁寧につくられている手づくりの本物の「ハム」であります。
長野県の東部に位置する佐久市。この佐久市内よりさらに車で約40分走らせ、細い山道をいくども曲がった先に、その工場が姿をあらわします。そこは信州の北八ヶ岳連峰、八千穂高原の標高2,200メートルの亜高山帯。一面見渡す限りの大自然。ここで作られているハムは、その名を「きたやつハム」と申します。
ハムの命は清純な水
諏訪と佐久地域を分けている八ヶ岳連峰北東麓の裾野にある畜産加工工場「きたやつハム」は、昭和62年に、地場産業の発展と旧八千穂村(現:佐久穂町)の活性化を目的にスタートしました。「きたやつ」の名は八ヶ岳の北側、つまり北八ヶ岳(蓼科山・横岳)のことを意味して「きたやつ」との命名されたのです。
そもそもなぜ、このような人里離れた場所でハムづくりがはじまったのか? それは、ハムの命ともいえる「水」があったから。八ヶ岳連峰から流れ出る水をもとめたあげく、納得のいく水が出たのが...そう、この場所だったと、工場発足時を知る井出信人相談役は教えてくれました。もちろん現在も地下600メートルから汲みあげられる、清純な水でハムづくりが行われています。
豚肉の品質が他のものとはちがう
ハムの材料となる豚は、地元地域で生産されている豚。つまり、八ヶ岳・蓼科山麓といった山々の湧水で飼育された豚が、同じ湧水で加工されて、ハムになっているのです。だから、抜群に相性がよいのですね。工場長の渡辺敏さんは「昔から、佐久地方は養豚業が盛んで、昼夜の温度差が大きく年間平均気温が低めな高冷地で育った豚は、肉の締まりと脂の甘さが最大の特徴です」と、豚肉の品質に自信をのぞかせました。
製法は、古典的なドイツの製法にこだわり、工場では8人のスタッフで、原料肉の仕入れから整形、漬け込み、乾燥、燻煙(くんえん)、ボイル、包装、などの一通りの作業を行います。ベーコンには肉に塩をすり込む「乾塩法」を用いて肉の余分な水分を抜き、肉本来の味をより一層引き出します。また、ロースハムには塩水に漬け込む「湿塩法」を用いることで、柔らかくジューシーなハムに仕上げています。
手間暇おしまずおいしいものを
「おいしいものをつくるために手間隙をおしみません。工場発足当時から製法を変えず、増量剤などを一切使用していないんですよ」と渡辺工場長は胸を張ります。もちろん、合成着色料、保存料なども使用していません。
この製法では、気候、環境などに左右され時間がかかることもあるとか。塩も厳選されたものを使い、過程によって独自ブレンドしているそうで...詳しくは企業秘密でした(^^ゞ
現在、豚の生産量が減っているため材料確保が今後の課題と話す工場長の渡辺さんは「地元の豚でハム作りをできるのは養豚農家さんのおかげで、とっても貴重な材料なんです」と思いを語ります。
思いをこめた贈り物に
現在、工場ではロースハム、ボンレスハム、荒挽きウィンナー、荒挽きフランクやベーコンなど8種類がつくられています。なかでも、一押しはベーコン。肉がやわらかく、噛むほどにうまみが染み出し、噂に違わず今まで食べたことのないベーコンでした。工場長のお話では、味にうるさい軽井沢のレストランシェフをも納得させたそうです。
出会いと別れの多い弥生3月。大切な人に思いを込めた分だけよいものを贈りたい、その想いをこのハムで届けてみてください。必ず喜ばれますよ。
「きたやつハム」商品の主な取り扱い店
工場、佐久市内スーパー、JAファーム佐久店
きたやつハムの公式ウェブサイト
詳しくは
JA佐久浅間 きたやつハム工場
〒384−0701 南佐久郡佐久穂町畑4714−4
TEL0267−88−3986
FAX0267−88−3384