結婚式などで人気の花、ダリア。その美しく大きな花輪は、花束や生け花をとても豪華に見せてくれます。色はもちろん、花びらの形も様々なバリエーションがあり、一説によるとなんと3万種類以上もあるとかw(*゚o゚*)w そんなダリアの一大生産地が信州にあることをご存知でしょうか?その大産地とは長野県南部に位置する下伊那地域で、ここではJAみなみ信州と生産者のみなさんが「日本一のダリア産地」を目指して奮闘しているのです!!
咲きほこる大輪の花たち
今回やってきたのは、下伊那郡松川町上片桐(かみかたぎり)のとあるビニールハウス。ここでは温度管理されたハウスの中で、ダリアを1年中育てて出荷しています。
春が近い(信州の春はただでさえ遅いんですが)というのに、この日はちらちらと雪が舞う寒い日でした。家を出るときにちょっと服装を間違えてしまった編集部員は「南部の松川町でこの季節に雪が舞うなんて!!( ̄0 ̄;)」と、ついつい嘆きがはいります。そんな訪問者を温かく迎えてくれたのは、この暖かいビニールハウスと、このハウスを管理する宮下明三(みやした あけみ)さんのやさしい笑顔でした。
ビニールハウスの中に入ると、そこには見事な白いダリアが咲いています。ひとつひとつの花びらが美しく、丸く整った花輪を作っている様には思わず見惚れてしまいました。これは「かまくら」という品種だそうで、宮下さんは今年から栽培を始めたとのことです。
別のハウスでは黒に近い赤色のダリアが咲いていて、花びらの形も先程の「かまくら」とは違います。「これは『黒蝶(こくちょう)』。ダリアの中でも有名で、人気のある品種だよ」と宮下さん。同じダリアでも、品種によって印象が全く違うのが面白いですね。
華やかで大きな花を咲かせるために
宮下さんがダリアの栽培を始めたのは6年前。それまでもこの土地で代々花きを育ててきたといいますが、JAみなみ信州が2005年からダリアを栽培し始めたのをきっかけに、2年目から栽培に参加しました。
「ダリア栽培で大事なのは、"芽かき"作業。葉っぱの根元を見てみてよ。茎をちぎった跡があるでしょ。ほうっておくと、伸ばしたい茎の脇から芽が出て来るから、それを摘む作業が必要なんだ」と宮下さん。芽かきは真ん中の花を大きくきれいに咲かせるための大切な作業なんですね。成長も早いから、どんどん摘んでいかなければならず、なかなか骨が折れる作業なんだと宮下さんは話してくれました。
「花の大産地」には理由がありました
JAみなみ信州の管内では、ダリアだけでなく100種類以上の花が出荷されていて、まさに「花の一大生産地」。中央アルプス・南アルプスに囲まれ、標高400m〜1000m以上という大きな標高差のある地形が、多彩な種類の花々の栽培ができる環境をつくり上げています。さらに、この標高差を利用して、同じ種類を長期間出荷することも可能になっているとのことです。
また、生産者の努力も高い評価に結び付いています。みなみ信州で栽培された花々は、このエリア全域で統一された厳しい品質基準で選別されているとのこと。レベルの高い花だけを出荷する体制が、関東を中心とした消費地の信用を得ているんですね。
ダリアを1年中出荷できるようにしたのはこの地域の強みになっているといいます。見た目が華やかなダリアは、結婚式やイベントにとても合うので季節を問わず引っ張りだこなんですね。ただ、「特別な時だけの花」と思い込んでいるあなた!!もちろん特別な日にふさわしいことは間違いありませんが、あえて日常生活のなかで素敵なインテリアとして使ってみるのはいかがでしょうか。とても華やいだ気持ちになる事間違いありません。ぜひ一度お試しください。
《リンク》
JAみなみ信州の花き(ダリアはページの下のほうに掲載されています)