大きな花! さまざまな色・形! 結婚式やイベントなどのお祝い事で多く使われているダリア。最近では、卒業式や成人式の髪飾りにも生花が使われており、ますます需要は広がっております。 「ダリア」と言ってもたくさんの品種があり、異なる花かと思うくらいそれぞれに特徴があります。 とても魅力あるダリアについてお伝えします!
訪れたのは、中央アルプスと南アルプスに囲まれた県南部に位置する飯田市。 取材に訪れた日は寒波が押し寄せてきており、県では温暖な地域の飯田市でも雪がチラつくほど。 飯田市でダリアの栽培をしている久保田さんのハウスでは、「彩雪(さいせつ)」の収穫が最盛期を迎えています。 ハウスにおじゃますると・・・。温かい~!! 室内はエアコンやヒーターを使って10~15℃に保たれています。ダリアはとっても繊細な花で、温度を上げすぎてしまうと病気になってしまうため、温度管理が徹底されています。
生長途上のダリア
4分咲きの「彩雪」
みなさん、ダリアの生態を知っていますか? ダリアは球根や苗から生育し、高さ2メートル超まで生長します。出荷時期を迎えると、根元から1、2節残して収穫します。収穫するときは花の咲き具合を見て、だいたい4分咲きの頃に切り取ります。JAみなみ信州のダリアは主に、関東・中部・関西へ出荷されます。市場から花屋さん、お客さんへ届くまでに時間がかかるため、お客さんの手元に届いたときに満開になるように逆算して収穫しています。
はさみを入れる
切り取ったダリアを束ね
シートを縛って...
この状態で集荷場へ運びます
さて、収穫したらダリアの一生は終わり、と思ったら大間違いなのです! 数日経つと切断した節の両側から小さな新芽が・・・! この小さな芽が生長し、花を咲かせます。 このようにして、1球根8本で3サイクル、合計24本程度の花を収穫することができます。
ダリアは東北地方や高知県でも栽培されていますが、ここ長野県のJAみなみ信州が「生産量日本一」を誇っています。 生産量日本一となる秘訣は、気候にあります。ダリアは繊細な花で、暑すぎても、逆に寒すぎても生育しません。温暖な気候の高知県では、冬の栽培に適していますが夏の栽培には向きませんし、東北地方では夏の栽培には向いていますが、冬の栽培には向いていません。 みなみ信州は、標高500メートルの立地と、中央アルプス・南アルプスに囲まれた環境で、涼しい夏も、また曇天が少なく晴れ間が多い冬も、栽培に適しています。
出荷時の梱包の様子
黒蝶
現在、JAみなみ信州管内では約30種の品種が栽培されています。 中でも、近年のダリア人気の火付け役となった『黒蝶』という品種は、JAみなみ信州が生産量日本一となっております。 「自然の黒い花は珍しく、色と咲き方が特徴的。さまざまなシーンで使ってほしい」と語るのは、JAみなみ信州営農部の松島さん。
「お気に入りは黒」と松島さん
また、長くダリアを楽しむポイントとして、(1)傷んできた外側の花びらは、抜かずにハサミで切る。(2)花瓶に飾る場合には、こまめに水を替え、茎の切り上げをする。を教えていただきました。 また、花の中央にはまだ開いていない花びらがたくさんあり、適切に手入れをすれば長く楽しめるとのことです。
切り上げ
傷んだ花びらは抜かずに切る
主な流通先は県外ですが、県内外を問わず冠婚葬祭で用いられるなど、JAみなみ信州のダリアは活躍しております。 ぜひ、信州産のダリアを存分に楽しんでいただきたいと思います。
JAみなみ信州
こちらは 2018.01.16 の記事です。農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。
ジャスミン
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